保険治療の限界!!歯の補綴って何がいいの?
歯医者さんで虫歯が見つかった!
虫歯をとったら大きな穴が!
虫歯の治療をしたら、その大きく開いた歯の穴には何かしらを詰めたり、補う必要があります。
穴を開けたままですと、モノは詰まるし、歯が薄くなっている箇所がまた割れたり‥
ですから、補う必要があります!
その補うための補綴物。一体何をいれたらいいの??
こんにちは!マネジメント歯科衛生士、美容家、東京医科歯科大学非常勤講師の辻村香恵です!
保険治療の限界に多くの人が気が付きはじめ、やっと、セラミックが急激に注目されています。
今、銀歯からセラミックという選択肢を選ぶ方が非常に増えています。それは、なぜか!!
ご存知の方もいらっしゃると思うのですが、保険治療の銀歯では、治療に限界があり、再発→再治療を繰り返し、結局は抜歯になるということが分かってきたからです!
完全に治療され、虫歯何て何もなく見える銀歯ですが。銀歯をとってみると・・・
こうした、再発→再治療→抜歯のサイクルを少しでも短くするために注目を集めているのがセラミックを使用した治療方法なのです!
歯の治療方法で選ばれる「オールセラミック」とは何なのか ?
オールセラミックとは簡単に言うとセラミック素材のみを使用し、金属を使用しない歯科補綴物のことです。
つまり、見た目が天然の歯のように真っ白なものを指します。多くの歯科用金属は金属アレルギーの原因物質が含まれており、体に害を与える可能性があります。
口内炎がなかなか治らない、手荒れや足の裏に発疹がでるのが全身型の金属アレルギーの代表例です。
しかし、オールセラミックで使用する素材はアレルギーの原因物質を含んでいないので、見た目も優れ、体にとても優しい材料になります。また、金属を使用しないため限りなく天然の歯の色や質感を表現することが出来ます。健康保険を使用して治療を受ける一般歯科では、白い材料は歯科用プラスチックのレジン、その他は銀色の金属しか使用できず、見た目もあまりよくなく体にもあまりよく有りません。
歯科で使用されている主なセラミック素材は、ジルコニア、二ケイ酸リチウムガラス、ポーセレン陶材、ハイブリッドセラミックです。
オールセラミックが一般的にいいとされているメリット
まず、最大の特徴は金属を使用していないのでとても体に優しいと言うことです。健康保険を使用する一般歯科では、ほとんどの場合金属を使用します。前歯には金属で製作したフレームの表面に歯科用プラスチックのレジンを貼付けます。また、奥歯は一部を除いて金属を使用します。この金属はあまり体によく有りません。その金属を使用しないのですから、体に優しいと言えます。
銀歯による金属アレルギーは国が危惧する問題に・・・。
もう一つのメリットは、天然の歯に似た色、質感表現できると言うことです。保険治療で使用する歯科用プラスチックのレジンは天然の歯のような透明感を出すことが難しく、見た目が作り物という感じが否めません。
何せ、プラスチックですからね。また、奥歯の場合銀色の金属色になるため、お世辞にも見た目が言いとは言えません。大きいお口で笑いますと、あなたのその銀歯見えてます。
保険適応のレジンとセラミックの経年比較ですが、数年でレジンは黄ばんでしまいます。
レジンですから陶器と違って、日常生活での飲食で色がどうしても付いてしまうのです。
また、オールセラミックに使用するセラミック素材は汚れやプラーク(歯垢)の付着に強いと言うことです。つまり、長い間清潔な状態が保てると言うことになります。
では、今申し上げたセラミックのメリットについてもう少し詳しく見ていきましょう。
オールセラミックのメリットは本当なのか??
オールセラミックのメリット①白さ
奥歯を治療する場合、あまり細かい色調表現は必要ないかもしれません。実際、上あごの奥歯は大きな口を開けない限りあまり見えないので金属でもいいかもしれません。しかし、前歯や下あごの奥歯は口の中に金属が入っているととても目立ちます。奥歯だと言っても白い歯の中に金属色があると見え方によっては暗く見えたり逆に明るく光って目立つことが有ります。
特に前歯の治療には色調や質感がとても重要になってきます。まず、保険治療で前歯を治すときは、歯科用プラスチックレジンを使用することになります。レジンの特徴を簡単に言いますと、何となく歯のような白い材料だということです。つまり、細かい歯の色の再現や表面の質感を再現することはとても難しいです。
保険で入れた前歯(保険適応レジン全装冠)は、色の不自然さが目立ってしまいます。
また、素材的にもあまり言いものとは言えません。それはレジンにはアレルギー原因物質が含まれており、このレジンが原因でアレルギー反応を起こすことが考えられます。そして、残念ながら粗悪な素材な為、変色や汚れの着色があるので劣化する材料になり、見た目がとても悪くなります。
レジンの色は表現に限界があり、変色も起こりやすいのです。
一方、オールセラミックで使用される材料は基本的には天然の歯に近い色をしています。しかし、ジルコニアや二ケイ酸リチウムガラスは素材的な関係で細かな色調表現をすることが出来ません。素材自体が単色なので、色を染み込ませたり表面に塗ったりするのですが、自然な感じはあまりしません。
そこで大きな役割を果たすのがポーセレン陶材です。ポーセレン陶材はお皿等で使用される陶材を歯科用に色を調合した物です。多くの異なった色を盛り上げて焼き固めるので天然の歯に近い色調を表現することが可能で、表面の質感も調整することが出来るので患者個々の特徴に限りなく似せることが出来ます。また、レジンのように変色しないので長い期間自然な色を保つことが可能です。
自然な色味を出せるポーセレン!!
