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梅に鶯(ウグイス)?! - 鶯色

2020.03.14 04:00

梅は「春告げ草」ウグイスは「春告げ鳥」とも言われているように、 「梅に鶯(ウグイス)」といえば、 万葉の時代から現代に続く、春の訪れを告げる代表的な組み合わせです。 


花札にも描かれるこの組み合わせは、紅梅の「やわらかい赤」とウグイスの羽色である「明るい黄緑」の、 色のコンビが印象的。 

「よく似合って調和するものの例え」として、 「紅葉に鹿」「松に鶴」などと一緒に使われることわざでもありますね。


ところで、このウグイス。 

普段は薮(やぶ)で暮らし、主に虫などを食べるため、人目に触れる梅の木にとまることはあまりないのだそう。 


では、なぜ「梅に鶯」? 


実は、ウグイスの羽色は、誤解されていることが多いのです。 

ちょっぴり臆病で恥ずかしがり屋のウグイスは、 警戒心が強いので人前に出てくることはあまりなく、 鳴き声が聞こえてもその姿を見ることは稀。

対照的に、メジロは怖いもの知らず。 

人間がいても平気で木の枝にとまり、餌を食べにやってきます。 


つまり、「ホーホケキョ」とウグイスが鳴きはじめる頃、梅の木にとまって花の蜜を美味しくいただいているのは、 「あかるい黄緑」色の羽をしたメジロ。 

鳴き声が聞こえ、ふと見上げるとそこには梅の木にとまるメジロがいて…。 

昔の人はその光景を「梅に鶯」として、 「あかるい黄緑」のウグイス(実はメジロ)を描いた、とする説が有力のよう。 


ウグイスの実際の羽色は、 「くすんだ黄緑」(JIS慣用色名 鶯色:マンセル値 1GY 4.5/3.5)。 

美しい鳴き声とはウラハラに、案外地味な装いなのです。


ちなみにメジロはその名のとおり、 目の周りをくるりと囲む白い縁取りが特徴的。

みなさんがよく見かける「梅に鶯」の図柄は…さて、どちらでしょう??

(SATOMI)