肺2
胸が縮むと呼吸が浅くなるという話しの続きです。
簡易的に呼吸が浅くなったことを胸が縮むというような表現をしていますが、胸が縮むという意味は、筋肉の収縮を意味していない。ということを昨日書いてみました。
大胸筋の緊張一つをみてもわかるように、正常な人が胸の緊張を起こすのは、意外にも容易なことではありません。
上肢を屈曲位(肘関節と腕関節、各指の屈曲)にすると緊張しやすくなりますが、あくまでも正常な人の話です。精神的疾患を患っている人は、手を伸ばそうが縮めようが無関係に緊張しています。
つまり、精神的疾患を患っている人は、何もしていないのに、普通では緊張させにくい大胸筋の上腕部があるということです。
これは、精神的緊張だけで上肢の屈曲位と同じ状態にあるということを意味しています。つまり筋肉や関節の位置にかかわりなく緊張しているということです。
精神的な緊張が継続したり、断続的でも頻繁にあると、手が伸展位にあっても脳からの信号は、上肢全ての筋肉や皮膚に緊張した状態の信号が流れ続けます。つまり脳からの信号は、常に緊張しなさいという誤作動を起こす信号が流れる訳です。
この状態は筋肉が緊張せずに硬くなるという状態だと言えます。この違いを理解していないとターゲットを見失うということです。専門家の方は、この意味をよく理解する必要があります。
例えば大胸筋の上腕に近いところを触りながら、「新型コロナウィルスに罹ったらどうしよう」とか「政府が悪い」「中国がこんなウィルスを発症させたからだ~」「このままだと生活ができない!!」「どうしてくれるんだ~」というネガティブなイメージを心の中で思ってください。大胸筋の上腕骨部は緊張に変化があらわれるはずです。最初から緊張している人は、変化がないか、逆に緩む場合もあります。もちろん、どんなイメージでも構いません。怒ったり悲しんだりという感情をイメージすれば緊張してくるのがわかります。
精神的疾患を患い常に緊張している人は、ネガティブなことを思うとガス抜きをして緩む場合があります。これはホントに面白い現象だと思います。ネガティブなことを言い続ける人って、自分の中にあるネガティブな不満をガス抜きし続けているというのがよくわかります。そんなガスを吸わないように冷静でいることが大事です。つまり、下手な情報を見ないというのは、とても重要なことです。
この事実は、一見筋肉が緊張しているように見えますが、全く筋肉の収縮とは無関係ということです。不安をイメージし、脳からの信号だけで筋肉を緊張させているかのように見える状態だということです。
筋肉が収縮しているという物理的運動ではない緊張ということだという事です。この意味はもの凄く大事です。
つづく