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増田勇一のmassive music life

SiMの新作のタイトルを覚えよう。試験には出ないけど。

2020.03.23 09:15

本日、3月23日に発売を迎えた『MASSIVE Vol.36』には、4月15日に4年ぶりのニュー・アルバム発売を控えているSiMのフロントマン、MAHのロング・インタビューも掲載されている。このアルバムがとにかく強力で、どのように強力なのかについては誌面を読んで欲しいのだけども、まずはタイトルを今のうちに覚えておいて欲しい。

題して『THANK GOD,THERE ARE HUNDREDS OF WAYS TO KiLL ENEMiES』。名付け親であるMAH自身も噛みそうになることを認めていたこのタイトルは、ニュアンス的には〈やった! 敵を倒す方法、まだまだたくさんあるじゃん〉といったところ。ただ、インタビュー中でも触れているのだが、〈thank god〉に続く言葉が〈we got〉ではなく〈there are〉であるところがポイントだ。つまり彼らは、まだすべての方法を手に入れているわけではないのを認めているわけだ。しかし同時に、これまで普通に持っていたものが他の誰も持ち合わせていない強力な武器になり得ることも今の彼らは知っている。

このアルバム、初回限定盤と通常盤というふたつのフォーマットでリリースされるのだが、僕としては初回限定盤のほうを激しくお薦めしたい。こだわりまくりの特殊パッケージについてはまだ具体的には書けないのだが、それだけじゃなく、なんとMAH自身による2万字にも及ぶ全曲解説書が付いているのだ。2万字ですよ、2万字。参考までに、洋楽CDの通常のライナーノーツは3,000~4,000字くらいのもの。実は僕自身、すでにそれを読ませてもらっているのだが、これが読み物としても非常に面白く、さまざまな謎解きにも繋がるもの。ある意味、取材者泣かせのものでもある。だから実際、取材時の冒頭のやり取りは以下のような感じだった。

◆最初にちょっと苦情を言ってもいいですか。

「……え? 何でしょう?」

◆2万字も書かないでくださいよ。商売あがったりです。

「あはははは!」

◆しかもここに絶対的な答えがあるわけじゃないですか。

「確かにそうっすよね」

このくだりは誌面には掲載していない。何故ならインタビュー本編の内容が濃すぎてカットせざるを得なかったからだ。また、彼はこれまでもアルバム・リリースの際にはブログなどで収録曲解説を行なっていたわけなので、いきなりこうしたことが始まったというわけでもない。しかし本当にコレが興味深い内容で、こちらとしては〈やっぱり本人に何か書かれたら敵わないよな〉というのが本音ではある。悔しいけれど。

アルバム発売までにはまだもう少し時間があるけども、ちょうど収録曲のうちのひとつである“Devil in Your Heart”のミュージック・ビデオも公開になったばかりだし、このアルバムの特設サイトを覗いて彼らの最新情報をチェックしてみて欲しい。そしてもちろん、『MASSIVE Vol.36』に掲載のインタビューも読んでみてください。