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暮らしの道場

弱みと許し

2020.04.09 05:47

弱みを出せる俳優ほど素晴らしいと感じていた。


あぁこんな風に、

まるで五歳児のように無垢に笑ったり、

だらしなくも酔っぱらって潰れたり、

くだらないことに怒りを爆発させたり さ


「全く情けないなぁ」

なんて思われるような姿をさらす


そんな演技を見せてくれるほどに、

「極上の俳優だな」と感じる。




『男はつらいよ』の寅さんなんかもそうだよね。


愛さずにはいられないし

心が軽くなり

「人生って豊かだな」

と感じられるでしょう。




彼らが役を通して、その姿を見せてくれるように


わたしも、自分自身が、そうでありたいな。




完璧でいたいよね。

出来る人間でいたいよね。

きちんとしていて、誠実で、上手で、正しくてさ


だからこそ

間違いたくなんかないし、

否定だってされたくないよね。




それは『恐れ』にしかならないんだ。



警戒心、とも言う。

恐れは 24時間、臨戦態勢ね。

これじゃ息もつけないわ。




「許されたい。」


あぁ、この気持ち、よくわかる。




「失言!!」

「不正!!」

「責任を!!」

世に溢れる 報道、糾弾


これらの言葉

あぁ 萎縮

潜在的にね




だって人は未熟だもの。

イタイ振る舞いだってするよ。

無知もあるよ。

だらしないところも、姑息なところも、下手くそなところも馬鹿なところも

実は誰にも知られたくない恥部や葛藤だってあるよね。

その時には気が付かなくても、後になってから「間違ってたな」と思うようなことだってあるよ。


ひとつひとつ

歩んでいるのさ。




「許さない。」


のは、自分自身に他ならない。




未熟に気付いたなら、より良くなることと受け容れ、

無知に気付いたなら、ごめんと謝り、

次はこうするね!

その分こうやって挽回するね!

と前向きに臨む。

ほんとうにやってはならないことをしたなら、しっかり悔いて、心を入れ替える。


(やってはならない、とは、「悪だから」だとか、どんな罰則があるから、というよりも

“自分自身” が、何年かかっても挽回できない、取り戻せないんじゃないかと思うほどに、深く失い、深く傷つくこと、

そういうあやまちのことなんじゃないかな)



そうやって

学べばいいじゃないか




「許されない。」


そう感じたら、死ぬしかないよ。

そう思ってしまうよ。


だから逆に、絶対に謙虚になれないよ。

恐れゆえに「私は正しい!!」「あなたは酷い!!」なんて反発するほうが容易い。

(わたしはそうやって生きてきたよ)




学んでいこう

学んでいこう


より良くしてゆこう

みんなで、より良く。



より良くするからにはね、

ずっと未熟で、ずっと無知なんだよ。

だって、今よりもずっとずっと、良くなり続けていくんだからね。




そうやって生きようよ

そうやって生きようよ




この世にたったひとり

『わたし』が、わたしの心にね

そう寄り添って、歩むんだ。