ピストバイク ヴィンテージカスタムについて初めて気づいた5の共通点 オススメなピスト紹介付き!
ピストバイクカスタムの方向性
ピストバイクは自由な乗り物です。
本来の”ピストバイク”は、「ノーブレーキ」「固定ギア」の競技専用車両を指します。”トラックバイク”とも言います。
ただし、このブログではいわゆる”フリーギア・シングルスピード”の自転車も”ピスト”として取り扱います。
ちょっと前までは「フリーギアはピストじゃない!」なんて風潮もありましたが、もはや世間的には[”ドロップハンドル”で”変速なし”の”細い自転車” = “ピストバイク”]の方程式が成り立ちます。
よって、ピストバイクはこれまで以上にカスタムの方向性が広がりましたし、明らかにピスト人口は増えてきています。
それだけにカスタムの方向性は十人十色。いろいろなカスタムがあっていいと思うし、自由に楽しむことができます。
さてピストカスタムをするにあたり、”方向性”を定めると満足度の高い仕上がりに近づくことができるのは以前も記載しました。
この辺はある種ロードバイクにも通じるところです。グラベル、エアロ、エンデュランス、TT、などなど。
ピストでしたいことは何か。どんな風に乗りたいのか。
- 競技場やサーキットで早く走りたいのか
- トリック仕様で遊べるピストにしたいのか
- 街乗り用としてラフに足代わりにしたいのか
- 最近トレンドのトラクロ(ピストでダートを走る)みたく、タフなピストにしたいのか
これらを念頭に置くと、自然にフレームも決まりますしパーツの選択もスムーズです。
上記の全部を試したいなら、サーリーの”スチームローラー”とかMASHの”MASH STEEL”を選べば外れないでしょう。パーツ次第でどのジャンルにも近づけられます。
幅広いカスタムが楽しめるサーリーのスチームローラー
このように「カスタム」と言っても単純にパーツを変えるだけではなく、「方向性のあるモノづくり」を考えると、自然に統一感のある一台に仕上がっていきます。
そして今日紹介したいカスタムの方向性は、これらのいずれにも当てはまりません。
ヴィンテージカスタムのススメ。
今回はこれです。
カスタムベースとしてオススメのピストも紹介いたします。
ピストバイクのヴィンテージカスタム
まずは画像をごらんください。
これは、ガチのヴィンテージピストです。100年前のピスト。
ハンドルとかはいろいろいじられてますが、フレームやクランクに加え、反射板などのアッセンブルされた小物パーツ含め、本当に当時物です。
そしてこちら。
フランスの自転車工房ALEX SiNGER(アレックスサンジェ)のピスト。
上記二点の画像[IN THE LIFE]様のWEBサイトより抜粋
https://inthelife.club/a21467/
いずれもヴィンテージ感ただよう(というか本当にヴィンテージの)大人顔ピストバイクです。
ただ”速く走るため”とか、”ラフに街乗りするため”などでなく、こだわり感が強い一台に写りませんか?
