レイフロ@台本師&声劇民☮

ルテンリンネ(4人台本)

2019.11.21 13:00

【四人声劇台本】

【男1:女2:不問1 シリアス、狂気】

【所要時間目安:30分程度


●上記イメージ画像は、ツイキャスで生声劇する際のキャス画にお使い頂いても構いません。

●ご使用の際は、利用規約をご一読下さい。


【人物紹介】

マリア(♀)

24歳。教会では先生と呼ばれ、孤児の子供たちに読み書き等を教えている。細かい経歴は誰も知らない。


リオ(性別不問 ※少年声の出来る方に限る)

14歳。両親がギャンブルで借金を作り、共に自殺してしまったため、妹と共に教会に身を置いている。


ナディ(♀)

8歳。リオの妹。元気で明るいが、実は傷つきやすい。お兄ちゃんっ子。


ヨウム(♂)

おそらく30歳前後。教会で雑務をしている用務員さん。穏やかで優しい。幼い頃紛争地域にいて、頭に怪我を負ってから、難しいことが理解出来なくなった。マリアに拾ってもらい、恩義を感じている。



【注意点】

・「教会」や「神」と言ったワードが出てきますが、実存する宗教とは一切関連はありません。

作中に出てくる神に対する考え方は、すべてフィクションですのでご了承下さい。




↓生声劇等でご使用の際の張り付け用

――――――――

ルテンリンネ

作:レイフロ

https://reifuro12daihon.amebaownd.com/posts/7964215

マリア:

リオ:

ナディ:

ヨウム:

――――――――









以下、台本です。

――――――――――――――――



(BGM:雨の音)



リオ:

はぁ、はぁ…


ナディ:

うっ、うぅ…(泣く)


リオN:

人を、殺してしまった。

男が倒れると同時に、空からは大粒の雨が降り出した。

まるで僕の心を移すかのように。

両親はギャンブルで多額の借金を作り、勝手に心中した。

相続を放棄したのに、それに納得できなかった非合法の金貸しが、僕ら兄妹の前に現れた。

「親の借金は子が払え」

「チャラにしてやるから妹をよこせ」

…だって?

冗談じゃない!冗談じゃないッ!!



ナディ:

お兄ちゃん…この人どうして動かなくなっちゃったの?

ひっく…こわいよぉ…


リオ:(呆然と)

大丈夫…大丈夫だから…


マリア:

ナディ~?リオ~?どこなの?

…あっ、ここにいたのね?

ダメじゃない勝手にいなくなっちゃ…ハッ!!(遺体を見つける)


ナディ:(泣きながら)

マリア先生っ!どうしよう!どうしよう!


マリア:

この人は…この間も来た借金取りの…。


ナディ:

このおじさん急に動かなくなっちゃったの!

ねぇ!どうしちゃったの?!


リオ:

ぼ、僕、が…


マリア:

…っ!リオ、手に持ってるナイフを貸しなさい!ほらっ!


ナディ:

お兄ちゃん!そんなもの早く捨ててっ!!


リオ:

あ、あれ…?

指が、握ったまま硬直しちゃって…動かないっ!

イヤだ!先生、助けてっ!!


マリア:

大丈夫よ。落ち着くの。


リオ:

うぅ…雨が…雨が頭の中でも降ってるみたいに、すごくウルサイんです…っ!


マリア:

…雨は敵じゃないわ。全て洗い流してくれる恵みの雨よ。

神様が降らせてくださったの。


ナディ:

神様が…?


マリア:

そうよ。

この忌々しい男の血も、私たちの足跡も、全部消して下さる。


リオ:

あ…あ…


マリア:

後の事は全て私に任せて。いいわね?


リオ:

で、でも…


マリア:

部屋に戻って服を着替えなさい。

そしてお祈りをして二人で一緒に眠るの。

…いい?


ナディ:

お兄ちゃん…


マリア:(強めに)

さぁ行って!!


リオ:

…ッ!!

い、行くよナディ…走るんだっ…!


ナディ

うん…!



