グーグルが消える日 Life after Google
www.amazon.co.jp/dp/4797399031
前回ブログの、10年後のGAFAを探せ、に通じる部分もありますが、Googleが席巻する今の時代に警鐘を鳴らしつつ、これからの時代に求められているテクノロジーなどがどのように進化していくか、などを謳った書籍です。著者は以前に「テレビが消える日」でインターネットの台頭を同じような書籍として纏めている方でもあります。
■Googleが信じる10の真実
引用として、USでのバーニングマンのイベントを引き合いにして、Googleも実はその似たような思想を影響を受けている、という話です。そもそも、創業者のペイジもブリンもこのバーニングマンのイベントが大好きなのだとか。10のPhilosophyは以下です。
1.ユーザーに注目すれば、他の事はついてくるはずである
2.一つの事を最大限にうまくやるのが一番である
3.遅いより速い方が良い
4.Web上でも民主主義は機能する
5.答えを必要とするのは、PCに向かっているときとは限らない
6.悪事に頼らなくても金儲けは出来る
7.世の中の情報は増え続けている
8.情報に対するニーズはあらゆる国境を超える
9.スーツがなくても真面目な仕事は出来る
10.素晴らしいだけでは不十分である
■Amazon > Google
AmazonにGoogleは勝てない、と指摘がされていますが、その理由は購買検索が移行している事です。商品検索のシェアはamazonが52%となり、加速していて、一方でGoogleでは26%と伸び悩みを見せています。クラウドに関しても、AWSは57%シェアで、Googleは16%。これを受けて、新CEOのSundar PichaiはAIに注力し始めている、というものです。
■Google後の世界、クリプトコズム
秘密保持の世界が今後の世界として予言されており、Peer2Peerが当たり前となり、Googleがここに対応しない限り覇権を奪われるとしています。クリプトコズムの10のルールは以下
1.セキュリティーファースト
2.「集中化」は安全ではない
3.セイフティーラスト
4.無料のものはなにもない
5.時間は、費用の最終的指標である
6.安定した通貨は、人間に尊厳と統率力を与える
7.生物学的非対称性を模した「非対称の法則」である
8.「秘密鍵」のルール
9,秘密鍵は、政府やGoogleではなく個人が持つ
10.すべての秘密鍵とその公開鍵の背後には、人間の通訳が存在する
■セマンティック検索とツリー検索
レイ・カーツワイルへのインタビューの中での一節として、「セマンティック検索(意味検索)は人間の知能の拡大であって、決して人間の知能の代用ではない」という言葉がある。意味さっぱりだが、単純なキーワード検索ではなく、意味を拾って効率的に検索を仕掛けて行くスキルがセマンティックであり、Gmailの下に表示されるようなAIの示唆なのだと理解した。
■自動車の自律走行
自動走行車両向けのハードウェアは12年前からほとんど進化していないそうだ。もともとは、DARPAが開催した自動車レース向けに開発され、そのレースが自動走行ビジネスのきっかけになったと言われている。
■ビットコインの価値
思考実験として、仮にビットコインが世界中で使用される主要決済システムになった世界を想像してみる。その場合、ビットコインの合計値が世界のすべての富の合計と等しくなる。推定では世界の富の合計は100兆~300兆ドルのため、流通量が2000万コインのビットコインならば、1ビットコインあたりは約1000万ドルの価値となる。
■ブロックスタックについて
アリが開発した新たなインターネットのアーキテクチャに関して、Pythonではわずか4万4344行でのコードのプロトタイプを完成したらしい。私にはさっぱりだが、GoogleのChromeでもC++で449万488行と書かれているので、その100分の1となる。すごい技術なのだろう。
■ブロックスタックの7つの原則
1.台帳を分散させる
2.スケーラビリティを最大限確保する
3.単一プロトタイプにする
4.同時進行で補完する
5.エントロピーの低いキャリアとして機能させる
6.ユーザーが自由に移動できるようにする
7.エンドツーエンド型の通信をトラストツートラスト方式で実現させる