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安全大会を経営に活かす。建設業界の女性活躍が、安全・品質・人材定着を強くする理由

2026.01.08 12:10

こんにちは、前川由希子です。

私は組織活性化コンサルタントとして、さまざまな業界の人材育成や組織づくりを支援しています。その中でも近年、特に重要性が高まっているテーマが、建設業界における人材活用と女性活躍です。

2026年の建設業界は、人手不足の深刻化、高齢化、働き方改革への対応、DX推進など、複合的な経営課題を抱えています。

こうした状況の中で、女性活躍は「社会的要請」ではなく、経営戦略そのものとして捉える必要があります。

安全大会は、事故防止の再確認にとどまらず、

「自社の現場は、持続可能な組織になっているか」

を見直す重要な経営機会です。


■女性活躍は“多様性”ではなく“経営合理性”の話である

かつて建設業は、体力勝負の仕事が多く、男性中心で成り立ってきました。しかし現在では、ICT建機や工程管理システムの普及により、体力依存型の業務は確実に減少しています。

一方で増えているのは、

・段取り力

・安全配慮

・品質管理

・顧客視点

・周囲との調整・コミュニケーション

といった、「人の力」によって成果が左右される業務です。

これらの領域において、女性が強みを発揮している事例は少なくありません。

重要なのは「女性だから」ではなく、これまで建設業界が十分に活用できていなかった人材層をどう取り込むかという経営視点です。


■女性が入ることで現場の「安全レベル」が底上げされる

私が関わった、社員8名中6名が女性という設計・施工会社では、

・女性社員の増加に伴い、以下のような変化が起きました。
・道具や資材の整理整頓が進む
・声掛けや確認が増える
・現場の雰囲気が柔らぎ、質問や相談がしやすくなる

これらはすべて、ヒヤリハットの減少や事故防止につながる要素です。

経営者の立場から見ると、

「女性活躍=職場が明るくなる」という話以上に、

安全意識が“行動として”浸透する点が大きな価値だと言えるでしょう。

また、女性社員がいることで、職人や若手社員の振る舞いが自然と丁寧になり、
結果として現場全体の規律と協力体制が強化されるケースも多く見られます。


■品質と顧客満足度を高める「生活者視点」

住宅や店舗建設において、最終的な評価を下すのは「使う人」です。

特に住宅分野では、間取り・動線・収納・水回りなど、

生活者視点での品質が、クレーム削減や紹介受注に直結します。

女性技術者や設計者は、

・家事動線
・日常動作
・将来の使い勝手

といった点に自然と目が向きやすく、

設計段階での小さな配慮が、引き渡し後の満足度を大きく左右します。

これは、単なる「気配り」ではなく、

再工事・是正対応・評判低下といった経営リスクを減らす要素でもあります。


■採用・定着の観点から見た女性活躍の重要性

慢性的な人手不足が続く中で、
「男性だけを採用ターゲットにする」こと自体が、すでに大きな機会損失です。

しかし実際には、

・建設業界の仕事内容が十分に伝わっていない
・現場環境への不安が先行している

といった理由から、建設業に興味を持たない女性が多いのも事実です。

経営者として重要なのは、

・実際の業務内容
・働き方
・女性が活躍している実例

を、積極的に可視化し、発信していくことです。

また、すでに働いている女性社員との対話は、定着率向上と職場改善の最短ルートです。

大きな設備投資ではなく、小さな配慮が離職防止につながるケースは少なくありません。


■安全大会を「経営対話の場」にする

安全大会は、現場・管理職・経営層が同じテーマで向き合える、数少ない機会です。

・自社の現場に女性が働きやすい環境はあるか
・女性が力を発揮できている部署・現場はどこか
・それが安全・品質・定着にどう影響しているか

こうした視点で議論することで、安全大会は
未来の人材戦略を考える経営の場へと進化します。

女性活躍は目的ではありません。

安全で、質が高く、選ばれ続ける企業であるための手段です。

ぜひ、安全大会を機に、
「自社の現場は、これからの10年を支えられる組織か」
を考えてみてください。