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「集団免疫」獲得が終息のカギ 専門家「流行繰り返し長期戦に」2020年4月2日
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、東京都をはじめ、各地で外出の自粛要請が続く。爆発的な患者の急増を抑え、医療崩壊を起こさないためだ。ただ、「封じ込め」戦略には限界があり、いったん流行が収まっても再燃する懸念が付きまとう。「人々が集団免疫を獲得するまで終息しないだろう」。専門家の間では「長期戦になる」との観測が高まっている。 (藤川大樹、森耕一)
◆「封じ込め」に限界
「感染者が収まって良くなったなと思うと、また増えて、ということを繰り返すことが考えられる」
三月三十日に開かれた日本医師会(日医)の記者会見。政府の専門家会議のメンバーを務める釜萢敏常任理事は終息の見通しをそう語り、「完全に収まるまでには時間がかかる」との見解を明らかにした
厳格な封じ込めで国内の感染を抑えたとしても、海外の感染地域から流入すれば、再び国内で広がる可能性があり、今後は集団免疫がカギになるとみる。
◆感染かワクチン接種で免疫
集団免疫とは、多くの人がウイルスに対する免疫を獲得する状態を指す。免疫を得るには、ウイルスに感染するか、ワクチンを接種する方法がある。ただ、ワクチンの開発は始まったばかりだ。
人口の何割が感染すれば、集団免疫を獲得できるのか。国際医療福祉大の高橋和郎教授(臨床検査医学)は「感染症によって違う。例えば、はしかや風疹であれば95%だ。新型コロナウイルスの場合、七~八割は必要ではないか」と推測する。
高橋氏は「集団免疫になるまで感染は続くとみられる」とした上で、感染を制御する必要性を説く。
イタリアでは短期間のうちに感染者が急増し、医療崩壊の危機にひんしており、「イタリアのような状況を防ぎ、重症患者を病院で受け入れるためには、活動の自粛によって感染スピードを遅らせる『低空飛行』を続けていく必要がある」と強調する。
◆「ウイルス完全抑制は無理」
東京医大の浜田篤郎教授(渡航医学)も「ウイルスを完全に抑えることは無理だろう。海外の流行が第二波、第三波と来る可能性は十分にある」と指摘。「最終的にはワクチンができるまで流行を繰り返すのではないか」とした上で、終息まで「二年程度はかかる」と予想する。
これから雨期となる東南アジアでは、人々が室内で過ごすことが多くなるため、飛沫や接触による感染拡大が懸念されている。冬を迎える南半球でも本格的に流行が始まり、日本に波及する恐れがあるという。
ただ、自粛が長引けば、経済への影響は深刻だ。「経済とのバランスをどう取るのか。専門家会議と政治家が決断するところ」と、高橋氏。政府は難しい判断を迫られそうだ。