格言新時代。
「BBにタップを掛ける」という作業があり、弊店では車両お納めする際にほぼ全て行うのですが、
それを「サービス」であるとか「親切」であるといった風に捉える人が居るとすれば大間違い。
いや、大間違いではなく小間違いくらいか。
新車のBBシェルは溶接後のヒケにより生じる歪みなどでBBベアリング着脱がスッと行かない事も多くある訳ですが、
BBにタップを掛けとけばBBベアリングの着脱がススススムースで作業楽々。
という事でBBにタップを掛ける際の最大の受益者は誰か?というと作業する人間であり、必ずしもユーザーではないのです。
勿論、ユーザーさん自身が作業するなら受益者はユーザーさんになりますが、基本的にはこういう事。
「タップは人の為ならず」
あとタップとセットで登場する「フェイスカット」という作業もあります。
此方はまぁ作業性向上云々はほぼ関係ないので「人の為」なのですが、時に「為になっていない」フェイスカットもありまして。
例えば十数年前にワタクシが購入致しました御カナダ製の御ハンドメイドMTBフレームは、
手元に届いた時には既にフェイスが切られており、ツルツルピカピカに面出しされておりました。
「さすがカナディアンハンドメイド!親切だぜ!」と喜びながら組立作業を始めると・・・何かが変。
稲川淳二のモノマネを絡めつつ「おかしいな〜、へんだな〜」とBBシェル幅を図ると「66mm」。
つまりフェイス切るのは良いんだけど盛大に切り過ぎたせいでシェル幅が減ってしもうておった、と。
そんなにツルツルにする事が大事なのか・・・オマエは小阪めぐるか!と叫びつつ抱きしめたあのフレーム、何処行ったんだっけ?
まぁそんな事もありましたので、弊店でフェイスを切る時はツルンツルンに切りまくるのではなく、
塗装がうっすら残る箇所(凹部)が2割以下になる程度に留める事にしています。
フェイスカットの目的はBBベアリングのカップとの接地面が並行かつ最大限にする事ですから。
「切り過ぎるは及ばざるが如し」
そんなこんなで今日もWorkワクワク、明日もWorkワクワクです。