ボードゲームレビュー: ミステリウム
某所のボドゲ会で最近話題のミステリウムをプレイしてきました。
ミステリウムは、幽霊役1人と他霊能者に分かれ、幽霊の身に起きた事件の真相を暴く非対称の協力ゲームです。幽霊はしゃべることができず、”幻視”と呼ばれる能力を使って霊能者たちに事件の真相を伝えます。制限ターン内に事件の真相を暴くことができれば目的達成、できなかったら失敗です。
ストーリー
親族から受け継いだ、古き屋敷に引っ越した霊能者のあなたの身に、日々あなた自身が持つ霊能力を引き金として様々な錯覚が生じます。そう、この屋敷ではかつて恐ろしい事件が起こり、その被害者である幽霊が、あなたに事件の真相を伝えようとしているのです。
あなたは、この幽霊に平穏をもたらすために、仲間の霊能者とともに事件の真相を暴く降霊会を主催します。
しかし、我々霊能者に残された時間は多くありません。我々は幽霊と互いに協力し合い、なんとかして時間内に事件の真相を暴くのです!
参考: ホビージャパン, ミステリウム リンク
ゲーム概要
このゲームは、幽霊1人と霊能者に分かれ、協力して事件の真相を暴く非対称の協力型推理ゲームです。
- ジャンル: 推理ゲーム
- プレイ人数: 2~7人
- プレイ時間目安: 50分
ゲームは2つのステージからなります。第1ステージでは、各霊能者が担当する容疑者、事件現場、凶器を推理します。このステージを7ターン以内に全員がクリアできないと、第2ステージへは進めません。第2ステージでは、第1ステージの結果を受けて事件の真相がどうだったのかを推理します。幽霊の意図を汲み取り、事件の真相を暴くことができたらゲームの目的達成です。
第1ステージ
霊能者はあらかじめ、容疑者、事件が起こったと思われる犯行現場、事件に使われたと考えられる凶器の候補が知らされています。これらはそれぞれダミーを2つずつ含んでいます。ゲーム開始前に、幽霊は各霊能者にこの3種1組を重複しないように割り当てておきます。
開始状態はこんな感じ。幽霊1人、霊能者6人の7人でプレイしました。
霊能者が6人なので、ダミーを含めて8枚ずつ、3箇所にカードが仕切られていることがわかります。これらが、それぞれ容疑者、犯行現場、凶器の候補になります。
このステージの目的は、霊能者全員が、割り当てられた容疑者、犯行現場、凶器の3種1組を推理することです。誰か1人でも目的を達成できないと、このステージの目的を果たすことができず、ゲームは失敗となってしまいます。
ゲーム中、幽霊はしゃべることができません。しゃべれないので幽霊は、”幻視”という能力を使って、霊能者1人1人と交信します。幻視とは、その霊能者の担当する容疑者・犯行現場・凶器を連想するような絵のカードを送りつけることを言います。
霊能者たちは、自分の担当容疑者の推理から行います。まず、幻視によって容疑者を連想する絵が送られてくるので、他の霊能者と話し合いながら自分の担当する容疑者を推理します。推理したら、担当する容疑者だと思う人の上に自分の水晶のマーカーを置きます。この推理には制限時間もあるので、気をつけなければなりません。全員がマーカーを置いたら答え合わせです。推理が当たると、次の犯行現場を推理する段階へと進むことができます。
上の画像では、青以外のプレイヤーが見事自分の担当容疑者を当て、犯行現場の推理へ進んだ様子を表しています。当てたカードは自身の持つカードポケットに入れて管理します(中央下参照)。1ターンでここまで進めることはなかなかないそうです!
当てることができなかった場合、幻視で送られてきたカードはヒントとして残り、次のターンに送られてくるカードと合わせて推理することができます(左上参照)。
容疑者から犯行現場、犯行現場から凶器へと進むにつれ、特徴が少なくなるので、推理が難しくなっていきます。なので、7ターンですべて当てるのは割と難しいです。それでも、なるべくテンポよく進むプレイヤーがいて、候補の数を先攻して減らしておいてくれると楽になります。
このゲームでは、7ターン目いっぱいかけて第1ステージをクリアすることができました。
第2ステージ
第1ステージをクリアすると、いよいよ事件の真相に迫ることになります。幽霊は、自分を殺した犯人を、第1ステージ同様に幻視の能力を使って伝えてきます。カードによるヒントが最大3枚与えられます。
3枚のカードは、それぞれ、誰か1人が担当した容疑者・犯行現場・凶器の3種1組のいずれかを表しています。霊能者たちは、これらのヒントから事件の真相を個々に推理し、最後の投票で容疑者の中から犯人1人を決めます。もっとも投票の多かった容疑者が実際に犯人だった場合、ゲームの目的達成になります。
このゲームでは、上記の3枚のカードがヒントとして与えられました。これをみて、4人が2番の容疑者を犯人と推理し、ゲームのジャッジとなりました。結果、見事真犯人を突き止めることができ、ゲームの目的達成となりました!
見事な幽霊&霊能者の連携プレイでした。
プレイ感想
ちょうど推理ゲームとdixitを組み合わせたようなゲームをしています。初見プレイはちょっと戸惑いますが、理解してしまえば極々簡単です。
このゲームの面白さは、自分の考えていることがなかなか伝わらないというもどかしさと、逆にうまく伝わったときの気持ち良さにあると思います。絵が非常に抽象的なので、こじつければ何にでも連想できてしまいます。それでも、「幽霊がこの人ならきっとこんな風に考えるんじゃないか」と推理をして、実際に当たる/当たらないがとても面白いです。
まとめ
ミステリウムは初めてプレイする推理ゲームでした。推理ゲームというと少し時間のかかるイメージを持っていたのですが、思ったより軽い、短いゲームでした。そのような短い中でも、絵柄からその人がどういう意図を持ってこの絵柄を送ってきたのか、ああだこうだ言いながら推理するのはおもしろかったです。万人にお勧めできるゲームです。ただし、幽霊を罵倒するのはほどほどにしておきましょう。トラウマを与えかねませんw