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模写絵師つね吉八卦鏡

駒形堂吾妻橋 ーこまがたどうあずまばしー

2020.04.09 05:48

歌川広重名所江戸百景より

駒形堂吾妻橋

水彩にて 模写絵師つねきち


浅草寺の観音さまが隅田川にご示現された時

最初に祀られた場所に

駒形堂が建てられました。

示現(じげん)とは仏や菩薩がその姿を変え

人々の救済の為にこの世に現れることです。

吾妻橋は隅田川に架かる五つの橋のうちの一つ。

江戸の東側にあるから、あずま橋になったとか

吾嬬神社に繋がるからなど

その名前には諸説があります。


絵の印象を華やかにしている赤い幟(のぼり)は

「紅あります」という意味で

江戸時代の化粧品店「紅屋百助」の

宣伝用に使われていました。

当時、京都から卸された紅は良質で

ベニバナに含まれる1%の色素から作られたもの。

これらは向こう岸にある

吉原の遊女への

贈り物にも使われたそうです。

つまりは

口紅のCM対象には

女性だけでなく男性も多くいたわけです。

幟の右下には角材が並んでいて

この辺りに材木問屋があった事を教えています。

左中央に見えるのが吾妻橋

その右方には集落が並んでいます。

空を飛んでいるのは

初夏を表すホトトギス。

ホトトギスはハトより少し小さめで

国内には5月中旬頃に来る渡り鳥です。


昔、中国の蜀という国で帝王となった人が

このホトトギスに化身をし

農耕の時期が来ると、それを告げる為に鳴くとか

蜀が秦国によって滅ぼされると

それを悲しみ、血を吐くまで鳴いたので

ホトトギスの口の中は赤い

などと言われています。


「あの声で蜥蜴喰らうかほととぎす」

人や物事は見かけによらない、という意味の句があります。

生き物が生き抜くことの

生々しさ、そして鮮やかさが

梅雨どきの鈍色の空に

浮かび上がってくるような一枚となりました。