クラスレスな原付二種「CT125 ハンターカブ」が登場!
6月26日、ホンダから新しい原付二種「CT125 ハンターカブ」が発売されます。
すでに販売されている「スーパーカブC125」をベースに、フレーム剛性を最適化し、サスペンションストロークを拡大。アンダーガードなども装備し、林道走行など、不整地での走行にも対応できるようにしたモデルです。大型キャリアも搭載し、道具を満載してのキャンプにも使い勝手が良さそうです。この手の遊び用に作られた小排気量バイクのことを昔は「レジャーバイク」と言ってましたね。
ま、それはともく、どうです? ライダー以外の方もひと目で「欲しい!」と思うカタチじゃないですか?
バイク乗りの皆さんはよくご存じですが、「CT125 ハンターカブ」のデザイン・スタイリングは過去に販売されていた「CT110」というモデルをモチーフにしています。スーパーカブという商品は北米でも大ヒットしたのですが、未舗装路を走る機会の多い現地からの要望で、オフロードに対応できるバリエーションモデルを作っていたのです。
元ネタとなった「CT110」。1981年に日本国内でも販売された。現在でも人気が高く、中古相場は高値安定。
ただ、CT125ハンターカブはそういうストーリーを知らない人でも魅力を感じるでしょう。なぜかというと、ス―パーカブのアウトドア仕様であることが一目瞭然だから。新聞配達のス―パーカブを超カッコよく改造した、そう見えると思うんです。これは元のス―パーカブのデザインが他のバイクとは比べ物にならないぐらいアイコンとして一般に浸透しているからこそです。
似たようなケースだと、最近、カッターナイフの元祖、オルファからアウトドア用途に向けたカッターナイフが出たじゃないですか。基本的にアレが魅力的なのと同じです。元ネタなく、いきなり「折る刃」式のアウトドア用ナイフを発売しても、こんなん役に立たんと見向きもされてないでしょう。
驚いたのはハイマウント吸気ダクトとアップマフラーという専用の吸排気システムを採用したこと。吸気口と排気口を高い位置に備えることで、浅瀬などに進入しても、そこから水が入らないようになっている。なぜ驚いたというと、実際にこれ買ったほとんど人って水辺は走らないと思うんですよ。でも、こういうディテールをもつことで「本物感」は確実に高まるし、これがあるからこそ40万超の車体価格に説得力が出るんだと思います。このご時世ですし、1円でもコストを下げて安く売りたいって声が支配的だったでしょうに、ホンダ社内で頑張った人がいたんでしょうね。二輪と四輪で違いますが、販売好調のスズキ ジムニーに学んだところもあるのではないでしょうか。
価格は44万円(税込み)。これ、バイク乗りかどうかで印象が変わると思います。バイク乗りっていうのは頭の中にピラミッドのように「序列」ができ上がってますからね。125㏄、しかもカブで44万円と聞いたらまず高いと思う。しかし、CT125はいまのところライバルのいないクラスレス商品ですからね。バイクではなく、これが欲しいという人にとっては絶対的に高価ではないと感じます。
トランスミッションはクラッチ操作のいらない自動遠心クラッチ。例のブーン、ガチャン、ブーンってやつです。エンジンは空冷4ストロークOHC単気筒。125㏄ですが燃費は抜群。例によって低中速域のトルクを重視したセッティングです。
車体カラーは「ローイングレッド」と「マットフレスコブラウン」の全2色ですが、自分ならちょいとハズして後者を選びます。
【SPEC】
全長×全幅×全高:1960×805×1085㎜
車両重量:120㎏
エンジン:形式 空冷4ストSOHC単気筒
総排気量:124㏄
最高出力:6.5kW(8.8ps)/7000rpm
最大トルク:11N・m(1.1kgf・m)/4500rpm
燃料タンク容量:5.3L
(文/佐藤旅宇、写真/本田技研工業)