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A recollection with you

続く雨の音 後編

2016.05.10 11:14

「さすがにここまで濡れてると、一人じゃ大変だからね。済んだら、何か淹れるよ」

「え…。いつもより変に優しくて、少し気持ち悪いです…」

「そこまで言うかい…。要らないなら作らないけど」

「…飲みますよ。疲れてるもん」


いつもならあたしに任せきりなのに。

ほんと、どうしたっていうんだろう。


「よし、済んだかな」

「あぁー、疲れたぁ~」

「フフフ」

「なんですか」

「何飲むんだい?」

「うーん。おまかせ!」

「うん。分かった」


いつものように、待ってて、とは言わない。

それは、もうお約束のようなもの。


「詩歩、出来たよ」

「はぁい」


ん?


「これ。」

「アイスティーだよ。ダージリンのね」

「あんまりないような」

「あんまりないからするんだよ」

「試飲、じゃないよね」

「僕もさすがにそこまで悪じゃないよ」

「ふーん。いただきます」


美味しかった。

それが分かったからか、祐月さんがニヤリとする。


「そっか。それは良かった」


そう言って、カウンターの茶葉の蓋を閉めた。