(BGM:雨の音 終了)






リオN:

あの後、僕ら兄妹はマリア先生の言う通りにし、二人抱き合って泥のように眠った。

朝起きると、脱ぎ捨てたはずの服は無くなっていて、マリア先生はいつもの優しい笑顔で「おはよう」と僕たちに笑いかけた。

昨晩のことが嘘だったかのように、空には爽やかな青空が広がっていた。


ナディ:

お兄ちゃん、昨日恐い夢みたの…。


リオ:

え?…どんな?


ナディ:

んーと…すごい雨が降ってて…お兄ちゃんがいて…

あれ?あとなんだっけ?

何か恐いことがあったような…


リオ:

お、お化けでも出てきたんじゃないか?

え、と、お前がいつもニンジン嫌いっていうから、ニンジンお化けが!


ナディ:

ニンジンお化け?!やだやだ~っ!!


マリア:

あらあら。

ニンジンお化けはね、きちんと食べられるようになったら出てこなくなるわよ?


ナディ:

だって、ニンジンって変な味がするの…。


マリア:

それじゃあ今日は一緒にニンジンのパウンドケーキを作りましょう!

とってもおいしいのよ?


ナディ:

ケーキ?!食べたーい!!


マリア:

うふふ。決まりね!


ナディ:

ケーキ!ケーキ!

…あっ!(人とぶつかる)


ヨウム:

おっと…そんなに はしゃいだら あぶないよ?


マリア:

ヨウムさん、おはようございます。

すみません、大丈夫でした?


ヨウム:

えぇ すこし バケツの水が こぼれただけですので


ナディ:

ヨウムさん、ごめんなさい!


ヨウム:

いいんだよ こどもは げんきで なくちゃ


リオN:

ヨウムさんはこの教会のいわゆる用務員さんで、

皆そう呼んでいるから本当の名前を僕は知らない。

物静かで優しい人だけれど、頭にある大きな傷のせいで、難しいことや早口で喋られるのが苦手だと言っていた。


ヨウム:

リオくん だいじょうぶかい? 

かおいろが わるいみたいだ


ナディ:

お兄ちゃん、食欲がないんだって~。


マリア:

そうだわ!

ヨウムさん、掃除は後でいいから、ナディを食堂へ連れて行って一緒に朝ごはんを食べてもらえないかしら?


ヨウム:

それは いいですけど…


マリア:

リオは、私の部屋に来て?

食欲がない時にはとっておきのものがあるの。


リオ:

あ、はい…。

ヨウムさん、すみません、迷惑では…?


ヨウム:

ぼくは うれしいよ 

あさごはんは そうじがおわったら ひとりでたべてるから


ナディ:

早く行こうっ!ヨウムさん!

ナディ、お腹すいちゃった!


ヨウム:

わかったよ はしっちゃだめだよ 

ころんだらあぶないから


マリア:

さぁ。私たちも行きましょう。





リオN:

マリア先生の部屋に入ると、先生はとてもいい香りのするお茶を入れてくれた。

僕は1つしかない机の椅子に腰掛け、先生はベッドに座った。


マリア:

リラックス出来るから飲んでみて。


リオ:

ありがとうございます…。


マリア:

昨夜のこと、ナディは覚えていないみたいね。


リオ:

昨日のことは恐い夢だったと勘違いしているみたいだったから、ニンジンお化けだなんてとっさに嘘を…。

ごめんなさい。


マリア:

いいのよ。その方がいいわ。

ナディの心を守るための嘘だもの。

毎日お祈りしなさい。きっと神様も許してくださるわ。


リオ:

…は、い…。


マリア:

でもその代わり、あなたがナディの分まで秘密を背負わなければならないわ。


リオ:

…っ…。


マリア:

でも安心して。

私も一緒に背負うわ。大丈夫よ。


リオ:

あの…アイツの死体は…


マリア:

ダメ。…それ以上言ってはダメよ。


リオ:

でも僕が刺したんです…

アイツ妹を連れて行こうとして!

あんな小さな子を、汚らわしい目で見たんですっ!!あんなヤツ人間じゃない…!!


マリア:

しーっ。

…あなたはいま、岐路(きろ)に立っているのよ。


リオ:

…岐路?


