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MOTHERCOAT WEB

恩の字術後。

2020.03.11 12:15


カテーテルアブレーション手術の醍醐味の一つに術後8時間絶対安静かつ足を曲げれない状態でベッドに横たわっていないといけないというのがある。カテーテルアブレーション仲間の間でもその時が一番キツイともっぱらの評判であり、覚悟はしていた。

その割に麻酔がまだほんのりと残っていたのか、思ったよりキツくないなと思いながら3時間程眠れはしないが穏やかな時間を過ごしていたのであるが、徐々にどこが痛いのかはっきりしないがあらゆる箇所がポジションチェンジを訴え始めていることに気づいてしまった。斜め前のMさんはかなり腰が痛いようで辛そうな声をあげており、ナースコールしてなんとかしてもらえないかと訴えていた。(向こうの様子が見えないのでなんとかして貰えてたのかどうかわからないが引き続き辛そうな気配はこちら側にも漂ってきていた)僕はと言えば思いもよらず踵が痛みを主張してきたのでMさんのナースコールついでに看護師さんに声をかけアキレス腱の下辺りにタオルをかましてもらうことでことなきを得た。1つの痛みが解決されると2番手の痛みが浮き彫りになってくるもので、さっきまであまり気になっていなかった後頭部の痛みに気づかされた。当初、頭の重みで後頭部が痛いのだと思っていたのだが、幾度となく位置を変えたりして対処していたのだが、途中でこれは頭の中の痛みだということに気づいた。若かりし頃に偏頭痛に苦しんだ思い出はあるが、長らく頭痛に苦しむということがなかったものでどの程度の痛みでナースコールを押すのが適切なのかに頭を悩ませた。

痛みもさながら、もしかして術後、どこかに見逃していた血栓的な何かがぽろっと脳血管に詰まったりしてしまってないかという不安が血管を駆け巡りナースコールを押す。あーそうですかあ、鎮痛剤持ってきますね〜。ぐらいの反応に安堵する。そうこうしてるうちに8時間経ち傷口をチェックした後、絶対安静が解除され、恐る恐る体を動かす。鎮痛剤が効いたのか体勢を変えれたのが良かったのか、ウトウトし始め軽い眠りにつき始めた朝6時。病室のカーテンが開いて朝日が差し込んだ。体温と血圧 脈拍を測りに看護師さんがやってくる。熱があったが、どうやら術後熱が出ることはよくあるらしい。1週間くらいは体調が悪いと感じると言われていたのでその一環のもののようだ。左心房を焼く際にどうしても食道も軽く火傷するらしく、食欲もなくなると言われていたが昨日の朝食べたきりだったこともあり、ばくばく食べた。S先生が直接結果報告にやってくる。昨日聞いてた話と寸分違わずであった。

頭痛のことを伝える。術後頭痛を訴える人はあまりいないらしく因果関係に首を傾げながら涼しげな顔でS先生は去っていった。先生が紺色のNBのスニーカーを履いてることにその時初め気づいた。全体的な色味の統一感を大事にしながらも足元にしっかり自分の拘りを出すコーディネイトをしていることから心臓の焼き加減や焼き色にも自分なりの拘り持ちお洒落に仕上げてくれてることは容易に推測できますますS先生へ信頼度が増した。

昼前に尿管カテーテルが抜かれる。入れる時程ではなかったが、一瞬うっっ!とはなる。

これでだいぶ楽になったと思いきやこの日の放尿が痛くて痛みとしてはそれが一番嫌な痛みであった。

予定では本読んだり、動画見たり、ブログを書いてみたりしようと思っていたが何もする気になれず、この日はいくつかかの検査とほぼぼんやり赤城山を眺めて過ごした。


翌日無事予定通り退院後、励ましてくれた皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになると共に赤城の神様にもお礼をという気持ちと最近スタッドレスタイヤにしたもののこのまま今シーズン、活躍の場を与えることなく終わりそうな危機感から山の上の赤城神社にどうしても行きたいという気持ちを抑えきれず、車を山頂の方向へ走らせた。道中スタッドレスタイヤが水を得た魚の如く、アイスバーンに対応し心が満たされた。程なくして湖の上に張られたテントの群れが見えてきた。

退院の喜びと天気、景色、空気の良さに心がのたうちまわり参拝後少々はしゃいでしまった。そこにいる多くの人たちが氷に穴を開けワカサギを釣って食べるという楽しげなことをしていたのでやりたくなったが、そこは大人気を活用して堪え切った。


長々と今回の手術にまつわるあれこれを日記のように書いてきましたが、自分にはトキロックはじめ心の支えとなるような人たちがいることを強く感じることのできた貴重な時間となりました。

家に戻ってからも頭痛は不思議と治らず、目の前がキラキラするので近くの病院でMRIに入ったりして脳には異常なく綺麗な脳ですねと煽てられ自惚れてみたり、働きにいってることを近所の人に「まだ早いよ、死んじゃうよ〜」と怒られながら穏やか日々を過ごしています。FaceBookの友達の投稿やネットの情報に思うことや心動かされることもありながら、日常を再構築し始めてます。


「助けて下さい」と言えた時、人は自立している。


安富 歩さんの本の帯に書いてあった言葉。

自分が最も苦手としてきたこと、くだらないプライドがそれを阻んできたこと。

困った時ちゃんと「助けて下さい」と言えること。

困ってる人の「助けて」 に手をさしのべること。


確信としてあるのはこれからも世界中で困った出来事は何かしら起こり続けるということ。

身体も思考も柔らかくあれ。今後の僕の最大のテーマである。


何せ身体が硬い、、、 



gigadylan