ですが、ポーセレン陶材の欠点が強度です。ポーセレン陶材単体では非常に割れやすいので、硬い素材の裏打ちが必要です。通常ですと金属が強度アップのため金属で裏打ちをするのですが、より体に優しく天然な歯のような自然な透明感を必要とするならば、ジルコニアや二ケイ酸リチウムガラスが使用されます。中でもジルコニアは歯科用材料の中でもトップクラスの強度を有しているので第一選択になります。ニケイ酸リチウムガラスは、優れた光透過性を有していますが、ガラス素材の為割れやすい材料です。
ポーセレン陶材単体で使用する場合、咬み合わせにあまり関係ない部位のインレー(詰め物)や、前歯の表面を一層削り取り、そこにポーセレン陶材を張り付けるラミネートべニアという物があります。
オールセラミックのメリット②虫歯になりにくい
オールセラミックに使用されるセラミック素材は表面の汚れ・歯垢への耐性が他の歯科材料より高いとされています。つまり、ステインの着色や歯垢の付着が少ないので変色などを起こすことがなく、虫歯にも歯周病にもなりにくいという研究結果があります。
他の天然歯に比べセラミックの方が歯石が付いていないことも多いです。
虫歯と歯周病の原因菌は異なりますが、どちらも歯垢の中に潜んでいます。歯垢が溜まっている人は虫歯にも歯周病にもなりやすいとされています。表面への汚れ・歯垢の沈着は表面の性状に大きく左右されているといわれます。また、有機質か無機質かでも歯垢の沈着度合は大きく異なります。
まず、保険治療で使用される金属とレジンについてお話ししたいと思います。まず、金属ですが、保険治療では主に銀合金と12%金銀パラジウム合金という銀色の金属が使用されます。金属は表面がつるつるしたイメージを持たれると思いますが、非常に傷がつきやすく、また錆びるなどの劣化が激しい材料になります。
銀歯は劣化していく、その下はむし歯だらけ・・・。
銀歯を入れた当初は表面がきれいでも、食べ物を食べたり歯を磨いていくと細かい無数の傷が付き、そこに汚れや歯垢が付着します。
また、銀歯では、メタルの色が歯茎や歯にしみこみます。そして、錆びます。これを「メタルタトゥー」というのですが、よく前歯で金属をを使用している方の歯茎をみますと、黒く歯茎が色づいています。
次にレジンです。レジンは顕微鏡で見てみると材料自体が粗く、パッと見綺麗であっても細かい凹凸や空洞があり、そこに汚れやプラークが沈着します。また、レジンも経時的劣化を起こすので、変色や口臭の原因になることも考えられます。
一方、オールセラミックで使用されるセラミック素材は、材料自体が緻密で細かく、ジルコニアなどは滑沢に研磨すると真珠のような輝きを放ちます。表面の凹凸も少なく、傷もつきにくく、細かい空洞もないため汚れや歯垢の付着がしにくいだけでなく、セラミック素材のほとんどは無機質であるため歯垢自体が付着しにくいとされています。
ですが、セラミック素材の中でもハイブリッドセラミックという物があり、これは保険治療で使用するレジンを改良したものなのですが、強度は増してありますが実際大半が同じ材料なため汚れや歯垢の付着が認められます。
つまり、オールセラミック(ハイブリッドセラミックを除く)はほかの歯科材料より汚れや歯垢の沈着が少ないので、口腔内を清潔に保つことができます。虫歯や歯周病の原因菌が潜んでいるプラークが溜まりにくいわけですから、虫歯や歯周病になりにくいという事になります。
オールセラミックのメリット③寿命が長い
オールセラミックはほかの材料よりも寿命が長いとされています。まず、先にお話ししておきたいのですが、すべてのオールセラミック素材は割れる可能性があるということです。適切な設計、対応ができているのであればその可能性はとても低いですが、絶対に壊れないということはありません。
それを踏まえて、それでもオールセラミックは寿命が長いと言えます。まず、ひとつはセラミック素材が生体親和性に優れているという点です。オールセラミックの最大のメリットはアレルギーの原因物質である金属を使用しないと言うことです。
まず、保険治療ではほとんどの場合金属を使用します。それは前歯でも奥歯でも変わりません。前歯の場合は金属の表面に歯科用プラスチックのレジンを貼付けます。また、奥歯は完全に金属の表面になります。保険治療で使用する金属は「12%金銀パラジウム合金」「銀合金」と言う2種類が使用されます。この金属は金属アレルギーの原因物質が含まれており、海外では口腔内での使用を禁止している国もあるくらいです。
保険外の自費診療ではチタン等の金属アレルギーの原因にならない金属を使用することが出来ますが、使用できる範囲が限られており、また高額になる可能性があります。また、チタンのような金属アレルギーを引き起こさない金属は保険治療では使用することが出来ません。
