映像集団ブンカモノ

映画劇場鑑賞レビュー「1917-命をかけた伝令-」《投稿者:高上雄太》

2020.03.22 04:44

ブンカモノメンバーで自主制作映画を監督している高上雄太(タカウエユウタ)です!


週に1回は劇場で映画鑑賞をしていますが、

その中から、今季話題の映画を皆様にオススメしていこうと思います!


月に1~2回ほどユル~く更新していくので、

1900円もするから鑑賞映画を外したくないと思っているそこのあなた!必見ですよ!


では、今回紹介する映画はこちら、



「1917 命をかけた伝令」


《あらすじ》

若きイギリス人兵士二人は、最前線で戦う大隊の運命を握る、

重要な伝令を届ける任務に指名される。

それは、敵陣地の中を進まなければならない絶望的な内容だった...


今やパラサイトの歴史的快挙に全世界が驚く中、

1917も個人的に今年の期待作でした。

何せ、私はワンカット撮影が大のお気に入り!

ワンカットとは、映像の繋ぎを無くしドキュメンタリーのように被写体の動きを追い続ける撮影手法。

最近、コメディ映画の「カメラを止めるな」で一躍知名度の上がったワードですが、

実は、緊張感や躍動感を引き出せる面白い手法なんです!


そして、今映画の出来はどうだったのか!?


早くも今年ベスト1にしたいくらいの大傑作でした!


「ワンカット撮影」を主体にした映画の中では、

過去最高レベル!

ワンカットという手法が始まったのはヒッチコックの作品「ロープ(1948年)」からであり、

それ以降「トゥモロー・ワールド」「ゼロ・グラビティ」「バードマン」「ウトヤ島、7月22日」、

日本では先程も上げた「カメラを止めるな!」が記憶に新しいですね!

それら、様々な作品で積み上げてきた表現を組み合わせ、

1つの集大成的な作品が生まれたと思います!


本作のストーリーはいたってシンプル!

若い兵士二人が味方の大隊へ伝令を届けるためただひたすら歩く!それだけです。

その中で数々の危機的状況と人との出会いに遭遇するため、一種のロードムービーのような趣があります。


ストーリーだけ聞けば「それ、本当に面白いの?」と首をかしげるかもしれませんが、

それらの物語を重厚に、そして心揺さぶる感動作に押し上げたのが、ワンカットでした。

観客が二人の兵士と共に「歩き」「身を潜め」「息を止め」「死臭のする敵陣に乗り込む...」

観客が第三の主人公のように体感出来る没入感に、見ている私はとにかく感動して震えました。


また、兵士の心情を現す、情緒的で緊迫感溢れるスコアも素晴らしい!

作曲を手掛けたトーマス・ニューマン(代表作:ショーシャンクの空に)の技が光った音楽には胸を打たれることは間違いありません!

この手の映画でよくある、不自然なカットによる繋ぎ目のごまかしもあまり見受けられません。

廃墟のセットとVFXのバランスも絶妙で、目まぐるしく動き回り、カメラの目の前に広がる戦場の生々しさは圧巻の一言!

これぞ映画だからこそ表現出来た作品だと思いました!


1つの映画史に刻まれた作品として、

私は文句無しにオススメ出来ます!

ぜひ、皆さんもご覧下さい!


いや~素晴らしかった!

もう一回行ってこよう(笑)