マリア:

ご両親が借金を残して自害されたことで、

憎いと思う気持ちがあなたの心に悪魔を生んだ。

その悪魔が、昨晩顔を出してしまったの。


リオ:

悪魔だなんて…!

妹を守るためだったんです!!しょうがなかったんだ…っ!


マリア:

本当に刺すことしか選択肢はなかった?

…大人を呼びに行く手もあったし、何かで殴って気絶させたって良かった。


リオ:

それはっ…。


マリア:

悪魔は選択肢を狭(せば)めてくるの。

生きるか、死ぬか、殺すか、殺されるか…。

あなたを極端な選択で追いつめて自滅への道へ導いてくるのよ。


リオ:

僕の心に、悪魔が…?


マリア:

でも昨晩のことは、神様もお許しになって雨を降らせて下さった…。

だからこれ以上邪悪な心に身を委ねてはダメ。

ほら、お茶を飲んで?冷めてしまうわ。


リオ:

…コクン…。

なんだか、不思議な味がする…。


マリア:

ふふ、私が特製にブレンドしたものなの。

心がざわついたらいつでも来て。いい?


リオ:

わかり、ました…。


マリア:

さぁ、ナディの様子を見に行きましょう。







[食堂にて]


ナディ:

うぅ…ニンジン…ヨウムさん食べてくれる?


ヨウム:

じぶんでたべないと いみがないよ?


ナディ:

今日ニンジンのケーキを作るから!

そっちで食べるの!


ヨウム:

はは そうか 

でも こんどからは すこしずつでも たべないといけないよ?


ナディ:

はーい!

ヨウムさんは嫌いな食べ物はなぁに?


ヨウム:

ないよ 

ここに くるまえは ムシだって たべてた


ナディ:

えぇ!?やだぁ!虫ぃ?!


ヨウム:

ふんそう(紛争)って わかるかな?

たべものが なにもないところに いたんだ


ナディ:

1つもなかったの?


ヨウム:

そうだよ 

あのときニンジンがあったら どんなにうれしかったか

マリアせんせいに ひろってもらってからは ほんとうに てんごくのようだよ


ナディ:

そうなんだ…。

ニンジン、少しだけ食べてみようかなぁ…。


ヨウム:

えらいね 

それじゃあ ちいさいのを たべてみよう? あーんして?


ナディ:

あーん…パクっ!

…んん…やっぱり変な味ぃ。


ヨウム:

はは もうすこし おおきくなったら きっと ニンジンのおいしさが わかるようになるよ


ナディ:

うぅー…。ナディ、子供じゃないもん!


リオ:

…すごいじゃないか!

ニンジンを食べられたのか?


ナディ:

あ、お兄ちゃん!

うん、食べたよ!えらい?!


リオ:

あぁ、えらい!どういう風の吹き回しだ?


ナディ:

えっと、…“オトナ”になったんだよ!

もうナディ子供じゃないもん!


リオ:

なんだよそれ(苦笑)


マリア:

ヨウムさん、子供たちの扱いが上手いのね。

掃除だけじゃなくて、もっと子供たちと触れ合って欲しいわ。


ヨウム:

いえ ぼくは じも かけませんし 

おしえられることなんて なにも


マリア:

子供たちに教えるべきことは何も読み書きだけではないわ。

もっと大切なことがある。そうでしょ?


ヨウム:

そうですね 

ぼくももっと こどもたちと はなしがしたいです


ナディ:

ナディももっとヨウムさんとお喋りしたーいっ!


マリア:

ふふ。…そうだわ、忘れるところだった!

ヨウムさん、手が空いた時に、花の種を買ってきてくださる?


ヨウム:

…ッ…(ビクッとする)


マリア:

いろんな色の花がいいわ!お願い出来る?


ヨウム:(多少動揺しているような感じで)

ですが もう おもてのかだんには

やさいのタネを うえてしまいました


マリア:

えぇ。でも 『イイ場所』 があるの。

知っているでしょ?


ヨウム:

……


ナディ:

お花?!ピンクのお花がいいなぁ!

でも白も好きだし、黄色も好きっ!


マリア:

うふふ。

…ヨウムさん、お願いね?


