上野林業と京銘木
先日の木のおもてなしツアーからの京都の銘木探し、京北の弓削でアテサビの木を製造しているところがあると聞き、早速林業女子会@京都のメンバーで伺ってきました。
伺ったのは上野林業さん。創業のお兄さんと弟さん。跡継の弟さんの息子さんと出迎えてくださいました。
早速、倉庫を案内していただくと、なんと圧巻の北山丸太の量!!
1階ではお兄さんが丸太に錆止めの液を塗っているところでした。
銘木とは一体何であるのか、、、。
聞けば、銘木づくりはお茶人さんの趣向で発展してきた技術のひとつ。
今ではもう再現することが不可能な銘木作りの技術でできた木も倉庫にはたくさん眠っているそう。
昔は普通のお宅でも、家の床の間や仏間など丸太を使う文化があったが、今はハウスメーカーの建材に変わってしまい、住宅に丸太が使われる機会がなくなってきているとのこと。
ここで、上野さんから「丸太はなぜ住宅にいいのかわかるか?」と質問があり…
「何だろう…」と考えていると、
「家庭円満や!」
と上野さん。
それを聞いて、我が家には丸太が使われていないことに気づいてはっとした私(笑)。
最近は、建築家さんが直接お客さまを連れて、木を選びに来ることが多いそう。
なので、上野さんも現代の家で使っていただける丸太をどう加工するかについて考えながら作っているとのことでした。
そうか、自分の家に取り入れるならどんな丸太があればいいかな。
上野さんのお話を聞きながら、倉庫の木を見物していると、丸太を加工して、角材に近い形のもの、あえて枝を残した木登りできそうな銘木など、名前をつけて愛着を持って家に使ったら楽しいかもと思うような楽しいたくさんありました。
今回、上野銘木さんにお伺いするきっかけとなったアテ錆(アスナロ、ヒバの木を梅雨時期に伐採し、そのまま雨に濡らして錆びを全体につけた後に乾燥させた銘木)の木は、現在ではほぼ製造はしていないとのことでしたが、北山丸太だけではない、銘木を育んできた土壌が京都にはあるのだろうな、、と今回も数奇屋建築をめぐる木のおもてなし文化をたどる訪問となりました。
個人的には、北山の銘木からみる日本人の自然観ついてとても興味が湧いた訪問となりました。