手指洗浄と消毒薬
ついに隣県でも新型コロナウイルスの感染者が出ました。前回、免疫力を高める記事を書きましたが、今回は手洗いやアルコール系消毒について少しまとめてみました。
◆手洗いの時間・回数による効果
(厚生労働省「ノロウイルスによる食中毒の現状と対策について」)
出典>森功次他:感染症学雑誌、80:496-500,2006
◆アルコール消毒
- アルコール消毒が有効:インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、新型コロナウイルス等
- アルコール消毒が無効(もしくは効きにくい):ノロウイルス、ロタウイルス等
ノンアルコール除菌シート、アルコール除菌シートの効果テストはいかに?
いづれの場合も1回のふき取りでは取り切れないですし、水に浸したペーパーで数回拭きとることも有効なのは石鹸で手洗いをするところにも繋がっています。
◆エタノールの作用
(微生物に対するエタノールの作用メカニズム/文献1の表を改変)
エタノールの殺菌効果は、40%から現れ、70%で最大効果を発揮する。
出典>文献1. 山下勝:アルコール類の微生物に対する作用。防菌防微 24:1950219, 1996
菌が死ぬのに15秒ほどかかると言われており、この15秒間で消毒液が乾いてしまうと意味がない→つまりアルコール度数が高すぎるとすぐに蒸発してしまうため、無水エタノールは薄める必要があるのですね。
追記 2020/04
健栄製薬の下記の記事も参考になります。
◆各種消毒薬の特徴
手指消毒薬の裏面を見ると「エタノール」「塩化ベンザルコニウム」等書かれています。消毒薬は高・中・低水準に分けられており、その特徴が手ピカジェルでお馴染みの健栄製薬のサイトに掲載されています。
◆大容量の手指消毒液の小分けする際の注意
高濃度エタノールを小分けにする場合は購入する容器の素材の確認を! 変質、溶けたり、ヒビ割れ等起こす可能があります。
目安として、20%以下が低濃度、20-40%が中濃度、40%以上は高濃度と言われるようです。高濃度と高水準の意味は違います。容器については濃度の話。またエタノールは引火点が低く、燃えやすいので取扱いに注意して下さい。
高濃度エタノールに使用可能な材質
- ポリエチレン(PE)
- ポリプロピレン(PP)
- ポリ塩化ビニル(PVC)
エタノール水溶液の引火点
- 濃度20%で引火点36℃前後
- 40%で27℃前後
- 70%で21℃前後
参考
National Fire Code Vol.1(1964-65)
National Fire Codes, NFPA, Vol.12(1978) J.A.Dean(ed), Lange's Handbook of Chemistry(McGraw-Hill), 1973
上原陽一 アルコール洗浄システムの安全対策(フロン代替洗浄に関する技術シンポジウム要旨集) アルコール協会(1994)
アルコール消毒液が手に入らずとも、石鹸の手洗いでも十分に効果はあります。予防のために行いつつ、その後にハンドクリーム等で手荒れを防ぎましょう。
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