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「ペットの血液検査について」vol.202

2016.05.09 08:27


たまなわ新聞寄稿「のっぽ先生のペットと暮らそう!」の記事です。

今回のお話は、健康診断の一環として、とても大切な『血液検査』について。


たまなわ新聞が人気ですぐ無くなってしまうのと、知りたい方が多くいらっしゃるので、

ブログに転載いたします。


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のっぽ先生のペットと暮らそう!vol.202



ペットの血液検査について


今が予防開始時期のフィラリア検査をする際、定期的な健康診断の一環として、

当院では 「血液検査」 もおすすめしています。



しかしながら

血液検査って、いったい何をするのだろう?



と疑問に思われている飼い主さんが 意外と多いのが事実です。



そこで、不安なく検査が受けられるよう、フィラリア検査も含め、

何をする検査なのか を解説していきたいと思います。



💚



フィラリア薬を投与し始めるこの時期、動物病院に来院して行う検査は


「採血して血液中にフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)の有無を確認する
フィラリア検査 

です。


この検査のみを選択された場合、 数滴の血液があれば、検査は可能です。



小虫がいないと確認できれば、当院では、そのシーズンに必要な予防薬を処方し終了ですが

「健康診断を兼ねた、血液検査」

も合わせて行う場合には  1〜2cc の血液 が必要となります。





💚


ワンちゃん・ネコちゃん達の採血は、 前肢か後肢、または 頸部の静脈

から 細い針を刺して行います。


この時は、少しの間動かないように じっと我慢してもらわないといけません。


通常、スタッフが保定しますが、 時には飼い主さんにご協力して頂いた方が

おとなしくできる場合もあります。



写真:保定されるノンちゃん。




採血した血液は、通常病院内の検査機器で検査を行います。

(結果が出るのは1時間もかかりませんので、お待たせしません。)


特殊な検査が必要な場合には、外部の検査機関にお願いすることもあります。

(だいたい、1週間〜 で結果をお知らせ出来ます。)



💚



血液検査は何を検査するのか



血液検査は、以下大きく2種類に分けられます。


血液検査

血液化学検査



まず、血液検査 は

血液成分(赤血球・白血球・血小板など)の数や量を測る検査です。



赤血球の働きは

身体の組織や細胞に酸素を運び、不要な炭酸ガスを回収することです。

その数や濃さによって「貧血」、「脱水」があるかが分かります。



白血球は

細菌や異物から身体を守る役割があるので、この数が増えることにより

「感染」や「炎症」があるかが分かります。



血小板は

止血作用に関わるので、この数が変化することにより

「出血状態」や「自己免疫疾患」などの有無が分かります。



写真:怖いけれど、、、、

スタッフの半澤さんを信頼しているノンちゃん。



次に、 血液化学検査 は、

血液から上記の血液成分を分離して得た 血清 とよばれる液体成分の中に中に含まれる

たんぱく質・糖質・脂質・尿素・ホルモン・ビタミン類・酵素 etc...

の 生命を維持するのに欠かせない成分 の量を、測定する検査です。



この検査には、臓器別の項目リストがあり、

肝臓や腎臓、膵臓など 臓器 の状態を評価することが出来ます。




💚


一般的な健康診断の場合には、まず全体的なスクリーニング(選別)を行い、

異常値があれば項目を追加し、評価していきます。



血液化学検査 は、血清中の物質がどの臓器から出てきたかを調べることにより

内臓の状態 を知ることができるため、

全身の健康状態を反映している点で、 健康診断では外せない検査 になるのです。




写真:思わず舌が思いっきり出るノンちゃん。

持病の心臓疾患はありますが、

他はいたって健康でした💮



💚


ヒトが1年を過ごす間、ペットは数年も歳を重ねています。


病気の早期発見のためには、定期的な健康状態の把握は絶対条件です。


症状が表れてからでは、手遅れになるケースもあります。


フィラリア検査で採血しなければならないこの時期、

同時に健康チェックの血液検査を行い、

愛するペットちゃん達を病気から守ってあげましょう。😊


               

                                               のっぽ動物病院 院長 永田浩之