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砥部焼はなぜ、砥部で始まったのか。始まりがあるから、今もある。

2020.03.22 13:45

日本にたくさん焼き物がありますが、どの焼き物の世界も歴史があって、素晴らしい工夫や生活の知恵などあらゆることが重なり生まれ、今も作り続けられているのではないかと思います。


愛媛県の砥部焼は、現在、100ほどある窯元さんによって作られています。


なぜ、そんなに窯元があるのか。


諸説あるとは思いますが、砥部焼について学び、

シンプルに言うと・・・

①原料があったから

②登り窯に合う、山に囲まれた傾斜地

③原料を作るために必要な川があった

④焼くために必要な燃料「赤松」があった

⑤砥石くずの処理に困った故の行動力


今も、昔も変わらず、いい世の中にするために起こす行動力が砥部焼を生んだとわたしは思います。

これを再利用できないか・・

こういうものがあったらいいのに・・

たくさんの人が関わって、作り続けられているんだと。


歴史は、240年前・・・です。

砥部は、大洲藩に属していました。

そして、砥部の砥石山で「伊予砥(いよと)」と呼ばれる良質な砥石を切り出していました。ちなみに砥石って・・・金属や岩石などを削るための道具、石のことです。(包丁のお手入れの石ってイメージですね)

大洲藩主だった加藤泰侯(かとうやすとき)が、砥部に磁器づくりを命じました。そして、1777年 杉野丈助(すぎのじょうすけ)が磁器作りに成功しました。

これがスタートなのです。じゃあ砥部に命じた理由は・・・

砥石を切り出すときに出る「砥石屑(といしくず)」の処理に困ったから。

なんでもそうですが、いらないもの、クズの廃棄って困りますよね。お金も掛かりそうですし、、これが何かに利用できたらな。。って思えそうですよね。


なんと、このクズは、砥部焼の原料である「陶石」となるのでした。まさか「屑(くず)」と思っていたものが、器になるなんて。素晴らしいです。


現在、地元産の陶石に他の産地の原料を混ぜています。

これが、焼き物の材料となる土=坏土(はいど)です。


ざっくり砥部焼の作り方・・・

圧縮調整した坏土(はいど)の空気を抜くため、真空土練機というものを使います。直径15センチ程度の太さで、棒状にします。

そして、この棒状のところから「ろくろ」を使って器の形を作ります。

さらに生乾きの状態で削って軽くしたりします。

さらに天日などで乾燥させます。

1度目の窯で、素焼きします。約900度で8~10時間焼きます。

素焼きされたら、下絵付けします。つまり、手書きで絵を書きます。(器の種類や窯元さんによって違いはありますが、基本的な砥部焼の作り方です!)

下絵付けしたら、上に釉薬をかけます。

そうすると下絵付けした絵は見えなくなります。(ちょっと不安になりそうですが焼くと透明になり、下絵付けがしっかり見えます)

2度目の窯で、本焼きです。約1500度で15時間~24時間も焼きます。(3回焼く窯元さんもあります。それは、本焼きのあと上絵付する場合など)

※素焼きから本焼きするとき、サイズ感もかなり小さく縮みます。だから、ろくろでカタチを作る際は、完成の大きさを考えて作る必要があるんですね。


ざっくり砥部焼の作り方・・・でしたが、

一つの器を作るのに、こんなに多くの工程があることに、初めて知ったとき驚きました。

でも器のことを少しずつ知ると、より砥部焼が好きになります。

そして、ほかの全国の焼き物についても知りたくなります。


器の技法もいろいろありますし、用語もいっぱい。

持っているものだけでも、どうやってできているのかな・・・って知るのは、楽しいです。

砥部焼のスタートは、「屑(くず)」からだったのですね。


リサイクルというか、無駄にしない精神だなと思い、

この時代に合っているのではないかと。


だから、今でも、ろくろを回して出てくる「屑」は再生できるんです。


砥部焼は、高温で焼いているので、基本的に電子レンジ、オーブン可です。

ちなみに、絵付けに「金」を使用している場合は不可。

窯元さんによっては、推奨していない場合もあります。


プラスチックをなくして、砥部焼の器で冷蔵庫保存し、そのまま電子レンジへ。


割れにくいから、ガシガシ洗って、何度でも使える。


お茶などで色がついてしまったら(茶渋)、キッチン用のハイターに漬けられます。

こちらも窯元さんによって異なる場合がありますが、私は基本的に使用しています。


無くてもいいもの→あると便利なものへ。


物の始まりを知ると、わくわくしていただけるかなと。


BridgeBambo

ayaka hashida


参照

https://www.town.tobe.ehime.jp/site/kids-and-parents/kids-tobeyaki.html

http://www.tobe-kanko.jp/product/tobeyaki/history.html

https://shiroao.jp/

※内容はいろいろなところから勉強させていただきました。