Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

Botanical Muse

いつも繁盛している女性

2020.04.06 08:20

日本の女のコというのは他の国のコに比べて声のトーンが高いらしい。「ヤダー」「ウソー!」という日本語も、女のコを子どもっぽくみせることに成功している。この国の女性のほとんどは、年よりもずっと若く、かわいく見えることを望んでいるのだ。


私のまわりの人たちは、いろいろ努力の結果、年よりもはるかに若く見える。肌もすごくキレイでスタイルだっていい。三十代の友人は、“女盛り”というよりも“娘盛り”といってもいいだろう。当然のことであるが、そのキレイなことといったらない。全員華やかでオシャレな美女ばかりだ。仕事ももちろん、ファッションや美容などさまざまに楽しみややり甲斐がある。一緒にいるだけでこちらまで楽しくなってくるものだ。


四十代の友人たちは、どう見ても三十代前半にしか思われないだろう。四十代になっても、娘以上に派手でかわいいものを着て、それが似合う母親。四十代になっても恋ができる女性。それはそれで結構なことで、女性がめざす方向なのであり、そして世の中もそのようになってきたような気がする。それほど女性における年齢というのは、様変わりを見せたのだ。


A子さんは四十代前半であるが、まだみずみずしい美人。バツイチで子供を抱えて働いているが、恋の噂がたえない人だ。それでも今の彼とはとても長く、もう七年も続いているそうだ。彼は、A子さんに夢中で、彼女が今でも朝起きると、彼からのラインが四つか五ついつもあるそうだ。私のまわりでも恋愛をしている人は多いが、相手がそこまでマメな人はあまり聞いたことはない。


B子さんはバリキャリの女性。年齢は私より上であるが、十ぐらい若い彼がいる。付き合って十五年間、電話をくれなかった日はないそうだ。世界中のどこにいても、必ず電話をくれるそうだ。本当に羨ましい。女性たちが年を重ねても、これほど愛されるなんて心からいいなあと思う。


現代において仕事を持っている女性は独身と同じである。仕事を持っている女性を見ていると、全く所帯くさくない。よくお酒や食事にもつき合ってくれるし、こっそり恋をしている人も多い。


私の友人で、大変色っぽい美人がいる。あの美しさというのは、健全な主婦のそれではない。私はかねがね恋をしているのではないかと睨んでいる。

あるとき酔ったついでに「あなたって恋人いるでしょ?」と尋ねたところ、小学生の子供が二人いるとは思えない艶っぽい笑みでこう返してきた。

「あら、恵美子さんだっているでしょ?」

思わず涙がごぼれそうになった。リップサービスとわかっているけど、こう言ってくれるとやはり嬉しいではないか。ということで、私は高いワインをご馳走したのである。


彼女たちを見ていると、もやは“生のエリート”と言いたくなる。特別の生命力と魅力に溢れているのだ。みな冒険心にとみ、恋という冒険にも興味を示す。完璧に自立した女性で色事もいっぱいする。みんながしたくてできないことをしてくれる現代のアイコンなのである。


最近私のまわりで、成熟した女性たちが続々結婚している。いや、正確に言うと再婚した、というべきだろうか。正直かなり羨ましい例である。

先日は、五十代の知り合いが、大恋愛し年下の男性と再婚した。新郎も再婚であるが、もう彼女にメロメロなのがひと目でわかる。四十代の男性が、そんな目をすることに驚いたが、それよりも未だに男性にこんな目でみつめてもらえる五十代の彼女にも驚嘆した。

「頑張れば、まだまだ私もいける!」と周りの女性たちはそう思ったに違いない。


二人は結婚前にもパリでデイトしていた。新婚旅行はちゃんとハワイに出かけるそうだ。素敵だなあ、こんなの。社会的にも経済的にも丸印の男性をつかまえたから羨ましいのではない。中年になってから、じっくりと相手を選び、後半の人生を共に楽しめるパートナーを見つけたことが本当に羨ましいのだ。これからの人生をどう過ごそうかと考えたとき、ぴったりの相手を見つけた。そしてこれから二人は、世界中いろんな国へ行き、いろんな温泉へ行き、さまざまなディスカッションをし、何杯ものお酒を一緒に飲むのかと思うと本当にいいなあと思う。


それにつけても、私たちの夫というのは、後半を過ごすのに適した相手なのだろうか。

幸せな夫婦をそそのかそうという気はまるでないが、今の結婚制度というのは、本当に時代に合っているのかとよく考える。それは夫婦別姓とかいったイデオロギーっぽいものではない。もっと単純な「ひとりの男の人と、一生添い遂げるなどということは可能なのか」という疑問なのである。


若いとき、恋だ惚れた、などと言って結婚した相手を充実期になって見つめ直したとき、ホコロビが出てくることはないだろうか。子どもも一人前になり、親の責任は済んだ。

「これからは、二人で旅行でもして、ゆっくりと楽しみたいわ」と妻が言ったとしよう。

ところが「そんな無駄遣いなんかするもんじゃない。それより老後に向けて貯金だ、貯金だ」とケチでテレビしか見ない、あるいはスマホの画面しか見ない夫と、暮らしていく生活は楽しいだろうか。中年になってパートナーをチェンジしていく人はもう珍しくないだろう。


私はキレイな三十代がそのまま四十代、五十代になりつつある、今の現状が好ましくてたまらない。年下の素敵な男性からも、愛を打ち明けられる大人の女性が増えていくに違いないからだ。

まったく大人世代の女性の有利なことといったらない。ただ美しいだけではなく、しんのオシャレやセンスを身につけていて大層カッコいい。若い女性にはない知性や気配りも持っている。それに加えて、官能が香り立つ場所を探しあてる嗅覚を持っているはずだ。


やはりロマンティックなハプニングが予想される男性がいた方が、人生はずっと楽しいではないか。この先も恋はまだできる、結婚もまだできる、と考えることは私たちにどれほどの活力を与えてくれることか。




お仕事・取材のご依頼はこちらまで ↓ ↓