黄金帝国5-南米ポトシ銀山アマルガム法開発
2020.03.11 10:59
ラス・カサスが亡くなって2年後の1568年5月、フェリペ2世は新大陸問題でのスペイン最高会議を開催した。この会議では、新大陸を王国が直接統治し、王室歳入を可能な限り増やすことが決められた。新たに新大陸を統治する副王となったエンリケスは「会議はカネ、カネ、カネだった」と言っている。
特に重視されたのが鉱山での銀採掘で、その中心となったのがぺルーのアンデス山中にあったポトシ鉱山である。この鉱山は1545年に発見され、活況を呈したが、66年には枯渇してしまった。そして新たな採掘法として、水銀との合金にして採掘した後水銀を蒸発させるアマルガム法が開発された。
この水銀アマルガム法で、低品位の鉱石からでも銀を採掘でき、鉱山は再び蘇ることとなった。そしてその労働に駆り出されたのも結局先住民だった。今度こそスペイン王室が直接指揮をとって、先住民を強制的に銀山で働かせたのである。そしてポトシは活気づくが、儲けるのは精錬所をつくったスペイン人だけだった。
新大陸からスペインへは大量の銀が流入し、それはヨーロッパに流れ、銀本位制が確立することになる。スペインはこの銀を、オスマン、オランダ、イギリスとの戦争で消費し、それでも足りず借金が残った。
下は現在のポトシ銀山の記念碑