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触診法

2020.04.11 22:10

触診は、触れるか触れないかで行うのがコツです。

関節の動きが悪いところも背中をサッとなでると瞬時に判断できます。緊張は相対的なので、何かを基準にすることが大事です。この場合は左右を基準に考えて優位診断しています。

もちろん上下を基準にして考えることもできます。または深浅を基準にして考えることもできます。


胸椎下部の左右差を見ると見た感じも右側は腫れています。左腰椎5番あたりも上下の範囲は小さいですが、腫れていますので、動きが悪いはずだと予測できます。触診と動きを一致させる訓練は鍼灸師にとって必要不可欠なことです。

また、この場合、股関節の外側から下腹部まで腫れているのがわかります。


胸椎下部の右側の腫れがあれば、この胸椎の高さでは、右回旋と伸展が動きにくくなります。左腰椎5番あたりの緊張があるので、この高さで左回旋と伸展が悪くなります。また股関節あたりにも緊張があるので、L5周囲では、左側屈や左前屈に問題がでやすくなります。

動きを観察する時に代償運動をできるだけなくさなければ、動きの評価はできません。動きを評価するのにも術者の技術が必要です。


力任せに行えば、逆転することも多々あります。緊張している組織の周囲には、必ず、その緊張を吸収する場所、つまり弛緩しすぎている場所が存在します。無理やり動かすと弛緩しすぎている場所が動き一見動きやすくなっているようにも見えるからです。一部分の動きに集中し、僅かな動きで観察する必要があるのです。これが小さく動かす最大の理由です。


軽く背骨を触診し、その異常部位を理解することができると、どんな動きに制限がでて、どんなふうに動いてしまうのかがよくわかります。野球をしている人なら、どんなふうに動かすのが得意で、どんなふうに動かすのが不得意なのかもわかり、その動きをかばうために、どのような障害が起きやすいかを予測することができます。


この動画の方も腰痛を訴えていますが、この場合なら右胸椎下部の動きをよくすることが何よりも重要だとわかります。