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KANGE's log

映画「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」

2020.03.29 14:02

【バカな男どもが支配する鳥カゴから解放され、大空を自由に飛ぶ猛禽類】

公開延期作品が続出する中、予定通り公開してくれた「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」を観てきました。

「スーサイド・スクワッド」は、「悪役のチーム」という最大の魅力が発揮できていなくて残念だったのですが、ハーレイ・クインのキャラクターはインパクトがありました。

ジョーカーとハーレイ・クインをメインにした作品を作ればいいのに…と思っていたのですが、ジョーカーもいない、ハーレイ・クインの作品になりました。単独作ではなく、何人かの女性キャラクターも登場するチームモノ。そのチーム名が「BIRDS OF PREY」です。

原題は「Birds of Prey (and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)」とめちゃめちゃ長い。「Birds of Prey」とは、ワシやタカなどの「猛禽類」のこと。クラブ歌手であるキャナリーが「小鳥ちゃん」と呼ばれていたので、「鳥は鳥でも、かなり獰猛ですよ」ということですね。副題は「ハーレイ・クインの信じられないくらい素晴らしい解放」。バカな男どもが支配する鳥カゴから解放され、大空を自由に飛ぶ、勇ましいワシやタカたちのイメージなのでしょう。

時間軸的には、「スーサイド・スクワッド」の後。何があったのかは分かりませんが、ジョーカーと別れたハーレイ・クイン。これまで「ジョーカーの彼女」ということで、彼女に恨みを持っていた悪党達も報復を恐れて手を出せなかったのが、別れてしまったということで、一斉に彼女を狙いはじめます。ちょうど、ジョン・ウィックの暗殺指令が出された時と同じように、常に危険にさらされている状態です。


前半、めちゃめちゃ分かりづらいです。ハーレイ・クインの語りで話が進むので、彼女の思いつきというか、「あ、そうそう、このことも説明しておかないとね。実は…」みたいに、話が行ったり来たりします。特に、敵側の関係性や背景などが、さっぱりアタマに入ってきませんでした。そのためもあって、せっかくユアン・マクレガーを使っているのに、悪役ブラックマスクに、いまいち魅力を感じませんでした。この街でどれほどの力を持っているのかとか、シオニスとザーズの関係性とか、もっと描けるところはあったのではないかと思います。 

アクションは、なかなか楽しめました。どうしても、男性に比べるとパワーが足りないので、回転する力を使ったり、体重を乗せたり、関節を狙ったりと、とても合理的な戦い方をしているように見えました。また、後半の連係プレイ、ローラースケートアクションも楽しかったです。実際には、ローラースケートだと、踏ん張りがきかないので、格闘には不向きだとは思いますが、それは言わないお約束。赤・青のスモークや銀テープの紙吹雪のようなショックガンなど、ふざけた武器も楽しいのですが、もっともっと、カラフルでクレイジーなビジュアルで展開してもよかったんじゃないかと思います。

タイトルにもある通り、女性へのエンパワーメントがテーマではあるのでしょうが、それほど声高に叫ばれるわけでもありません。「叫ぶよりも実力行使」が彼女たちのやり方ですね。出てくる男が酷い奴ばかりではあるのですが、「女性から見れば、こんなもんだよ」ということなのかもしれません。ハーレイ・クインだって決して正しいわけではありませんし、単純に女性を持ち上げるだけの映画にはなってはいません。 

ところで、彼女は、どうやらバットマンの正体を知っているようです。どうやって知ったのでしょうか? ブルース・ウェインは、本作に出てくるような男たちとは全く違うタイプの人間です。彼女は、どう対峙するのでしょうね。今後、バットマンとのからみを期待したくなります。