H.E.R.O. 2枚目のマスターピース登場♬
デンマークの新鋭、H.E.R.O.の2ndアルバム『BAD BLOOD』が4月1日にリリースされる。新鋭とは言ったものの、豊富な音楽活動歴を持つ3人によるこのバンドが最初のシングルを母国で発表したのは2014年のこと。1stアルバム『HUMANIC』は、まさに満を持して昨春に世に出たわけだが、それからちょうど1年という快調なペースで登場した今作は、ここ日本でも支持を集めた前作以上に大きな起伏と鮮やかなコントラストを持った作品に仕上がっている。
前作からの“Superpowers”が日本の全国FM洋楽オンエア・チャートで首位を独走したという事実にも裏付けられている通り、彼らの音楽にはいわゆるラジオ・フレンドリーなところがあるが、即座にリスナーの耳をつかむキャッチーなフックに富んでいるばかりではなく、聴き込んでいくほどに味わいが増していくような中毒性も孕んでいる。職人芸と言いたくなるほどの曲作りのスキル、透明感と力強さを併せ持ったクリストファー・スティアネの歌声、ハード・ロック然としたギター・リフとエレクトロニックな要素のブレンド具合などからも、すぐれたバランス感覚と、既成のジャンル感やセオリーに囚われることのない冒険心というか〈とにかく自分たちならではのグッド・ソングを作るんだ!〉ということへの強い執着が感じられる。
発売中のMASSIVE Vol36では、去る1月末から2月初頭にかけての来日時、彼らにとって日本での初のヘッドライニング・ショウ開催地となった大阪で行なわれたインタビューが掲載されているので、是非お読みいただきたい。メンバー3人に加え、サポート・ミュージシャンとして公演に参加したMEWのベーシスト、ヨハン・ウォーラートも同席した状態でのとても貴重なインタビューとなっている。ちなみにヨハンは『BAD BLOOD』のレコーディングにも参加していて、取材中はしばらく黙っていたのだが、終盤に客観的な立場からの発言を求めてみたところ、めちゃくちゃ説得力のある言葉が返ってきたりもして、この4人の体制が有効に機能していることも実感させられた。
MASSIVE Vol36の誌面ではモノクロでの掲載になったが、もちろん実際にはカラーで撮られたものなので、この場ではそれを紹介しておこう。すべて大阪公演の会場となった心斎橋SOMAの界隈や会場内で、僕自身が撮影したものだ。
この取材当時から2ヵ月を経た今現在は、コロナウィルス問題により全世界的に興行が実施できにくい状況になっているが、一日も早く事態が終息に向かい、次なるジャパン・ツアーが実現することを願いたいものだ。その時にはきっと、2枚のアルバムからの名曲たちをたっぷりと堪能できるはず。その時まで、じっくりと作品と向き合い、噛み砕いておこうではないか。
▼そして本日、3月31日にはツイッター上にアンディからの素敵なメッセージ動画が。
▼バンドの成り立ちや作品に関する詳しいことはこちらを参照のこと。