ヴィンテージカスタムをあえてジャンル分けするなら、”趣味色の強いファッション寄りカスタム”とでもいいましょうか。
ヴィンテージカスタム”5つ”の共通点
先の画像のいずれに、いくつかの共通点があります。
ヴィンテージピストの共通点、それは・・
1:フレーム
いずれも”鉄”の”ホリゾンタル”フレームです。
NJS(競輪)ピストにも見られる特徴ですね。この手のフレームは自転車のスタンダードであり今なお人気を集めます。
いわゆる「ピストバイク」といえば、このフレームを想像する人が多いとおもいます。
言わずと知れた「フジフェザー」も、この特徴を持つフレームですね。
いわゆるストリートピストといえば
!"フジフェザー"
過去記事:フジの「フェザー」 | Fuji FEATHER
2:レザーサドル
サドルは、何気に自転車の印象をおおきく決定づけるパーツであります。
自転車店で売られているシティサイクルやクロスバイクを想像してください。
その自転車についているサドルが、薄くてしなりのありそうなスポーツサドルなら走りを意識した車体に見えるでしょう。
反対に、レザーの重厚な質感のサドルが付いていれば、大きく印象が変わるはずです。
ヴィンテージ感を出したいならレザーサドルはマストです。使い込むほど味が出る。
ヴィンテージのレザー製品といえば、アパレルの世界でもやっぱり人気は衰えません。
いぶし銀なレザーサドルは是非試す価値があります。
レザーサドルの定番にして名作。イギリスの名門サドルといえば「BROOKS」。
その他"レザーサドル"に関する [ 過去記事 ]はこちら
3:フェンダー
雨よけ・泥除けとしてフェンダーを装着するのは、一般的には軽快車。ママチャリやシティサイクルがメインです。
ランドナーとかにも装着しますね。
「ピストにフェンダー??」となる人も多いとおもいます。
シンプルが売りのピストにわざわざパーツを装着するなんて・・と思いきや、意外に違和感はないものです。
フェンダーを装着するだけで一気に渋みが増すのも事実。
金属製のフルフェンダーを装着することでガラリと見た目も変わります。基本的にこの手のフェンダーはがっつりボルト止めすることになるので、パーツが完全に自転車の一部になり、後付感も減ります。
ところで、プラスチック製の簡易式フェンダーでもフェンダーとしての機能は十分まかなえます。こちらの場合、見た目はストリートよりになりますね。
さっと取り付けてさっと外せるのがメリットです。
こちらについても以前[過去ログ]に記載してます
4:ペダル
足元のペダルは伝統的な「トゥクリップ&ストラップ」。
鉄とレザーで構成された足元は、自転車好きでなくても「おっ?」となるでしょう。競輪ピストのペダルもこの仕様です。伝統的な組み合わせ。
過去記事:ピストのペダルといえば | やっぱり三ヶ島(ミカシマ)!
コーディネートと同じく、ちょっとコストがかかってもこだわるべきなのは「おしゃれは足元から」でしょうか。
5:ホイール
何と言っても”スポーク組のホイール”は自転車の元祖であり、かつバリバリの現役です。
比較的安価で手に入りやすいのもポイントです。デメリットとしては[重量]でしょうか。
どうしてもカーボンなどのホイールに対して重くはなりますが、リムとハブの組み合わせも自由に楽しめて、クラシカルな印象にも寄せられます。
画像は"Kinoの自転車日記"様より抜粋
薄いリムとスモールフランジハブの組み合わせは定番クラシカルホイールの鉄板コーデでしょう。
ヴィンテージカスタムにオススメのピストブランド”7選”
MASH STEEL(マッシュ・スチール)
BlueLug様のブログより抜粋:https://bluelug.com/blog/online-store/94669/
サンフランシスコのピストクルー集団といえば、あの有名な「MASH」。
彼らがリリースしたフレームが[MASH STEEL(マッシュ・スチール)]。
国内の取扱店としては「BlueLug(ブルーラグ)」が高名でしょうか。
何と言っても高い拡張性が特徴で、幅広いカスタムに対応します。
太めのタイヤも入るし、フレームにダボ穴(ラックやボトルマウントを取り付けるための穴)が要所要所に開けられているため、ライフスタイルにあったカスタムが実現されます。
シンプルなシルエットに、細身のホリゾンタルかつクロモリフレームは、レザーパーツやヴィンテージパーツとの相性も抜群。
カスタムベースとしても注目を集めるピストフレームです。
Surly STEAMROLLER(サーリー・スチームローラー)
幅広いカスタムに対応するピストフレームの元祖といえば、やはり「サーリー・スチームローラー」でしょう。
先のマッシュ・スチールと同じく、ダボ穴が多数用意されており、実際にヴィンテージ系カスタムを実践する多数のユーザーが選んでいる、名作フレーム。
寝かせ気味のシートポストはリラックスした安定感ある乗車ポジションを作り出し、クロモリの乗り心地の良さを引き出します。初心者から玄人まで、長く人気を獲得するピストフレーム。
