贈与VS遺言 その3 贈与税・相続税編
贈与って相続人間との関係ではいい制度ですね。
バックナンバー
贈与VS遺言 その1 相続人通知編
贈与VS遺言 その2 遺留分編
では税金面からみてみましょう。
贈与は贈与税
遺言は相続税
の対象になります。
何もないとわかりずらいので
仮に次を前提に考えてみましょう。
贈与者(遺言者)甲(84才)
推定相続人子A(61才)、B2名(59才)
相続人外C(21才 Aの子、甲の孫)
土地2800万円200(㎡)、
建物200万円(延100㎡、築24年、甲、A居住)
預貯金3000万円
以下令和1年度の法律に基づきます。
①甲は、土地・建物をAに贈与した場合の贈与税
A=3000万円-(基礎控除110万円)
=2890万円×45%-265万円
=10,355,000円
オ~1000万円越え。
②甲は、土地・建物をAとCに贈与した場合の贈与税
A=1500万円-(基礎控除110万円)
=1390万円×40%-190万円
=3,660,000円
C=3,660,000円(Aと同様の計算)
A、C贈与税合計7,320,000円
③甲は、土地・建物をAに3年間で贈与した場合の贈与税
A=1000万円-(基礎控除110万円)
=980万円×30%-90万円
=2,040,000円(1年)×3
=6,120,000円
④甲は、土地・建物をA、Cに3年間で贈与した場合の贈与税
A=500万円-(基礎控除110万円)
=390万円×15%-10万円
=485,000円(1年)×3
=1,455,000円
C=1,455,000円(Aと同様の計算)
A、C贈与税合計2,910,000円
もうひとこえ!!
以上からわかるとおり、
いっぺんで贈与するとかなり贈与税額は高額になりますが、
(1)贈与年数
(2)贈与する人数
が増えれば、増えるだけ、贈与税額の負担は下がります。
⑤全く贈与税を払わないでやる場合は、
7年かけてA及びAの妻、C及びCの妻に基礎控除内で
贈与すればいいのですね。
110万円×4名×6年+90万円×4名×1年
不動産の場合土地は毎年価値が変動し、建物は減価償却
していくので、実際にはこのとおりになりませんが。
注意していただきたいのは、
最初から一括で贈与する予定だったとなると、
贈与税は一括で贈与したものとされてしまうので、
①毎年契約書をまちゃんと作っておく、
②不動産の場合登記しておく、
③税理士の先生や税務署にちゃんと相談する
ということが必要かと思います。
また、贈与される人数が増えれば増えるだけ
2次相続等の分割等でまた検討しなければいけない
問題だったりが出てきます。
贈与を長期間贈与をすると、
遺留分との関係で、相続開始前10年間は
持ち戻されてしまうおそれがあるので、
これまたご注意ください。
最後に、遺言=相続税になります。
⑥遺言ですべての財産をAに相続させた場合の相続税
6000万円-(基礎控除4200万円)
=1800万円ですが、
相続税を申告し、
土地につき小規模宅地の特例をすることにより、
2800万円→560万円(2240万円 8割減)
になるので、
相続税評価3760万円-(基礎控除4200万円)
=相続税0円
この場合、相続税の0申告が必要になるので、
もちろん、税理士の先生のお力や税務署への相談は必要となります。
念のため。
⑦ ⑤の場合で先に不動産を贈与していた場合のは、
贈与税0ですし、
当然、残りの相続税も0です。
なおかつ、
相続税の申告も不要です。
⑤より、贈与税0円。
不動産はもう相続税課税財産とならないので、
相続財産は預貯金の3000万円のみ。
3000万円-(基礎控除4200万円)
小規模宅地等の特例適応もないので相続税申告不要です。
細かいお話しで生前贈与加算というものがあって、
死亡前3年以内に故人から相続人に対して贈与がおこなわれた場合、
贈与額を相続人の相続財産に加算して相続税を計算する規定です。
これは、また別のときにお話しします。
当然、贈与は贈与税以外にもコストがかかります。
詳しくは、贈与VS遺言 その4費用編
でお伝えしようと思います。
以上、相続手続きをやっていると、
結構税理士の先生ご紹介してください。
と言われる確率が高いので、
川崎市麻生区、稲城市の税理士の先生は
一度当所へお声がけくださいの
司法書士田中康雅事務所がお届けしました。