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PRって何?フリーランスに求められるマインドとは?~第4期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第1回レポート~

2020.03.11 02:24

「広報・PRプランナー&PRライター養成講座」は、株式会社itty selectionが主催する6か月間・全6回の講座。PRを学び、受講生が各々のキャリアアップを目指す場です。

私、五十嵐綾子はフリーランスライター・編集者として活動中ですが、さらなるレベルアップのために受講を決めました。

第1回ではPRの定義、PRの多様な働き方などのレクチャーが行われたほか、自分の気づきを発表するなどインタラクティブ(双方向的)な活動もあり、初回から盛りだくさんな内容でした。

そんな第1回講座から、特に印象的な点を2点ピックアップしてお届けします。


中長期的にステークホルダーとよい関係を築くという考え方

私が第1回講座で、もっとも心に残ったのは、「誰かの価値を下げていないか?」「不安をあおっていないか?」というPR視点でした。

このお話は、講座の冒頭にレクチャーされたPRの定義のなかで語られました。


PR=Public Relationsとは、直訳すると「公の関係性」。

日本のPR業界では「すべてのステークホルダー(お客さま、社員、委託先、株主、社会など、自社に関わるすべての人たち)との関係性をつくることで売上をアップさせ、ビジネスを発展させる、行動基盤・概念・考え方」を指すそうです。


ビジネスにおいて、売上は確かに大切です。しかし、PRの世界においては、過大広告や脚色をしたり、嘘をついたり、不安をあおったり、といったことはしません。このようなやり方は、信頼構築されたうえでのビジネスではないからだそうです。


短期的・一時的な売上を求めるあまり、関係性をつくらないビジネスはPR的ではなく、PRには中長期的視点でステークホルダーとのよい関係づくりを行い、ビジネスを継続させていくことが求められる、というお話でした。


「長い目で見てクライアントのためになるか?」というPR視点

第1回講座が終わってから、フリーライターとして執筆や取材の仕事をするなかで、このPR的な視点がずっと頭の片隅にあることに気づきました。

執筆中にキャッチーな表現を思いついたとき、取材先でちょっぴり過激な言動に出くわしたとき。

記事の執筆にあたって、「これ、おもしろいかも」と思う自分がいる一方で、「その表現は、雑談レベルでは多少笑えるかもしれない。でも、世の中に発信したら、傷つく人や価値を下げられてしまう人がいるんじゃない?」

「長い目で見て、クライアントがステークホルダーとよい関係を築ける表現かな?」

といった視点で、記事に関わる幅広い人に思いをめぐらせている自分にも気づいたんです。


たとえ担当した記事が爆発的にPVを伸ばし、一時的にクライアントに貢献できたとしても、誰かへの配慮に欠けた部分があれば、たちまちネガティブな評判につながり、ユーザーは離れていってしまうかもしれません。

1つひとつの表現を「長い目で見て、クライアントのためになるか?」と丁寧に検討する、視野の広さが大切なのだと感じました。

今後も情報発信の仕事をつづけていくうえで、ずっと心に刻んでいきたい、大切な視点を学ぶことができました。


他者紹介ワークに見る、フリーランスに求められる自分の“魅せ方”とは

もう1点印象的だったのは、受講生同士で相手を魅力的に紹介する他者紹介のワークでした。ペアになった人同士で相手のことをヒアリングし合い、その内容をもとに相手の魅力ポイントを受講生みんなの前でプレゼンするというものです。

私は聞き出した情報や自分が相手に抱いた印象など、話そうと決めていたことを余すことなく発表することでいっぱいいっぱい。ほかの人の発表を聞くときも話の内容にばかり着目していました。


しかし、実はこのワークのテーマは、話し方や伝え方の重要性にありました。

当講座を主催する、株式会社itty selection代表取締役・上村由依さんの師匠(ニューヨーク在住。大手広告会社のNY支社CFOを経て、世界のデジタル広告業界を牽引する企業のNY代表を務める傍ら、多くの在NY日本人の人材育成を手がける方)が、このようなことを話されたそうです。


「人は、はじめましてのときはとくに、何を話しているかはあまり聞いていない。いかに『この人は信頼できそう』という印象を持ってもらえるかが大事」で、この人のことを知りたいと思ってもらったときにはじめて話を聞いてもらえるようになるのだそう。

商談などの場で「自分の強みや魅力」を自分で発信していかなければならないフリーランスには、相手の印象に残る話し方・伝え方はとても大切な要素になる、というお話もありました。このワークの狙いは、フリーランスとしての心構えを知ることにあったようです。


魅力の伝え方は、さまざま。すでにある良さを活かして伝え方を磨く

話し方や伝え方に着目して、他者紹介の発表をふり返ってみます。

私が受講生の中で「この人、一番印象的!」と思った方は、会場全体にアイコンタクトし、ほどよい速さ・声量で落ち着いてプレゼンしていました。お話に惹きこまれた効果なのか、この方のプレゼンは身ぶり手ぶりだけでなく、内容もしっかりと印象に残りました。

一方、自分の発表は相手を惹きこむ話し方や伝え方にまでは配慮が足りていませんでした。フリーランスとして活動していくうえでの重要な課題を発見することができました。


ちなみに、このプレゼンで最も印象的だった方に「一番素敵な発表だと思いました!」と伝えたところ、「私はあなたの発表も聞きやすかったですよ」という、予想外の言葉をいただきました。自分では至らなかったと思った発表でも、評価してくれる人はいたのです。


よいとされる話し方・伝え方は、1つではなく、さまざまなパターンがあります。印象的だった方の紹介を取り入れながら自分の良さを磨けばいいのだ、と、視野が広がったワークでもありました。


第1回講座を終えて:視野の広いPRパーソンを目指したい

第1回講座に参加して思ったのは、多様な視点を持てる人になりたい!ということでした。

「誰かを傷つけていないか?」も「相手の印象に残るには?」も、相手やシーンによって適切な対応が異なるからです。

現実的にはすべての人の考え方を網羅することは不可能ですが、さまざまな人や価値観などに触れて、引き出しを増やすことはできると思います。そうして、いろいろな人の目線に立てるPRパーソンを目指していきたいです。

次回からは早速、PRの実践が始まります。情報を届ける相手の目線に立つという大前提を忘れずに臨みたいと思います!


(執筆:PRライター 五十嵐綾子)