また、ここ数年はフレームパイプの内側に防錆処理が施されており、長い使用をみこした作りとなっています。
まず選んで"間違いなし"と言えるでしょう。
AllCity BigBlock(オールシティ・ビッグブロック)
DINER様のブログより抜粋:https://diner-tokyo.com/blog/post/allcitybigblockbrookscustom
サーリーのスチームローラーと比較検討されることも多い、[オールシティ・ビッグブロック]。
こちらもやはり癖のないシルエットで、様々なスタイルにチャレンジできる名作ピストフレームです。
フレームに入ったブランドロゴもセンスが現れています。主張しすぎず美しいフォント。
そして、画像の通りレザーアイテムとの相性も抜群です。
シンプルにシルバー系パーツでまとめてクラシカルに乗るもよし。
NJS(競輪)ピストのように、ドロップハンドルでレーシーに仕上げるもよし。
乗り手のセンスが現れる、試される一台です。
AffinityCycle MetroPolitan(アフィニティサイクル・メトロポリタン)
BROTURES OSAKA 様のブログより抜粋:https://brotures.com/93178
以前の記事[映画とピスト。ボロボロ具合が最高にかっこいい!「プレミアムラッシュ」の鉄ピスト]でも紹介しました、アフィニティサイクルの[メトロポリタン]。
シートチューブに施されたデザインが特徴的ですが、意外にもヴィンテージ系スタイルとの相性もGOOD◎。
競輪をオマージュしたかのような全体のホリゾンタルシルエットとフォークのデザインなどは、伝統的なピストフレームの特徴を取り入れており、その繊細なディティールがどんなスタイルも受け入れてくれます。
ボロボロに乗り倒してくたびれてきたときこそ、真にかっこよさを発揮する。
そんな一台です。
Fuji FEATHER(フジ・フェザー)
このブログでも幾度となく取り上げてきました。
おなじみのピスト、[フジ・フェザー]。
説明不要、不朽の名作です。
フェザーはカスタム愛好家の中でも人気が高く、画像検索すると様々な作例を見ることができます。
元祖ストリート系ピストとして、一大ムーブメントの中で地位を確立した一台。
お求め安い価格とカラー展開。幅広いユーザーに応える豊富なフレームサイズの展開は、初心者にはもちろん、カスタムベースとして2台目に選ぶ人が多いのも納得です。
CARTEL BIKES AVENUE(カーテルバイクス・アヴェニュー)
CARTEL BIKES公式ページより抜粋:http://cartelbike.com/?pid=89747372
フジフェザーと同じく、クラシカルなスレッドステムにピュアホリゾンタルの[カーテルバイクス]。
クロモリのプレーン菅(厚みが均一なパイプ)で作られていて、重量こそ若干重めですが、その代わり頑丈。
街乗りとして毎日乗るにはタフさも必要です。初めてのピストにもオススメな一台。
完成車ですぐに乗り出せるのもポイントです。
はじめのうちは完成車で乗り、だんだんとパーツを変えて自分好みにカスタムしていくのが楽しい一台。
「カスタムにも興味あるけど、まずは乗りたい!」
そんなユーザーの声に答えたピストです。
Cinelli GAZZETTA(チネリ・ガゼッタ)
Cineli Iwaisyokai様のサイトより抜粋:https://www.cinelli-iwaishokai.com/bikes-frames
名門ブランド"チネリ"の、イタリアンなクロモリピストといえば!
非常に人気の高い[ガゼッタ]は外せません。
シートポストにデザインされた星のモチーフや、ハイセンスなフラフィックもポイント。
おしゃれなピスト、クラシカルなルックスを求めるならば、是非候補に入れるべきピストです。
リリースごとにカラー展開は変わるので、欲しいと思ったら是非手に入れましょう!
シンプルなシルエットを生かしてピュアなピストとして組むもよし。ゆったりしたライザーバーやプロムナードハンドルで、コミュータースタイルで流すもよし。
ストリートにも馴染む、名作ピストの一つです。
現行で手に入りやすくヴィンテージカスタムとの相性がいいのはこの辺りです。
あるいは中古の競輪フレームをカスタムベースにするのもいいでしょう。
そういえば以前アフィニティサイクルがヴィンテージ感あふれる限定モデルを出してました。
HOW I ROLL(ハウアイロール)も正統派クロモリピストの完成車をリリースしましたし、これからのピストトレンドはヴィンテージ/クラシック路線が来る!
・・・の、かもしれません。
最後にこちらです。
まあ、ここまでくると世界遺産レベルです笑
以前訪れたオーストラリアのケアンズで。
なぜか山中のカフェの軒先に置かれていた笑
フロントホイールを直接ペダリングする。ある種究極の"固定ギア"
miki