ヨウム:(歯切れ悪く)

は い


マリア:

今日はニンジンのケーキを作るから、

種は週末にみんなで植えましょう。


ナディ:

ナディも植えるーっ!


マリア:

えぇ。

…きっと、とても綺麗な花が咲き乱れるわ…。





(間)





リオN:

両親の首吊りを目の当たりにしてから、神などいないのだと思っていた。

でもマリア先生が言ったとおり、

神の身業(みわざ)のごとく、雨は昨日の痕跡を全て消し去った。

それから僕は、悪夢を見てナイフの感触を思い出すたびにマリア先生の部屋を訪れ、救いを求めた。


マリア:

何度も夢に見るという事は、あなたが優しい証拠。あの男を悪魔のようだと言いながらも、本当は同じ人間なのだと認めていた証拠なのよ。


リオ:

あんな酷いヤツ…同じ人間だなんて…。


マリア:

あなたの両親もギャンブルに狂って良い人間だとは言えなかったわ。

でもあなたや妹のナディはどう?兄妹想いの優しい人間だわ。

あの男だってそう。

私たちが知らないだけで、彼が失踪したことを悲しんでいる奥さんや子供がいたかもしれない。


リオ:

それは…。


マリア:

あの男は天罰で死んだの。

でも残る罪悪感は、男と関わりのあった優しい人々に向けられたものだわ。

だから素直に悲しんでいいのよ。


リオN:

涙を流すことで、次第に僕の心は平静を取り戻してきた。

あれから1ヶ月が経過しても、マリア先生の慈悲深い顔をみていると、

男の遺体がどこに消えたのかは聞く事が出来なかった。

いや、正確には聞かなくても分かっていたのだ。

…ただ、気付かないフリをしていた。




ナディ:

お兄ちゃん見て!

皆で植えたお花すごいね!たくさん咲いたよ!


リオ:

そうだな…。


ナディ:

教会の裏で影になってたし、今まで何も植えてなかったのもったいなかったね!


リオ:

そう、だな…。


ナディ:

ねぇお兄ちゃん、ちゃんと聞いてるー?


リオ:

き、聞いてるよ。


ヨウム:

ナディちゃんが いっしょうけんめい おみずを あげたおかげじゃないかな


ナディ:

うんっ!こんなに育つならここにもお野菜植えようよ!


リオ:(言い方強く) 

ダメだっっっ!!!


ナディ:

ひゃっ…なんで怒るの?

お兄ちゃんこわいぃ…ぐすっ


リオ:

あっ…ごめん、別に怒ったわけじゃ…


ヨウム:

… ナディちゃん おもてのかだんにも おみず やってきてもらってもいいかな?


ナディ:

ぐすん…なんで?


ヨウム:

ナディちゃんがおみずをあげると せいちょうがはやいって 

マリアせんせいも いっていたからだよ


ナディ:

ほんと?わかった!お水あげてくるー!


ヨウム:

ありがとう 

あっ はしらなくていいからね ころばないように


ナディ:

はーいっ!



ヨウム:

… リオくん キミは しっているんだね


リオ:

な、なんのこと?


ヨウム:

ひあたりもわるく たがやされてもいなかった このばしょに 

どうしてはなが さきみだれるのかを


リオ:

ヨウムさん…あなたも知って…?


ヨウム:

ここには はなしか うえてはいけない


リオ:

…ここに、アイツが…?


ヨウム:

しーっ

このことは くちにだしてはいけない


リオ:

アイツの上で、こんなに綺麗に花が咲くなんてっ!

…くそっ!こんな花…っ!!(花壇を荒らそうとする)


ヨウム:

リオくん はなをよくみて はなたちに つみはない 

いのちは つながっているんだよ


リオ:

…ふ…うぅっ…(静かに泣く)





(間)





リオN:

1年後、僕は妹を残し、教会を出て独り立ちした。

仕事は肉体労働で大変ではあったが、

雇い主が人格者で、とても良くしてくれた。

1年間しっかりとお金を貯めて、妹を引き取る準備がそろそろ出来ると思えてきたある日、知らせは突然やってきた。




ヨウム:

ひさしぶりだね リオくん すっかりたくましくなって


リオ:

…マリア先生が亡くなったというのは、本当なんですか?!


