肺3
大胸筋部の緊張は、筋肉の緊張でない場合があるというのは、ご理解頂けたと思いますが、頭でそれをわかろうとしても無理があります。普通ではなかなか緊張させにくい筋肉が、緊張させてもいないのにパンパンになってしまうのは何故かということでした。
このような緊張をどうやって解除すれば良いでしょうか?
鍼を打ったら良くなりますか?
筋膜はがし?
多分、そう考えて施術する方は、筋肉に対するアプローチと考えていると思います。あっ筋膜と言い張る人もいるかもわかりません。それだけではうまくいかない可能性があることは、この筋肉を意図的に緊張させるのがかなり難しいということからもわかってもらえたと思います。
ここはとても大事なところです。
普段緊張するのが難しい筋肉(便宜上)が緊張しているように見えるということは、筋肉以外の何かが緊張し見かけ上の緊張を作り出していると考えた方が合理的です。
もし、皮膚が緊張を起こしているとしたらどうでしょう。
例えば皮膚にヤケドをし、治癒した後を観察すると皮膚が縮んで硬くなっているのがわかります。内容物の体積が変化しない訳ですから、皮膚が縮めば当然ですが内圧を高めるはずです。つまり見かけ上緊張したように見えるということです。
風船の中に空気が入っていて、その風船の表面の一部が急に縮んだら、内圧が高くなり、どこかにシワ寄せがくるのと同じで、皮膚緊張があることで、内部の筋肉の圧力が高まり緊張しているように感じられたとしたらどうでしょうか?
内圧が高まっただけなのに、見かけ上は筋肉が緊張しているように思えます。
つまり、このような場合、アプローチするのは筋肉や筋膜ではなく、皮膚ということになるのではないかと思います。もし、皮膚が緊張して、内圧が高まり筋肉が緊張しているように見えたとしたら、皮膚は随意筋のように意図的に収縮させたりすることができないので制御は不可能です。
しかし、緊張しているからには、皮膚にヤケドのような外傷がない限り、何らかの信号が脳から送られてきて皮膚を緊張させているということになると思います。
随意筋も、その人の意思が脳を介して収縮した結果ですが、皮膚の緊張の場合は、随意運動ではないので、意図的に緊張したり収縮させたりすることはできません。
ここに大きなポイントがあるのではないかと思います。
また明日に続きます。