AIに奪われる仕事トップ10
仕事がAIにより今後奪われていくという。今日は、そのことについて書いてみます。
出典:
Cart Benedict Frey et.al. "The Future of Employment:How Susceptible are Jobs tp Computerisation?"(2013)
松尾豊:「人工知能は人間を超えるか」、角川EPUB選書
出典によると、下記の仕事がAIにより今後奪われていくという。
これは、一つの見方にすぎず、個々の業務がそうであるかどうかは異論もある。
1 電話による販売業者
2 不動産登記業務(審査/調査)
3 手縫いの洋服仕立て業
4 データ収集・加工
5 保険業
6 時計修理
7 貨物取扱
8 税務申告代行
9 フィルム写真現像
10 銀行の新規口座開設
ここで、一言でいえば、「定型的な情報処理作業がAIに奪われる」ということである。
例えば、電話販売業の類型である「世論調査」は、すでに自動合成音声によるシステムになっている。このようなテレマーケティングシステムは、20年ほど前から始まったCTI(コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション)により、すでにかなりの部分が自動化されている。
電話販売業も、消費者が買うか買わないか、どのような仕様にするかをシンプルに決められるような単純な商品は、音声やプッシュボタンでの自動応答を使えば、技術的な障壁は無い。AIを持ち出すまでもなく、従来の情報処理で可能である。
すなわち、コンピュータシステムで処理できるような定型的情報処理は、AIにとって代わられるのではなく、既に、自動化されている。
しかし、取引にともなって必要になる「コミュニケーション」はどうであろうか。商品が複雑になると、取引の前段階に高度な知性が要求される。たとえば、新製品が本当に自分の役に立つかどうか、いろいろと質問したくなるであろう。色やサイズなど様々な仕様の指定が必要なのは言うまでもない。健康食品ならば、体調の悩みを訴えたい客も多いであろう。
そのような疑問や悩みに「コミュニケーション」によって答えることは、現在のAIにはできないし、将来のAI進歩でできるようになる保障も全く無いのである。(この点については、「AIへの過剰な期待」として、今後、さまざまな観点から論じていく予定である。)
だから、私からすれば、例えば第一位の「電話販売業」ですら、人間による業務が必要な部分が多くある。そして、AIにとって代わることが技術的に可能な部分は、実は旧来の情報処理によって、すでにかなり自動化されているのである。このことに気づかないように注意深く「AIへの期待」が刷り込まれていく、そんな「AI凄い」記事が多いので、注意が必要である。
電話販売業だけに触れたが、同じことが、2位以下の業務についても、具体的に分析できる。情報処理システムの設計を考える例題にもなると思うので、学生さんには考えてみることを勧めたい。
コロナ対策で自宅待機になった(注:感染ではありません)ので、本日からブログ蓄積を始めます。テーマはいくつかありますが、まずは、最近のブームであり、仕事とも関連の深い「AI」について、書きました。
2020年3月31日