黄金帝国11-チュニジア攻め失敗兄弟確執
2020.03.29 11:01
レパントの英雄ドン・ファン万歳。ところが英雄と義兄国王との関係はギクシャクしてくるのである。1572年アルバニアがドン・ファンを王として迎えたいと言ってきたが、フェリペは許さなかった。そしてチュニジアにあるラ・ゴレータ大要塞の攻撃を命じた。
ドン・ファンは義兄に認めてもらうべく船団を率いて出撃する。このときフェリペは、要塞を占領して破壊せよと命じた。翌73年10月ドン・ファンはこの要塞の占領に成功するが、もったいないと破壊はしなかった。教皇からはチュニジア王に封じよとフェリペに言った。
ドン・ファンは守備兵1万を残してジェノバへ行った。ヴェネツィアとオスマンとの平和交渉があり、キプロスの地位がかかっていた。オスマンのセリム2世は凡庸だったが、宰相ソココル・パシャは有能である、平和交渉を長引かせつつ、艦隊を再建していた。
そして油断を見計らって230艘の大船団で一気にチュニジアの要塞を奪還してしまった。守備兵は皆殺しにされた。レパントの勝利はフイになり、オスマンはキプロスの領有が認められた。失意のドン・ファンには、義兄王との確執が残り、スペインに帰還したのである。
下はオスマンのチュニス包囲