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増田勇一のmassive music life

DIR EN GREY、2006年夏・アメリカでの珍事件。

2020.03.31 00:11

3月28日のDIR EN GREY無観客ライヴ生配信当日のことは前回も書いたが、ドキュメンタリー・プログラム内の歴代マネージャーを交えての会話のなかにも出てきた『FAMILY VALUES TOUR 2006』のことについて、自分自身のための覚え書きの意味も含めて、ちょこっと補足をしておくことにする。

KORNの主宰によるこのツアーに彼らは同年8月4日から参加。DEFTONESやSTONE SOUR、FLYLEAF、10YEARSなども参加した全9組によるこのパッケージ・ツアーに5番手として登場し、ツアー自体は9月20日まで続いた。

彼らのオフィシャルサイトのタイムラインのページを見ればわかることだが、この年のスケジュールはすさまじかった。なにしろ7月31日、8月1日の両日には日本武道館公演が行なわれていて、その2日後には渡米しているのだ。だから武道館公演終了後の打ち上げもなかったし、アメリカ到着後も、彼らは空港からツアー・バスでそのまま最初の公演地であるサンアントニオへと直行。ところが出発早々、バスに連結されていたトレーラーに故障が発生して立ち往生するなどしたため会場到着が大幅に遅れ、サウンドチェックもろくにできぬまま演奏に臨むという事態になった。そのサンアントニオ公演の模様にについては、当時、音楽情報サイトBARKSにもニュース記事として掲載されている。

僕はこの『FAMILY VALUES TOUR』の全編に同行したわけではないが、序盤、中盤、終盤の3度にわたり応援部隊の一員みたいな感じで現地に飛んだ。期間が長く、しかも出演者数の多いツアーだけにさまざまな出来事があったが、なかでも印象に残っているのは、ツアー終盤のニュージャージー公演のことだ。会場は海辺にあるジョーンズ・ビーチ・シアター。アリーナ・サイズに拡大された日比谷野外大音楽堂がビーチにあるような図を想像してもらえればいいと思う。天気さえ良ければこの上なく気持ちのいい環境なのだが、問題なのはその日、現地が大型のハリケーンに見舞われたことだ。

昼間のうちは小雨と強風程度だったためライヴは普通にスタート。しかし徐々に雨が強まり、ステージ上はびしょ濡れに。BURY YOUR DEADのメンバーはあらかじめパンツいっちょでステージに立っていたし、DEADSYのキーボード奏者はタオルで鍵盤を拭きながら演奏していた。そしてショウが進んでいくうちに潮が満ちてきて客席をどんどん侵食。結果、DIR EN GREYの出演時刻を迎えるよりもずっと前に公演は中断され、そのまま中止になったのだった。

客席が水没。そんな図は想像しにくいことだろうが、証拠写真を一点掲載しておこう。もちろん僕自身、こんな体験は初めてだったし、この先もおそらくこのような光景を目にすることはないだろう。というか、二度とこんなことがありませんように。以上、2006年9月15日の出来事でした。