これまでいただいたご質問からのピックアップ…4【エントリーモデルのカメラで大丈夫?】【写真がワンパターンになってしまう】
photo-zemi(フォトゼミ)がこれまでにいただたご質問とその回答事例のご紹介の4回目は、ふたつの質問への回答事例をご紹介します。
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質問内容【エントリーモデルのミラーレスカメラを使っていますが問題ないでしょうか】
※「エントリーモデル」とは、初心者向け的な製品のことで、低価格で手軽に簡単に利用できるものを指します。
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全く問題にならないでしょう。
万一、印刷等で必要な画素数や解像度の理論値に満たないとしても、その写真で得られる効果とは別物です。
基本操作を丁寧に行って撮影することや、何よりも、必要とする効果を高める写真のあり方・見せ方を考えること、それ以上に重要なことなんてありません。
カメラの機種・機能の違いなど、些細なことです。
ちなみに、下の写真は、すべて、2万円程度のコンパクトタイプのデジタルカメラで撮影したものです。
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質問内容【写真がワンパターンになってしまうので、一風変わったおしゃれな撮影方法】
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これについては、持論があります。
「ワンパターンを避けるのは得策ではない」です。
商品写真では撮影するジャンルによって、ご指摘のとおり、撮り方の“パターン”のようなものがあります。
プロの商品写真でも、同じ商品ジャンルならば、似たようなイメージの写真が多いことが、ちょっと調べたらすぐに分かります。
その理由のひとつは、商品のジャンルごとに、ベストなライティングが似通ってしまうからではないでしょうか。
そしてそのライティングを活かすための商品の置き方やカメラ位置も、当然同じようなものとなるはずです。
結果として、写真の印象が似たものになり、“ワンパターン”と感じてしまうのだと思います。
そしてもうひとつ、わたしが推測する“パターン”ができてしまう理由。
それはとても重要で、“ワンパターン”を避けるべきかどうか、気分ではなく、しっかりと考える必要があると思います。
そもそも、プロがそれぞれ独自の腕前を競い合っている商用写真であっても、なぜパターンができてしまうのか、その答えは極めて単純明快だと思うのです。
それは、「そのパターンが効果的であった、という実績が積み重なってきたから」に他ならないと思うのです。
プロならば、あるいは、広告代理店としては、オリジナリティーを追求したいのは当然のことのはずです。
そうでありながらパターンから大きく逸脱することを避ける傾向があるのは、「そのパターンで結果が得られることが確認できているから」ではないでしょうか。
プロの世界でも(結果を必要とするプロだからこそかもしれません)パターンを重要視しているのですから、撮影を本職としていない撮影者が、“独創的な写し方……”と考え過ぎるのは、得策ではないと思うのです。
オリジナリティーあふれる写真が撮れたとしても、
社内で好評となる写真が撮れたとしても、
広告主が褒めてくれる写真が撮れたとしても、
コンテストに出品したらグランプリになるような写真が撮れたとしても、
商用写真である限り「ユーザー」に「伝わる」写真でなければ何の価値も持ちません。
ユーザーである日本人の感覚や考え方が大きく変化していないのなら、
その“パターン”が、「効果的」で「伝わる」ことが分かっているのなら、
あえてその“パターン”を採用し続ける方が、結果に繋がりやすいと思います。
まずは、結果が得やすい“パターン”を採用して、その中で、より写真の品質を高め、作業効率を高めることを考えることを選んではどうでしょうか。
もちろん、質問者様のように、“新しい手法”を模索することはとても大切だと思います。
その意識がなければ、“過去以上”を求めることをあきらめるようなものです。
そこには“停滞”しかありません。
実績によって積み重ねられてできあがった“パターン”を、あらためてしっかりと考えながら、その一方で、“新しい手法”を模索する意識を持って、たくさんの様々な広告写真を見て、撮り続けていたら、劇的にとはいかないでしょうが、独創性や、「一風変わったおしゃれな撮影方法」のアイデアがひらめく瞬間が来るのではないかと思います。
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今回は、ふたつの質問と、photo-zemiとしての回答事例をご紹介しましたが、どちらにも、異論・反論を持たれる方もいらっしゃると思います。
photo-zemiとしては、質問に答える立場です。
「〇〇の方が良いけれど、〇〇でも大丈夫だと思います」
といった、質問者を迷わせるような回答は、できる限り避けるべきと考えています。
また、確たる論拠もないままに、
「思い切って、冒険してみてはいかがでしょうか」
などといった、無責任な回答もできません。
photo-zemiとして、「なぜ〇〇なのか」その論拠に自信があるのなら、かえって迷わせてしまうような、あるいは、机上の空論のような回答をしてはいけない、と考えています。
もしも、回答に迷いがあるなら、正直に「回答が見つかりません」と答えることが必要とも思っています。
決めつけるつもりも、押し付けるつもりもありませんが、回答者として、“言い切る”ことを大切にしています。
どうか、汲み取ってお受け取りください。