#Ford #Autonomic #富士通 - モビリティの未来
Ford & Autonomicと富士通の目指すモビリティの未来とは
「 FUJITSU JOURNAL」様よりシェア、掲載。
ありがとうございます。感謝です。2020年3月25日
デジタルトランスフォーメーション(DX)はすでに様々な業種や産業で始まっています。とりわけ他産業を一歩リードしているのが、モビリティの分野です。
モビリティとは自動車だけでなく鉄道、船など移動のインフラ全てを指します。コネクテッドカーや、シェアリングサービス、電気自動車などサービス起点のビジネスモデルへの変革が「モビリティDX」です。自動車保険サービスや道路の状態管理など、移動に関連するあらゆるデータやサービスをデジタルで融合することで、より快適で安全なモビリティ社会を目指すものです。
モビリティ業界のDXを強力に推進するために
このモビリティ業界のDXを強力に推進するためには、車から得られる情報や交通状況など膨大なデータ処理を素早く柔軟に行うことができるモビリティサービスプラットフォームが必要です。そこで、富士通は米国のFord社の系列会社であるAutonomic社と、モビリティサービスプラットフォームの提供に向けて協業することを発表しました。クラウドサービスを提供するAutonomic社と、自動車業界に対して実績と経験のある富士通の技術を統合して、OEMメーカーなどに向けてモビリティDXを実践するためのインフラを提供することを目指しています。
富士通との協業にあたって、Autonomic社の共同創業者でありCEOであるGavin Sherry氏は、まず「富士通との間では信頼がありました。自働車に関する大量のデータを扱うシステムの安全性を確保するためには、信頼がとても重要であり、富士通はその点で大事なパートナーです。」としたうえで、「プラットフォームに富士通の技術を取り込むことで、自動車関連各社が持つアプリケーションやインフラの幅広いエコシステムに、より深く、より自然に統合していけるようにしていきます」と、今後の計画について語ります。
クラウドベースで、位置情報や交通状況、ユーザー属性データを一元化
Autonomic社は、クラウドベースのプラットフォームである「Transportation Mobility Cloud(TMC)」を自動車メーカーやモビリティサービス事業者に提供しています。このプラットフォームで具体的に管理しているのは、例えばコネクテッドカーから送られてくる位置情報や車両の状況、現在のルートの交通状況、ユーザーの属性などのデータで、これらのデータを整理、分析、管理しながら提供します。サービス事業者はこれらのデータを利用して、渋滞回避プログラムや遠隔でのメンテナンスサービスの提供が可能になります。
融合されたクラウドサービスは、Ford社に提供し、その後、世界中の自動車メーカーにも提供する予定です。Ford社でモビリティプラットフォームの責任者を務めるVPのRich Strader氏は、「Ford社はAutonomic社を傘下に入れましたが、これは将来的に見て、事業の基盤として安定したプラットフォームが必要だったからです。そこでは、自動車メーカーや交通サービスのプロバイダーが競争し合う領域ではないことを理解しています。誰でも利用でき、個別の車両やシェリングカ—からの情報を幅広く統合し、活用できる統一したプラットフォームは、必要不可欠な技術になります」と、クラウドサービスの重要性を強調するとともに、同サービスへの他メーカーの参加を募ります。
100万台の車両からのデータ処理も遅延しない実効性を高める技術
今回の富士通との協業では、Autonomic社のプラットフォームに、富士通研究所が開発したストリームデータ技術「Dracena(ドラセナ)」を組み合わせます。Dracenaは、サービスを停止することなく、大量のデータ処理をリアルタイムで続けながら、新たなデータ処理をプラグインとして動的に追加・変更できる技術です。Dracenaを、100万台の車両から速度・位置情報などのデータが秒ごとに送られてくるシステムに適用した場合、データ処理中に別の新しいデータ処理を追加しても、遅延増加が平均5ミリ秒以内でサービスを継続できるといった実効性を確認できています。
Dracenaを融合させることで、クラウドサービスに大量データのリアルタイム処理と無停止稼働という特長を持たせることができます。
ストレスなくサービスを楽しめるモビリティ社会を目指して
では、Autonomic社と富士通の協業で今後どのような未来が実現できるのでしょうか。
Rich氏が将来の可能性として示したのが、ストレスのない移動です。現在、世界中で人口が都市部に集中する傾向が見られます。人々が都市部に集中すれば、便利になる半面、移動の際には渋滞が起きやすくなります。移動に関するデータを管理したプラットフォームがあれば、渋滞のないルートを見つけ出して提案することができるので、「人々を移動しやすくする新たな交通エコシステムが生まれる」(Rich氏)可能性があります。
Fujitsu AmericaのVice President of Connected Automotive and Mobility であるPaul Warburton氏は、プラットフォームと将来について以下のように語ります。
「自動運転車があふれていれば、例えば、高齢者に対しても病院や買い物に自由に行ける環境を提供できます。Autonomic社とはビジョンを共有しており、そのビジョンは良い未来を創り、社会に利益をもたらすものです。プラットフォームの構築により、想像もしなかったあらゆるサービスが広がることを期待したいです」
このように、Autonomic社と富士通の技術を融合したプラットフォームは、これからモビリティの分野で新たなサービスの提供を目指すサービス業者に、スムーズでパワフルなデータ提供を可能にします。その結果、ユーザーはストレスなくサービスを享受できるようになるでしょう。そして将来的には、交通事故や高齢者の移動などの様々な社会的課題を解決できる、よりよい社会づくりに貢献していきます。
Ford社 & Autonomic社と富士通が実現するモビリティの未来
富士通株式会社(FUJITSU Japan)
デジタルトランスフォーメーション(DX)はすでに様々な業種や産業で始まっています。
とりわけ他産業を一歩リードしているのが、モビリティの分野です。
モビリティとは自動車だけでなく鉄道、船など移動のインフラ全てを指します。
コネクテッドカーや、シェアリングサービスなどMaaS(Mobility as a Service)と
呼ばれるサービス起点のビジネスモデルへの変革が「モビリティDX」です。
富士通はFord社の子会社、Autonomic社との協業し、移動に関連するあらゆるデータや
サービスをデジタルで融合することで、安全で持続可能ななモビリティ社会を目指します。