ヨウム:

… 3かげつまえに びょうきがみつかったんだ

もう どうにもならないじょうたいだった


リオ:

それでも…!

教えてもらっていたらお見舞いに来れたのに!


ヨウム:

マリアせんせいが キミにはしらせないでほしいと いったんだ


リオ:

そんな…どうして…


ヨウム:

じぶんがしんだら キミに あのひの しんじつを つたえてほしい といわれた


リオ

あの、日の…


ヨウム:

きょうかいのうらの いま はながうえてあるばしょには 

しゃっきんとりの おとこが ねむっている

ぼくが マリアせんせいにたのまれて あなを ほったんだ


リオ

…っ!






(BGM:雨の音)


マリア:

野犬が嗅ぎつけてしまうから、深く掘ってちょうだい…


ヨウムN:

ぼくは むちゅうで あなをほった 

ふかくほって あなをでると

マリアせんせいは おとこのにくを 

こまかく こまかく きっていた


マリア:

この辺りはずっと手付かずだったから、

こうして細かくしてから土と混ぜれば、きっといい肥料になるわ。


ヨウム:

マリ ア せんせい なんて こと を


マリア:(穏やかに)

この男は悪魔のようだったけれど、それでも間違いなくひとつの命だったわ。

だから、ここに花でも植えましょう。

命を繋げるの。

魂が浄化されて、いつか輪廻の輪に戻れるように。



(BGM:雨の音 終了)






ヨウム:

あのときの マリアせんせいのかおは ほんとうに じひぶかかった

いくあてのない ぼくを ひろってくれたときと おなじかおだったよ


リオ:

…僕は、どうすれば…。


ヨウム:

それは…


ナディ:

お兄ちゃん!お帰りなさいっ!


リオ:

あぁ、ナディ、たった1年なのに大きくなったな!


ナディ:

うふふ。もうニンジンだって何だって食べられるんだから!


リオ:

そうか…それは、すごいな…。


ナディ:

全部全部マリア先生のおかげ!


リオ:

お前は先生の死に目に立ち会ったのか?


ナディ:

うん…。マリア先生、最後まで苦しい顔なんてしなかった。

ずっと微笑んで…お兄ちゃんのことも最後まで心配してたんだよ。


リオ:

うん…。


ナディ:

これ、マリア先生からお兄ちゃんにって…。


リオ:

手紙?


ナディ:

うん、先生みんなにお手紙書いてたの。

私が配るのを任されたんだよっ!


リオ:

そうか、ありがとう。


ナディ:

あのね、お兄ちゃん…。

私もマリア先生からお手紙もらったんだけど…。


リオ:

ん?


ナディ:

え、っと…

…ううん!やっぱりなんでもない!

お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん…!

これからは、私がお兄ちゃんのこと守るからねっ!


リオ:

…?どうしたんだ?急に。


ナディ:

えへへ、こっちの話!

お茶くらい飲んでいくでしょ?

私準備してくるから来てね!

ヨウムさんもお掃除は一旦お休みして一緒に休憩しよう?


ヨウム:

ありがとう たすかるよ


ナディ:

マリア先生からの手紙!ちゃんと読んでね〜!


リオ:

はいはい、わかったよ。


(ナディ、去る)




(SE:紙を広げる音)


リオ:

『 リオへ… 』


マリア:

『 あなたの罪が消える事はない。

でもあなたなら、きっと大丈夫。

花を見て。

命は繋がっている。

どんな形であれ。


P.S. 私は天国と地獄、どちらに行くと思う? 』



リオ:

マリア先生…。


ヨウム:

なにか おちたよ?

これは…


リオ:

栞(しおり)?

…押し花だ。


ヨウム:

このはなは …!!

あのばしょで そだてた はなだ


リオ:

『命は繋がっている』

…う、うぅ…(泣く) 


ヨウム:

とても きれいだ …


リオ:

うん…きれいだね…とても…っ





(間)





リオN:

男の死体をバラバラにしたマリア先生。


僕と妹を救ったマリア先生。


…彼女が、天国と地獄、どちらに行くのかは


神のみぞ知る。







END.


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作者レイフロ

Twitter:@nana75927107