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シャトルループ(ナガシマスパーランド)

2020.04.10 12:51

長さ263m/高さ42m/最高速度91.7km/h/最大傾斜70°

 Schwarzkopf/Shuttle Loop

 シャトルループはシュワルツコフ社製の古典的名機の1つで、1977年に初めて作られた急加速型コースターの元祖。日本ではナガシマに加えて横浜ドリームランド、小山ゆうえんち、としまえんと4ヶ所で稼働していたが、閉園や撤去で、現存するのはナガシマだけ。世界的に見ても、現存しているのは6ヶ所と、次第に貴重な存在になってきているコースターだ。

 車両は2×2の7両編成で、シュワルツコフ製の定番デザインで、日本では珍しく、ループがあるのに、安全バーは腰だけ(シートベルトもある)とシンプル。背もたれが高めなので、車両の前寄りに乗った方が視界が良い。その中でも最前列が、やはり加速の迫力も1番楽しめるので、オススメだ。

 コースもこれ以上ないぐらいにシンプル。10秒前から始まる、なぜか長めなカウントダウンが終わると、約90kmまでカタパルトで急加速する。リニアの力を使った新しい急加速型のコースターのようにグングンと伸びる加速ではなく、一気に最高スピードまでいって、そのあとは少し速度が落ちる感じがするタイプの加速。速度は全然違うが、ド・ドドンパが感触としては近いと思う。

 急加速しながら直線を終えると、まずは前向きのループ。そして、パークのメインゲートに飛び出すように傾斜を登り、そのまま重力に引き戻されるように後ろ向きで戻っていく。先ほどと同じコースを戻っていくので、当然、次は後ろ向きのループ。1回目のループは加速した直後なので、プラスGが強く、車両に押さえつけられるような感じがするが、2回目は速度が落ちているので、『重力が抜ける』感覚があって面白い。『抜け』というのはつまり、ループの1番上に達した時に、プラスGが消えて重力を感じる瞬間があるのだ。特にその『抜け』は1番前に乗ると強く、体が安全バーによって支えられているのをしっかりと感じることができるぐらいで、思わずハラっとしてしまう。その感覚が癖になって、どうしても毎回、最前列に乗りたいのだが、席が早い者勝ちで、1運転ごとにホームにあるロッカーに荷物を預けるシステムになっているので、なかなか競争が激しい。2人以上で行っている場合は、1人がロッカーに荷物を預ける係、もう1人が席を取る係に別れれば、最前列を取れる可能性が高くなるので試してみて欲しい。1人で行く場合は(ほとんど僕もそうだが)、諦めて運に身を任せるのみ(笑)。

 脱線が長くなってしまったが、後ろ向きにループを抜けると、また真っ直ぐ戻っていき、駅舎を抜けて、後方の傾斜を登っていく。このパートは後方車両の方がより高さを感じられる。また重力に合わせて前向きに戻り(少しだけ浮く)、安全バーに頭をぶつけそうになりなるほどの急停車をして終了。時間にして30秒ぐらいの短いコースターだが、一切の無駄がなく、色々な要素がギュッと詰まっていて、古いコースターだと馬鹿にできないぐらい楽しくて、新鮮な驚きを今でも保っている。おそらく時代と共に、消えゆく存在なのかもしれないが、ナガシマには少しでも長く、シャトルループを存続させていて欲しい。


A−


背もたれの高い車両
シンプルを極めたレイアウト
駅舎から急加速で飛び出す
美しいループ
メインゲートに飛び出す形で傾斜を登る
重力に任せて、後ろ向きで戻っていく
後ろ向きのループでは『抜け』を感じて欲しい
木々に囲まれた後ろ側の傾斜
駅舎との距離が短くブレーキが激しい


※個人的には、帰りのループでの感覚を『ウィッとする』とずっと表現していたのですが、先日、「絶叫REVIEW」さんを久しぶりに読んでいると、『重力が抜ける』という表現が使われており、まさに言いたかったのはこれだ、と思ったので、この文章でも使わせていただきました。