【スタジオ白鯨】「茅ヶ崎は肩の力が抜ける場所。」映像制作を通じて感じた街の魅力。/東海岸商店会PV~ふれあい編~
この度、雄三通りにある東海岸商店会のPVが完成しました。今回はそのPVを制作した監督の松永万里さん、キャスティングディレクターの田中貴大さん、プロデューサーの島田大地さんにお話を伺いました。彼ら「スタジオ白鯨」の話を聞くと、映像を観るのが何倍も楽しくなるので、最後までご覧ください。(全3回)
■東海岸商店会のPVが完成!
――― まずは東海岸商店会のPV制作、ありがとうございました。
松永監督 こちらこそ!ありがとうございました。
――― 本日はこのPV制作について事細かに聞くという、無粋なことをさせていただきます。すみません!
松永監督 全然大丈夫ですよ(笑)
今日は「キャスティング」や「音楽」を担当した田中と、全体の「プロデュース」を担当した島田とお話します。
田中キャスティングディレクター(以下、田中CD) よろしくお願いします。
島田プロデューサー(以下、島田P) ビデオ電話越しにすみません。よろしくお願いします。
※編集注:島田Pは都合により遠隔からのご参加となったため、カバー画像の左上に写真を載せています。
■肩の力が抜ける街
――― では早速、シーンの流れと共にその解説を伺えればと思います。まずは最初のシーンから。女性が茅ヶ崎の海を歩いていますね。
松永監督 そうですね。こちらの女性のキャラクター設定としては、茅ヶ崎出身で、いまは都内で働いている方です。
――― なるほど。心なしか、浮かない顔をされています
松永監督 まさに東京の仕事に疲れて、週末に茅ヶ崎に里帰りしたところです。
私にも経験がありますが…気持ちが疲れたら海に行きたくなるじゃないですか。
島田P 茅ヶ崎は東京から遠すぎない距離なので、週末にふらっと帰れる場所ですよね。
だからこういう「ちょっと一息つきたい」方も少なくないと思って、そういう設定になりました。
――― すごくリアルですね。実際にそういう人いると思います。そして続いてのシーンは、商店街の皆さんが働いていますね。
松永監督 これは都内の仕事に疲れた主人公と、こだわりと誇りをもって地元の商店街で仕事をしている方々との対比を見せているシーンですね。
彼女が海を歩いているそのとき、商店主さんたちは黙々と仕事をしているという。
――― なるほど、たしかに対照的なシーンです。音楽の歌詞もすごくマッチしています。そして、雄三通りの看板が移されて、女性と商店街の皆さんとが同じ場所で交わるわけですね。
松永監督 はい、ここから商店街の方々とのふれあいがあって、女性の表情が次第に明るくなっていきます。
――― ここもすごくリアルだと思いました。実際、この通りはお店の方と会話するのが楽しいところですよね。
松永監督 あとでまた経緯のお話をしますが、東海岸商店会の魅力をPVにしようと思ったとき、このふれあいのシーンは欠かせないものだと思いました。
――― そしてクライマックスの海のシーンですが…
――― 商店街のみなさんが歌っているところに、女性が合流して…
――― 最後、一緒に手を叩いて歌うという…。あの、ここの解説をしていただくというのはどうかと思うんですが…すみませんお願いします!
松永監督 はい(笑)ここはあまりロジックで語れるシーンじゃなくて。
ふれあいを通じて肩の力が抜けて、心が軽くなった、元気になったというシーンですね。
――― 商店街の皆さんとの一体感がありますね。
松永監督 主役の女の子も疲れていたけどふれあいで元気になりました。と同時にもう一方の主役である、商店街の皆さんもお店を経営する中で皆さんすごく大変なこともあるけれど、ふれあいを通じて元気になっていることを表現しました。
――― わざわざ言語化していただき誠にありがとうございます。こうしてお話を伺ってから改めてPVを拝見すると、また新鮮な感じがしますね。
■主演は宮田祐奈さん
――― 2番のKEEP LEFT編のお話を伺う前に、主演の方について教えてください。
松永監督 宮田祐奈さんですね。
主演の公募をしたら30人以上からお申し出をいただきまして、オーディションで選ばせていただきました。
――― 30人も!選ぶのは難しかったんじゃないですか。
島田P 実は、もう一人有力な方がいました。
茅ヶ崎にもゆかりがある方で申し分なかったんですけども、最後は監督の決断で宮田さんになりました。
松永監督 やっぱり役の設定が、「茅ヶ崎出身で、いまは都内で働いているけどまだ素朴さが残っていて、都会の喧騒に疲れている人」っていう絶妙なバランスじゃないですか。
それを台詞なしでも表現できる人、ということになるので、そこにピッタリの方が宮田さんだったんです。
