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松浦信孝の読書帳

生命

2020.04.09 20:34

殺生はしたくないから、私はベジタリアン!


という人は植物の生命、菌の生命を冒涜している。


植物だって命だ。味噌だって酵母の命。酒だって命。動いていないもの、見えないものにも生命はある。


動物を殺すのはかわいそうだから、肉食をやめる。って考え方はなんか腑に落ちないんだよな。


折角頂いた命を無駄にしないために、フードロスの無い世界を作る、の方がしっくりくる。


屠殺は古来、被差別階級の仕事だった。関西にはまだそういう部落があると、ある人から聞いたことがある。死を扱う仕事は汚いものだって、誰が決めたんだろう。


命って何だろう。死んだら終わりですか?生命を生命たらしめていたものは、どこに行ったのですか?


そこに応えてくれる宗教って、それでもまだ気持ちの悪いものですか?


令和になってから「あたりまえ」とか「常識」、「暗黙の了解」の箱の中に押し込んで思考停止していたものが、パンドラの箱みたいにどんどん出てくるようになった。


人間を、人間たらしめる材料が、外側からどんどん与えられる。


思考停止の殻に逃げ込むか、本を使って無限の哲学の世界に飛び込むか。


社会は不自由、けれど思考は無限に自由だ。


面白い時代になってきたな、と喜ばしく思う。