新型コロナで受注停止の品目が拡大、買いだめの影響も
日経クロステック/日経ホームビルダーより
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、建材・設備の納期遅延が深刻さを増している。
中国から調達している部品の供給が遅れていることに加え、
あるメーカーが納期遅延を伝えた品目に前倒しや買いだめ、
他社への切り替え注文が相次ぎ、供給が追い付かなくなる状況が生じている。
中国からの部品を使っていないメーカーも、影響の拡大に警戒感を強めている。
特に深刻なのは、温水洗浄機能付きトイレとIHクッキングヒーター、
食器洗い乾燥機の3品目だ。パナソニックとLIXIL、TOTOは2月中旬以降、
トイレの全シリーズとIHクッキングヒーターや食器洗い乾燥機を組み込んだ
システムキッチンの全シリーズの受注を一時停止したり納期を遅延したりしている。
3品目を他社からで調達しているメーカーのなかにも、
3月5日時点で納期を回答できない状況が発生している

2020年3月5日時点で、建材・設備メーカーが一時受注停止や納期遅延の
恐れがあるなどと伝えている主な対象品目。
「全機種」との特記がない品目は一部が対象
(資料:日経クロステック)
これら3品目については3社以外のメーカーにも、大量の注文が流れる影響が出ている。
食器洗浄機を国内生産するリンナイの広報担当者は
「注文に応じて製造しているが、納期の回答が延びているものがある」と話す。
食器洗浄機とIHクッキングヒーターを製造している三菱電機の広報担当者は、
「顕著な遅れは発生していない」と答える。
しかし、三菱電機の製品をシステムキッチンに組み込む他メーカーは
受注を一時停止したり納期の遅れを伝えたりしている。
日立グローバルライフソリューションズのIHクッキングヒーターについても、
同社の製品を扱う他メーカーが納期の遅延を伝えている。