黄金帝国12-ドン・ファン公ネーデルランド総督
2020.04.06 11:39
1576年、フランスはブロアで全国三部会が開催された。ユグノー派、カトリック派、それにポリティーク派が鎬をけずる大騒動だった。王の法律は三部会の承認が必要という革命的な決議までされた。すでに74年にはカルヴァン派指導者テオドール・ド・ベーズが「臣民に対する為政者の権利」というマニフェストを発表していた。
しかし会議で勝利したのは旧教派だった。聖職者、貴族、平民この三部とも代表はカトリックが就任していた。そこで三部会はアンリ3世が結んだ信教の自由の拡大の協約を取り消してしまったのだ。
旧教派を支援していたのはスペインのフェリペ2世である。しかしアルバ公の代わりの総督が亡くなり、給料不払いのスペイン兵が各地で略奪を行った。さすがにカルヴァン派の乞食党以外も耐えかね、76年11月、全国会議が開催され「ヘントの和平」が決定され、スペイン兵の撤退を要求した。
これに対しフェリペは、空席になったネーデルランド総督に、レパントで勝利の後王命違反で失敗した異母兄弟であるドン・ファン・デ・アウストリアを就任させる。ドン・ファン公は今度こそ成功させるという意志をもって5万のスペイン兵と共にブリュッセルに到着した。
下はブロア城の三部会会場