Zymergenについて調べてみた
全然知らなかったけど、とっても面白そうなロボットとアルゴリズムを使ったバイオ企業なのか。国家機密レベルの微生物の研究開発までしていて、スケールするというよりは、受託開発がメインとのこと。ただ、受託開発するほどデータがたまるため、価値が高まるということだろう。
なぜこのスタートアップに優位性があるのか、それはロボットとアルゴリズムによって研究開発スピードをほぼ自動化、効率化している点にあるだろうな。アップルが1億ドル集めてZymergenを越えようとしても、その間にこの会社はさらに多くの技術を持っているだろうと説明していたけど、なぜそうなるのかはよく分からない、、。
シリーズAまでは、かなりバイオ系やディープラーニング系のVCが出資をしていて、Bからはソフトバンク、Cからはソフトビジョンファンドがリードインベスターをやりつつ、True VenturesなどなどSFの有名なVCも参画しているよう。Goldman Sachsも入ってた。
CEOはUCバークレーで学士、イエールでマスターを取得し、マッキンゼーで働いたりVCのパートナーとなったのちのCEO。他のFounding memberは、スタンフォードメディカルスクールでPhDを取得してずっと研究をしている人たち。うーん、これはレベルたかそう。どういうことかは分からないけど、今まで常識とされていた研究開発よりも、マシーンラーニングとアルゴリズムを使えばより効率的に研究ができると気づいて創業したのかなぁ。いやあ、この辺は難しくてなかなか分からない、、。
競合には、2000年創業ですでにIPOしているデンマーク企業Novozymesや、Ginkgo Bioworks(Founding memberみんなMITのPhD)もいるよう。
やっぱり創業メンバーみても分かるけど、マシーンラーニンぐ系とバイオエンジニアリング系とバイオフィジックス系の研究者が主体となって開発やっているみたいだな。
実際に、住友化学は ザイマージェンと提携しているみたい。ふむ、生物学系に強みがあるのと、まさに以下の部分が強みとなっているようだ。
ザイマージェン社は、AIやロボットによるオートメーションラボ、最先端のゲノミクスが融合した技術基盤を有しており、生物学的手法を通じた持続可能で再生可能な新規化合物を創出することができます。
この技術基盤が強いのだろうな。
ザイマージェンは樹脂やたんぱく質など、様々な高機能素材を効率的に作り出すよう微生物や菌類などの遺伝子を操作する合成生物学技術の自動化を進めている。試験過程の自動化、データの機械学習を使った分析などを組み合わせた独自性の高いサービスを持つ。取締役にはノーベル物理学賞の受賞者で元米エネルギー長官のスティーブン・チュー氏も加わった。
この自動化の部分をソフトバンクは評価したのだろうな。これまでのバイオの研究開発がごろっと変わるぞ!と予想したのだろう。実際にどれくらい変わるのかは正直自分の知識と体感では想像がつかないので、今度バイオ系の研究をする友達に話を聞いてみたいなぁ。
そもそも、今のバイオエコノミーの市場規模は21兆円レベルだけど、2030年には200兆円になると言われているらしい。それほど、今後10年で重要な産業であることがわかるな。
そのうちの35%が農業、40%が工業、25%が医療分野とのこと。化学的な合成では不可能な物を生物学的に分解したりすることによって新たな物質を開発するのかな。多分。
ゲノムの解読コストが急激に下がったことで生物情報のデータ化ができるようになり、AI技術によって機械学習ができ、さらにCRISPR技術によって遺伝子組み換えができるようになったことで、合成生物学が重要になっているとのこと。
高度に制御された細胞のことをスマートセルというらしくて、スマートセルインダストリーが重要になると。なるほどな。遺伝子医療や再生医療など。化学合成では高コストだった物を合成生物学で低コストで作れてしまうのか。抗マラリア剤まで作れるみたいで驚いている。なるほど、これは完全に改良型イノベーションではなくて、破壊型イノベーションだ。マラリア関連のバイオスタートアップが前にテッククランチSFでピッチしてたけど、この辺りのプレゼンをしていたのかもしれないな。。
バイオをエンジンにするっていう分野は、まさにユーグレナが目指している新事業だな。規模感がすごい。。。
いやあ、農水省のこの資料参考になったな。。スマートセルインダストリー、面白いな。
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/juyoukadai/nourin/5kai/siryo3.pdf
そもそも化合物って60-70年代のイノベーションがメインだよね、最近の新しい技術は生まれてないよね、これは化合物に限界があるからで、合成生物学ならこの壁を超えられるよね?という問いかけから始まるのもおもろい。プラスチックと同じ物質を合成生物学で作ることは難しいけど、プラスチックを代用する技術なら作れる。これを仮説立てながら人間が手作業でやって行くと難しい。これを自動化させてどんどん開発して行く、、、これがZymergenの強いところか、、。
今までの方法では見つからないmethodを自動化によって実現させて行くことによって、こんなに早いスピードで変化して行くとのこと。なるほど、これは面白そうだ。。。