三歳児の独り言に隠された秘密
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子供の独り言は成長の証って知ってる?
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「教育」は、子どもの脳・心の発達過程を知ったうえで、行うことが重要であると
私は感じているため、発達心理学について独学で知識を得ている。
「教育」とは、人間相手のものであるため、
「人」についての科学的、心理的知識は、
教育者であれば、持っているに越したことはない。
どの年齢にどのような発達に関わる情報やモノ、環境を子どもに提示していくかを決める
良い指針材料となるからだ。
私は、「国語」講師であるゆえ、主に「言語発達」に関わる文献を読むことが多いのだが、
本日は、その中で、一つ取り上げて、なるべく読者が苦痛を感じることなく
興味を持てるよう紹介しようと思う。
レフ・セミョノヴィチ・ヴィゴツキーという心理学者がいる。
彼は、幼児期の子どもの言葉の発達における
「外言」 「自己中心的言語」 「内言」の相互関係を研究している。
子どもに習得される言葉は、まず、「話し言葉」の形態をとりながら、
周囲の人々とのコミュニケーショ ン手段として発達するという。
この話し言葉は「外言」とよばれ、他者に向けたことばである。
また、内化された言葉は「内言」とよばれ、自分に向けたことばである。
その機能は、
自分自身に話しかけることによって
自分の行動を支配・調節することにある。
確かに、私たち大人も日々の生活の中で、自分で自分に心の中で多くの言葉をかけている。
「ああ、あれ忘れないようにしなきゃ」
「今日は、よく頑張ったわぁ。明日のために早く寝よ」等。
内言たる、心の声によって私たちの思考は行われ、行動決定されている。
で、興味深いのは、
幼児期後半には、この外言の内化がはじまるということ。
そして, 内言の発達の過程においては、
見かけは外言だが、その機能や構造は外言とは異なる
独自の言葉つまり「自己中心的言語」が存在するという。
この「自己中心的言語」と言われるものが、
つまりは、「独り言」。
3歳を過ぎたあたりから、我が子の「独り言」を聞いたお母さんも多いのでは?
これは、外言の内部化が始まった証である。
幼児が自由遊びのときにちょっと難しい課題を扱おうとすると独り言が増加したり、
小学生が計算するときに独り言を言ったり・・・
「独り言」は3歳くらいから始まり、7歳くらいで消滅していくという。
つまり、3歳くらいから、自己中心性が生まれ、自分の世界を人間は持ち始める。
その後、7歳にかけて自己中心に物事を捉え、思考しながらも、
7歳以降は自己中心性を次第に克服し、社会性を発達させるということである。
ということは、
0歳~3歳 外言の獲得
3歳~ 獲得した外言による内言の始まり。以降、外言をベースに内言が構成される。
ということになる。
つまり、人間は外言により内言を作り上げる。
その外言を3歳までに教えることが親の役目であり、
親によって培われた言葉が、のちに、
自分の内的世界(=心)を作り上げてゆく。
いかに、外言、周りから育まれた言葉が、その子の精神の世界に影響を及ぼすかを示している。
3歳までのことばの育みを、子育てに置いて重視していく理由が
なんとなく理解してもらえただろうか。
その上でこちらの過去の記事も見てもらうと理解は深まるかも↓
3歳までの言葉の育み、誰がする?
お母さんは、子どもの言葉を育むと同時に、
子どもの心を育んでいる。
言葉の育て方について知りたい方は、
セミナーやセッションを利用してみてくださいね。
新しい子育ての世界が開けます✿
言葉で表現できることの楽しみを知った子は、自分から学びを行います。
一緒に、言葉育てをしていきましょう。
Excelsior 国語担当