――― 実際、PVを拝見したらピッタリの方ですよね。
松永監督 宮田さんが出している雰囲気とか、見た目とか、表情の演技とか、今回はそういうところが役にハマっていたんですよね。実際、お願いしてすごく良かったです。
■きっかけは「北側もオシャレ茅ヶ崎!」
――― ところで、今回なぜ東海岸商店会のPVを制作することになったのでしょうか。
松永監督 一年前、「北側もオシャレ茅ヶ崎!」という作品をつくったんですね。
――― はい。すごく評判良かったですよね。
松永監督 おかげさまで、オールナイトニッポンムービーコンテストでグランプリをいただきました。
それをもっと茅ヶ崎の方々に見て欲しくて、東海岸商店会のお店にポスター掲示をお願いしに行ったら、会長の長谷川さんと知り合えて。
――― それがきっかけで今回の依頼が来たんですね。
松永監督 はい。そこで僕なりに雄三通りの魅力を考えて、いろいろ長谷川さんに動画の提案をしたんですけど結構ボツになっちゃって。
企画のやり取りを重ねて長谷川さんと触れ合っているうちに「あれ、茅ヶ崎の人って肩の力が抜けてるな」って気がついたんです。
――― すごくよく分かります。
松永監督 長谷川さんとか浅見さんとか、すごく自然に接してくださるじゃないですか。
これって当たり前じゃないと思って。だからその雰囲気が伝わる作品にしたいと思ったんです。
――― なるほど、それで加山雄三さんの歌を口ずさむぐらいのユルさになったんですね。
松永監督 そうなんです。最初は台詞をたくさん入れるイメージだったのが、方向性が決まってから全部なくして歌のみにしました。
田中CD だから表情の演技がすごく重要で。
主演の宮田さんには、最初の表情が暗いところから徐々に元気になっていく感じをお願いしていました。
「ここのシーンは元気1割、次は元気5割でお願いします」みたいな(笑)
島田P その悩みもそこまで重たい悩みではなくて、都会の日常に疲れたぐらいのイメージなので、その案配も伝えていましたね。
――― どん底というより、都会でどこか無理をしている日々に疲れた感じですね。
松永監督 はい。余談ですが、この撮影は12月だったんですけど、雨続きで撮影が思うように進まなかった期間があって。
この微妙な疲れ具合が自分でも分からなくなっちゃって、「主人公が砂浜でパソコンで仕事をしている」シーンを入れようと思った瞬間があったんですね。
――― 砂浜でパソコンは結構まずい精神状態ですね(笑)
松永監督 あとで冷静になって「いやこの主役はそこまで追い込まれてないぞ」って思い直して(笑) そうやってリアルなところを探っていった感じです。
――― PVの経緯からシーンの解説などすごく面白かったです。次回は2番のKEEP LEFT編について伺います。
(次回につづく)
【Think Chigasaki】スタジオ白鯨(YouTube)
・第1話:「茅ヶ崎は肩の力が抜ける場所。」映像制作を通じて感じた街の魅力。/東海岸商店会PV~ふれあい編~
・第2話:加山雄三のゆかりの地で、ソーシャルグッドな取り組みをする商店街。/東海岸商店会PV~KEEP LEFT編~
・第3話:「撮られることは、楽しい。」人に喜んでもらえて、自分たちも成長できることをする
▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter)
2015年に茅ヶ崎市に移住し、2017年に「エキウミ」を立ち上げる。東海岸商店会の公式サイトの運営や、m'no【エムノ】のWEBマーケ、記事の寄稿も行う(SUUMOタウン、Gyoppy!、ARUHIマガジン、SPOTほか)。
▼編集アシスタント 権藤勇太
エキウミインタビュー担当。平日は都内で法人向けの業務改善提案を行う営業マン。休日は緑に囲まれた茅ヶ崎で畑をいじったり、キャンプしたりフットサルをしたりのんびり生活をしている。消防団に入ったことをきっかけに、自分が使うお金がどこに流れて回っていくのか興味をもち商店街の活性化に2018年参加。
▼編集アシスタント 井上普文(Facebook)
三重県出身。2014年に茅ヶ崎市に移住。コミュニティバスに貼られていたポスターを見てエキウミの読者に。茅ヶ崎で暮らす者として、茅ヶ崎のヒト・コトをもっと知りたいと思い「エキウミ」に参加。
▼編集アシスタント 高崎正宏
企業のIT部門勤務。住んで心地よい場所を探して茅ヶ崎へ辿り着き、昨年の春に都内より移住。予想以上に心地よく、この茅ヶ崎の街や人から受け取るだけでなく、少しでもお返しできないかな、と思い、エキウミに参加。サーフィンは楽しいけど下手くそ。猫2匹と同居しているが実は犬も好き(^^;。