【THE SHOKUNIN】1年後も胸を張っていられるような丁寧な仕事を目指します
【塗装】多田雄一郎さん(43歳)
リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは、塗装会社代表の多田雄一郎さん。職人を束ねる社長としてのこだわりを紹介する。
見えないところこそ手を抜かない
塗装職人として28歳の時に独立し、35歳の時に住宅塗装会社「多田建装」を設立。今では職人5名と事務員2名を抱える社長となった多田雄一郎さん。職人として現場に立つことは少なくなったが、会社全体でこだわっているのは「見えないところも手を抜かないこと」。塗装が終わり養生を外した後、窓枠など細かな部分にもう一度マスキングテープを貼り、再度塗ってきれいにラインを出している。「一カ所でも丁寧でないところがあると、全部がいい加減にやっていると思われてしまうので、とても気を付けています」と多田さん。
現在、外注仕事の約半数が東京都多摩市のリフォーム会社ホームテックからのもの。
「ホームテックさんは工事後にお客様にアンケートをとり、その結果を弊社にもフィードバックしてくれます。職人のやりがいにもつながりますし、弊社にとってはとてもありがたい。お客様からもう1回、うちに頼みたいと思ってもらえるように努力していきたいです」
▲窓枠の下など、覗き込まないと気付かない場所こそ、手を抜かないできれいにラインを出す
営業は好きな人に会いに行くイメージ
今は現場仕事が2割、社長としての打ち合わせなどの仕事が8割という多田さん。現場からお客様の家に向かう場合は、必ず着替えて行くようにしている。
「変な言い方ですが、営業に行く時は『好きな人、または好かれたいと思っている人に会いに行く』イメージで行きますね。相手が嫌な気持ちにならないように、まずは汚れた格好はしないようにしています」
お客様が見積もりをとった時、どの業者も金額に大きな差がないことが多い。その中でも「この職人さんに頼みたい」と思ってもらうには、そうした心遣いの積み重ねが決め手になる。
4年前からライオンズクラブに入り、ボランティア活動も行っている多田さん。そこで多くの経営者と出会うことが大きな刺激となっている。「普段は同年代の人しか知り合えませんが、ここでは20歳も年上の方と知り合いになれます。『ああ、こんなことまで気を付けて経営をしているのか』と気付くことも多いです。真似をしたいと思うヒントももらえますね」
こうした人脈から仕事の依頼が来ることもあり、会社にとっても自分にとってもプラスになっている。
▲作業をする多田建装の職人さん。この日の現場は二世帯住宅の外壁塗装。職人さん同士仲が良く、仕事を終えた職人さん達が会社に戻って話をしている時は「放課後みたいな雰囲気」(多田さん)なんだとか
推薦の言葉
ホームテック リフォームプライス八王子店 施工グループ長
髙山紀幸さん
私どもの企業理念である施工品質〔気配り・工期・品質〕をよく理解し、実践している非常に協力的な業者さんです。
従業員の教育も行き届いており、多田建装の従業員であれば皆同じ高い品質で仕上げてくれます。
気配りの面でもお施主様だけではなく近隣住民や後工事の業者さんにまで気を配れる人で、お客様からの完工アンケートのコメントで、多くの再依頼のご指名を頂いています。今や八王子店には無くてはならない優秀な協力業者さんです。
多田さんからリフォーム営業担当者にメッセージ
「こうしてもらうと嬉しいなぁ」
塗装工事に入る前に、「この営業さんが使っている職人なら間違いない」というお客様と営業さんとの信頼関係を作っておいてもらえると、仕事がスムーズに進みますね。良い関係が築けていると、自動車を停める場所を確保しておいてくれたりと、作業がしやすいようにお客様も気を配ってくれます。
もちろん、私達も細かなことでも営業さんに報告するようにし、良い関係を維持できるように努力します。例えば、お客様から職人に「お茶代」として少額のお金をいただくことがあります。職人がお客様にお礼を言うだけでなく、私達は営業さんにも報告します。そうすると営業さんがお客様に「ありがとうございます。次はもうお気遣いなく」と伝えることができるからです。「職人と営業の連携がとれている会社」だと思われるよう、小さなやりとりの報告も疎かにしないようにしています。
「こんな営業さんはすごい!」
建築や塗装について深い知識が持っている営業さんはすごいと思っています。実は私の幼なじみの営業さんがそうです。プライベートはフレンドリーですが、仕事中は敬語。知り合いだからこそ大目にみてくれることはありませんし、的確で細かい指示がきます。メリハリをきっちりつける人だと思いました。逆にお客様からの理不尽なクレームがあった時には、お客様をうまくケアしながら、職人の立場も守ってくれます。そうした営業さんは尊敬しますね。