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「宇田川源流」 EUがブレグジットで混乱しているときにトルコが国境を開放し今までトルコに流れてきたイスラムの難民がヨーロッパに流入する危機

2020.03.11 22:00

「宇田川源流」 EUがブレグジットで混乱しているときにトルコが国境を開放し今までトルコに流れてきたイスラムの難民がヨーロッパに流入する危機

 今のヨーロッパ連合、つまりEUの状況を整理しておきたい。

実際にEUは、1月末にイギリスがEUから離脱した。いわゆるブレグジットといわれるものである。2016年の国民投票の結果以降、日本の評論家の多くはこの決断によってイギリスは壊滅的な打撃を組むるというようなことを主張しており、多くの経済学者や国際政治学者、そしてマスコミのコメンテーターといわれる人々が、この件に関して、イギリスは頭を下げてEUに戻ると予想していたのである。

しかし、全くそのようなことはない。ちなみにこのブログでは前身のココログの時代から含めて、イギリスはブレグジットを成し遂げるとずっと言っていた。そしてEUに戻るという主張をしてた人々を、現地の取材不足ということを主張してきていたが、まさにそのようになった。

同時にそのころから言っているのは、イギリスの方が早く回復し、そしてEUは立ち直れないくらいの大きな問題を抱えることになると主張していた。まさにそのような状況になりつつある。

実際に、EU各国は、各国国内で「EUを支える」かあるいは「イギリスについてゆくのか」ということを迷っていた。EU離脱派が各国の中で「保守派」といわれてるように、そもそもナショナリスト側がかなり大きな力を持っており、現在のEUではうまくゆかないところが、国民の不満になっているということになる。

そのEUに対する不満とは一体何であろうか。

単純に、一つは「護送船団方式における債務国の分担型の保護」である。ギリシア債務問題などその多くの問題はその国の問題とそして東側諸国であった時の問題の二つがあり、そしてその国の失政がそのまま好調な国の経済に負担をかけることになる。

もう一つが「難民問題」である。シリア難民や北アフリカ難民による犯罪などから大きな問題が発生するということになる。

そして、もう一つが「格差問題」である。つまり、ドイツやフランスばかりがよいところを取っており、参加してもよいことが何もないということになったのである。

この現象を甘受できる人は各国のエリートであり、多くの国民はそのことを全くよいと思っていないのである。


トルコが国境開放、移民数百万人が欧州に流入も 受け入れめぐり対立

 トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、ギリシャとの国境を開放すると発表し、「数百万人」もの移民や難民が間もなく欧州へと向かうだろうと警告した。

 トルコは現在、400万人以上の難民を受け入れている。そのほとんどはシリア内戦から逃れた人だ。

 2016年、トルコは支援を受けることの見返りに、移民を国内にとどめることでEUと合意した。しかしエルドアン氏は、この合意にはもはや強制力はないと主張している。

2020年03月6日 BBC

https://www.bbc.com/japanese/video-51754104


移民のボートに向けて発砲、トルコからの流入を阻止 ギリシャ沿岸警備隊

 ギリシャの沿岸警備隊が、移民の乗ったボートの近くに発砲したり、棒でつついたりして、トルコへと追い返そうとしている実態が明らかになった。

 トルコ政府がギリシャとの国境を開放したことで、数千人もの移民が欧州連合(EU)側へと移動している。

 トルコは、シリア内戦から逃れた難民約370万人を受け入れている。

2020年03月6日 BBC

https://www.bbc.com/japanese/video-51748510


 さて、この状況になっての2020年3月である。単純に「債務問題」は全く片付いていない現在もイタリアやスペインなどの国が、債務そのものが大きく負担になっているし、また、ギリシアなどは2008年の債務危機がいまだに何もできていないということになる。なんとなく臭いものにふたをして過ごしていたということに過ぎない。

経済格差問題は、より大きな問題になっている。全く解決するばかりではなく、人材もシェンゲン協定を含むビザなし外国就労によって、優秀な人材がすべてドイツやフランスの方に行ってしまう。それは単純に学力の問題だけではなく、政治的な忠臣の方が許ニッカなどが獲りやすくまた、金銭なども融通が利きやすいことから、多くの企業の本社がドイツなどに移ってしまう。

そのために、優秀で出世するためには、当然のごとくドイツやフランスに行かなければならないということになるのである。このことから、よほどの愛国者でなければ、国に残ることが必要なくなり、そのことから、国家そのものが優秀な人事がなくなって「過疎化」してしまうのである。ある意味で日本の田舎と東京の関係と似ている。

そして、最後の問題である「難民問題」だけは、トルコに様々な約束をしてそこに封じ込めていたのである。このことによってハンガリーなどは何とか国家の中でハンガリー人が多くなり、政治を保つことができたのである。

しかし、上記の記事のように3月6日に、トルコのエルドアン大統領はトルコとヨーロッパの間の国境を開放し、イスラムの難民、一説には400万人といわれる難民を統べてヨーロッパに放逐したのである。

 2016年、トルコは支援を受けることの見返りに、移民を国内にとどめることでEUと合意した。しかしエルドアン氏は、この合意にはもはや強制力はないと主張している。<上記より抜粋>

 単純に言って、このことは「EUからの金がなくなり、難民を養うことができなくななったので、すべてEUに放逐する」ということを言い始めたのである。

そもそも難民受け入れを主張したのはドイツのメルケル首相であり、それを応分の分担で各国の振り分けようとした。ドイツは戦後の産業革命をイスラムの安価な労働力を受け入れることによって成立させてきたのであり、今回もそのことの再来とすることによって、各国における産業の振興を考えていたようである。

しかし、国によって産業や経済の状況は異なるものでありドイツ方式がうまくゆくとは限らない。しかし、上の命令ですべてが変わると信じている旧東ドイツの社会主義出身のメルケル首相は全くそのことを理解しないのである。その結果はブレグジットが起き、各国で保守派が台頭することになる。

そのうえで、イスラム教信者によるテロが発生し、メルケル首相自身が立場が危うくなってきているのである。

 ギリシャの沿岸警備隊が、移民の乗ったボートの近くに発砲したり、棒でつついたりして、トルコへと追い返そうとしている実態が明らかになった。<上記より抜粋>

当然に各国はそのことを自己防衛しなければならないので、このような対応になる。

このことがドイツに対して「責任を取るように」ということになれば、ドイツのEUでの孤立化と、他の国EU離脱が加速する。まさにそのことが大きな問題になるのではないか。