実際に、保険治療で金属を入れた患者さんが体調不良を訴えたり、皮膚の痒みやタダレを発症することが多々有ります。そのような場合、残念ながら保険治療内では満足した治療を受けることが出来ない可能性があります。もし金属アレルギーがある患者さんにはオールセラミックが選択され、実際にオールセラミックを口腔内に装着してもアレルギー反応を起こすことが有りません。
銀歯の危険性を警告する本はかなり多いです。しかし、真相はなぜかいつも明らかにされないです・・・。むしろ、体に悪いとされているのに、何故、保険診療で使われるのでしょうか?謎です。
オールセラミックのメリット④精度が高い
セラミックは一般的に精度が高いと言われています。セラミックは様々な工程が必要となり、人間の歯に近づきます。
さて、そんなセラミック素材には大きく分けて3種類の製作方法が有ります。
1つは、セラミック素材を歯の形に固めて、高温で焼成する方法です。この方法は昔からよく使用されて来た方法ですが、セラミック素材の多くは焼くと収縮するので、精度を高めることがとても難しいです。
2つ目は高温に熱してドロドロに溶かしたセラミック素材を鋳型に流し込む方法です。主に二ケイ酸リチウムガラスがその方法です。この方法は、高温で焼成する方法と比べてとても精度の良い方法になります。ですが、ガラス素材のものしかこの方法をとることが出来ません。
3つ目は、機械でセラミック素材を削り出す方法です。近年、この削り出す機材の性能がとても進化し 、素晴らしい精度を出すことが出来るようになりました。一昔前のセラミックは適合が悪い、割れやすいと言う欠点が有りましたが、この削り出す機材の進化により、硬い素材をとても良い精度で加工することが可能になりました。
また、素材的な問題以外も精度に関係することがあります。保険治療で歯を治す場合、ほとんどの症例で金属が使用されます。この金属を高温に熱し、ドロドロに溶かした物を鋳型に流し込みます。セラミックの製作方法の2つめと同じです。ですので、保険の銀歯はそこまで精度が悪い訳では有りません。ではなぜ精度が悪いと言われるのでしょう。それは治療にかけられる時間と使用できる材料に有ります。
まず、保険治療ですと患者さん1人にかけられる治療の時間がある程度制限されてしまい、満足のいく治療をすることが難しいと言うことです。
もう一つは材料です。歯を削る機械から採る材料まで保険治療と自費治療では大きな差があります。つまり、セラミックを治療するには自費治療を受ける必要が有り、自費治療だと時間をかけて治療が出来、精度が良い材料を使用できるので結果的に製作されるセラミックの精度が良くなると言うことになります。
オールセラミックの最大の利点は、天然の歯のような綺麗な物が提供されると言うことだと思います。先生の腕がいい上手な歯科医院では、どの歯を治したか一目見ただけでは区別できないほど高度な歯科医療を受けることが出来ます。セラミックを天然歯につけるときのセメント(接着剤のよつなもの)も自由診療、保険診療では違います。
保険診療では、セメントも決まりがあります。全てほんとに点数!
また、金属を使用しないので金属アレルギー等のアレルギー反応を起こしません。体に優しく、プラークや汚れの付着にも強い為、虫歯や歯周病にもなりにくいのです。保険治療では提供することが出来ませんね。
また、保険治療のように前歯は歯科用プラスチック、奥歯は金属のような制限もないので、どのような症例にも適応することが出来ます。ですが、金属を使用しないが為に割れる可能性があるというデメリットもあります。それを踏まえても、自費治療は高度な歯科治療と言えるでしょう。
一度削ってしまった歯は強度が低くなったり、歯と被せ物の境目が二次う蝕になったりしてその歯自体の寿命を短くしてしまうことが考えられます。つまり、体に優しく、尚且つ精度の良いオールセラミックを入れることにより、審美性にも優れるだけでなく、長期にわたり口腔内を良い状態に保つことが出来ると言うことになります。
今まで日本の歯科治療は短い目線でそのばしのぎの対処療法を重要視してきました。むし歯になれば、削って詰め物をすれば痛みはおさまるのでそれで良いとしてきたのです。しかし、そうした治療の結果が多くの高齢者が入れ歯生活を余儀なくされるという世界の先進国の中でも異例の状況を生み出してしまったのです。大切なことは、まずはむし歯など歯の病気にならないために予防をすること、そしてつぎにセラミックなどの治療法を使い、少しでも治療のサイクルを長引かせ、抜歯を避けるということです。
1本の歯を抜くか抜かないかでアナタのその後の人生が大きく変化します。歯は絶対に失ってはいけません!!
本日は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございます!