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増田勇一のmassive music life

lynch.の変わらぬ理想、変わり続けてきた方法論。

2020.03.22 00:37

3月23日(月)に発売を迎える『MASSIVE Vol.36』の表紙+巻頭特集は清春。そして、それに続く第二巻頭として登場しているのがlynch.だ。今回は全22ページにわたり葉月(vo)のロング・インタビューを掲載。話題の中心は当然ながら去る18日に発売されたばかりのニュー・アルバム『ULTIMA』ということになるが、とにかく正直で隠しごとが上手くない葉月は、今回もだいぶ、ぶっちゃけた話をしてくれている。

同時期、この取材の他に、僕はメンバー全員集合でのインタビューも行なっており、こちらの記事についてはすでに音楽ナタリーに掲載されている。こちらをチェックしていただいたうえで、『MASSIVE Vol.36』をお読みいただければ、彼の言葉をより生々しくリアルに感じていただけるかもしれない。

そして、lynch.のオフィシャルサイトはこちら。

彼らとの出会いはDIR EN GREYの薫を通じてのことだった。もちろんインディーズ時代のことで、最初に顔を合わせたのは玲央と葉月。やけに責任感の強そうな人だなあ、喋ってるだけでも声がいいのがわかるなあ、というのがそれぞれの第一印象だった。

そして今回のインタビューで葉月自身も語っているが、彼らの音楽は当時から驚くほど変わっていない。段階を経ながら変わり続けてきたのは、それをどんな形で提示するかという方法論のほうだ。そして『ULTIMA』という今作は、彼らの理想追求の旅がとても重要な到達点に至っていることを伝えているように思う。これがバンドの歴史におけるピーク、という意味ではない。ただ、結成15周年という節目の年に世に放たれたアルバムが『ULTIMA』と名付けているという事実が重要であるように思う。究極。そこまで言い切れるのは彼ら自身に迷いがなく、しかも過去のどんな瞬間よりも高く飛べていることを自覚で来ているからこそだろう。とはいえ彼自身がそもそも使いたかったのは、この言葉と語感の似ている他の単語だったようだが。

というわけで、読んでから聴くか、聴いてから読むかの選択はどちらでもいいのだが、是非この『ULTIMA』に触れてみて欲しい。これまでlynch.を知らずにきた人たち、自分には用のない領域のバンドだと思ってきた人たちにも。