最後まで読まれなくても1番伝えたいことが伝わる記事が書けるPRライティングの基本! ~第4期 広報・PRプランナー&PRライター養成講座 第2回レポート~
記事を読むとき、多くの人はどこを見てこの先も読もうと思うのでしょうか?いまあるほとんどの記事が最後まで読まれていないという事実があります。
世の中にあふれている多くの記事の中から、読んでほしい人に選ばれ読んでもらうにはPRライティングの基本を押さえる必要があります。
第1回PR講座でPRという概念を学んだ上で、今回の第2回PR講座では「記事を読んでもらうためのポイント」を実践的に学びました。重要なポイント・今後使えるポイントをPRライターの米田来美がお伝えします。
何を1番伝えたいかを可視化する
多くの人が検索をしたとき、この記事を読もうと最初に判断するのは記事のタイトルです。つまり、記事において最も重要なのはタイトルということです。
文章を書く方法として、起承転結で書くという方法があります。しかし、記事を書くときは最初に結論から書きます。記事は最後まで読まれないということを前提に考えると、読者が1番求めていることを書く必要があるからです。
では1番求められていること・伝えたいことを抽出するにはどうしたらいいのか。それは要素を整理し、可視化することです。
やり方としては、まず文字起こし後、要素ごとに色分けをします。次に論理的に要素を分類します。そして何を残すか残さないのかを1つ1つ慎重に判断をしていきます。
最後に残した要素をどの順番で書いていくのかという構成を作ります。それが記事の設計図となり、筆者は自分の頭の中を整理することができ、編集者は何を書きたいのか一目瞭然になります。
文字起こし後要素を分類せずに記事に起こしてしまうと、文字数などの制限がある場合、修正しづらくなります。この方法は、インタビュー・記事・議事録に応用することができます。スムーズに記事を書けるようになるまでは、要素分解をすることを取り入れるといいですね。
受講生の多くの方が、これはすぐに実践できるポイントだと話していました。
誰に1番伝えたいかを明確にする
伝えたいことがはっきりとしたところで、伝えたい人もはっきりさせる必要があります。しかし、ただ漠然と「旅行が好きな人」「音楽が好きな人」と設定するだけでは効果は低いので、ターゲットは細かく設定していきます。
最近は好きなものが多様化し、趣味趣向が細かくなってきています。情報があふれているからこそ、その中から選ばれるためにはターゲットを限定することで「あなた感」を出すことが大切です。
では、どこまで細かく設定すればいいのか。主に下記の6つの項目で設定していきます。
1.性別 2.年齢(1~5歳までの幅で) 3.立場(役職・職業) 4.居住地 5.趣味 6.状態(既婚or独身・子どもの有無・生活スタイルなど)
講座では、このターゲット設定を2~3人のグループに分かれて、自分たちの好きなもの・魅力を伝えたいもの・読み手にアクションをしてもらいたいものをテーマにワーク形式で実践しました。
私のチームは、「ワンオクロックの曲をYouTubeで聞いてもらう」というテーマでターゲットを設定していきました。
1.45~50歳 2.女性 3.フルタイムで働きつつ家事もこなす 4.大阪の1軒家に在住 5.舞台・ライブ鑑賞が趣味 6.高3~大学2年の子どもが2人いて、子育ては終了している・ボンジョビが好きだった人・ある程度趣味に時間が取れる人
というターゲットに設定しました。
ターゲットを決める際、私が好きなワンオクロックを誰に聞いてもらいたいかなと考えたとき、1番に思い浮かんだのが自分の母親でした。なので、このターゲットはほとんど私の母親に近いものになりました。
このように「〇〇に興味ある人」ではなく、「誰か」を断定できるようなターゲット設定をすることであなたに届けているということを記事から伝わります。
さらに、ターゲット層を興味関心度によるコア・リード・マスで分けることができます。コアはもともと興味がある、リードは知っていたが詳しくは知らない、マスはまったく興味がなかったけど興味がでたというように分かれます。
たとえば、私たちのテーマからターゲット層を分類すると、コアがワンオクを好きでよく聴いている、リードが名前は知っているけど聴いたことがない、マスが名前も知らないとなりました。
この3つのどの層をターゲットにするかによって、メンバー情報やライブ情報、曲情報などそれぞれ記載するべき要素が異なります。なので、必要な情報は何かを洗い出し、取捨選択することが必要となります。
このようにできる限り具体的にターゲットを設定することで、必要な要素が見えてくるということを実践的に学ぶことができました。
どのツールが1番届きやすいか分析する
伝えたいこととターゲットが明確になった次にすることは、ターゲットに届きやすいツールを組み合わせて使うことです。
そのためには、ツールの特徴を知る必要があります。たとえばオンラインでは、SNS(Facebook・Instagram・Twitter・LINE)・ブログ・メルマガ・動画・オウンドメディア・コーポレートサイト・プレスリリース・ニュースリリースなどがあります。
これらの情報発信ツールはフロー型とストック型に分かれます。SNSはフロー型で、たえず新しい情報が流れていくタイプです。
一方ブログや動画、オウンドメディア、コーポレートサイトなどはストック型で、情報が蓄積されていき、検索から継続的にアクセスを集めることができるタイプです。
オフラインでは、イベント・展示会・チラシ・書籍・マスメディア(TV・新聞・雑誌)などがあります。これらのオンライン・オフラインツールをうまく組み合わせることで、伝えたいターゲットに届けることができます。
第2回PR講座を終えて
今回の講座では、今後実践していけることを多く学ぶことができました。
最後まで読んでもらえる記事が少ない中、伝えたいことを伝えるためのコツとして、要素整理し結論から書く・細かくターゲット設定する・ツールを組み合わせて使うという3つのポイントが大事だとわかりました。
早速インタビュー記事の文字起こし後の要素色分けから実践しました。自分の頭の中も整理ができ、構成もスムーズに行うことができました。こういった訓練をかさねていき、基本を固めていきたいと思いました。
そのうえで、今後の講座で学んでいくことをどんどん取り入れていきたいと思います。
(執筆:PRライター 米田来美)