「ペットの血液検査について」vol.202
たまなわ新聞寄稿「のっぽ先生のペットと暮らそう!」の記事です。
今回のお話は、健康診断の一環として、とても大切な『血液検査』について。
たまなわ新聞が人気ですぐ無くなってしまうのと、知りたい方が多くいらっしゃるので、
ブログに転載いたします。
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のっぽ先生のペットと暮らそう!vol.202
「ペットの血液検査について」
今が予防開始時期のフィラリア検査をする際、定期的な健康診断の一環として、
当院では 「血液検査」 もおすすめしています。
しかしながら
血液検査って、いったい何をするのだろう?
と疑問に思われている飼い主さんが 意外と多いのが事実です。
そこで、不安なく検査が受けられるよう、フィラリア検査も含め、
何をする検査なのか を解説していきたいと思います。
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フィラリア薬を投与し始めるこの時期、動物病院に来院して行う検査は
「採血して血液中にフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)の有無を確認する
フィラリア検査」
です。
この検査のみを選択された場合、 数滴の血液があれば、検査は可能です。
小虫がいないと確認できれば、当院では、そのシーズンに必要な予防薬を処方し終了ですが
「健康診断を兼ねた、血液検査」
も合わせて行う場合には 1〜2cc の血液 が必要となります。
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ワンちゃん・ネコちゃん達の採血は、 前肢か後肢、または 頸部の静脈
から 細い針を刺して行います。
この時は、少しの間動かないように じっと我慢してもらわないといけません。
通常、スタッフが保定しますが、 時には飼い主さんにご協力して頂いた方が
おとなしくできる場合もあります。
写真:保定されるノンちゃん。
採血した血液は、通常病院内の検査機器で検査を行います。
(結果が出るのは1時間もかかりませんので、お待たせしません。)
特殊な検査が必要な場合には、外部の検査機関にお願いすることもあります。
(だいたい、1週間〜 で結果をお知らせ出来ます。)
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血液検査は何を検査するのか
血液検査は、以下大きく2種類に分けられます。
・血液検査
・血液化学検査
まず、血液検査 は
血液成分(赤血球・白血球・血小板など)の数や量を測る検査です。
*赤血球の働きは
身体の組織や細胞に酸素を運び、不要な炭酸ガスを回収することです。
その数や濃さによって「貧血」、「脱水」があるかが分かります。
*白血球は
細菌や異物から身体を守る役割があるので、この数が増えることにより
「感染」や「炎症」があるかが分かります。
*血小板は
止血作用に関わるので、この数が変化することにより
「出血状態」や「自己免疫疾患」などの有無が分かります。
写真:怖いけれど、、、、
スタッフの半澤さんを信頼しているノンちゃん。
次に、 血液化学検査 は、
血液から上記の血液成分を分離して得た 血清 とよばれる液体成分の中に中に含まれる
たんぱく質・糖質・脂質・尿素・ホルモン・ビタミン類・酵素 etc...
の 生命を維持するのに欠かせない成分 の量を、測定する検査です。
この検査には、臓器別の項目リストがあり、
肝臓や腎臓、膵臓など 臓器 の状態を評価することが出来ます。
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一般的な健康診断の場合には、まず全体的なスクリーニング(選別)を行い、
異常値があれば項目を追加し、評価していきます。
血液化学検査 は、血清中の物質がどの臓器から出てきたかを調べることにより
内臓の状態 を知ることができるため、
全身の健康状態を反映している点で、 健康診断では外せない検査 になるのです。
写真:思わず舌が思いっきり出るノンちゃん。
持病の心臓疾患はありますが、
他はいたって健康でした💮
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ヒトが1年を過ごす間、ペットは数年も歳を重ねています。
病気の早期発見のためには、定期的な健康状態の把握は絶対条件です。
症状が表れてからでは、手遅れになるケースもあります。
フィラリア検査で採血しなければならないこの時期、
同時に健康チェックの血液検査を行い、
愛するペットちゃん達を病気から守ってあげましょう。😊
のっぽ動物病院 院長 永田浩之