『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』山本貴光+吉川浩満
【新刊】『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。 古代ローマの大賢人の教え』山本貴光+吉川浩満
筑摩書房 2020年3月発行 1540円(税込み) ご購入はこちらから
1900年前の古代ローマの哲学者・エピクテトスは、人間の悩みは、「権内」(コントロール可能なもの)と「権外」(コントロール不可能なもの)との区別ができないことによって生じるという。興味深いのは、これは自分の「内」か「外」かという話ではなく、自分の中にも「権内」と「権外」が存在するという話をしている点だ。
職場での人間関係や大学進学をする際の悩み等々、現代社会での具体的な相談にも答えながら、エピクテトスの魅力を山本貴光と吉川浩満が存分に語る内容となっている。
夏目漱石も愛読していたというエピクテトス。
自分の悩みとの付き合い方が分からないという方に特にオススメしたい一冊。
【目次】
はじめに
プロローグ 人生の教師エピクテトス 元祖・自己啓発哲学者
・パスカル、漱石をとりこにした古代の賢人
・どんな自己啓発書にも負けない賢人の知恵
第1章
悩みのカタログ『人生談義』の世界 「なんで私が打ち首に?」
・書かなかった人
・スティーヴン・セガールばりの切れ味
・理不尽で物騒な時代
・エピクテトス先生の真意は?
第2章
エピクテトス哲学の根本原理 権内と権外の区別
・もっとも根本的で忘れてはならないこと
・白旗を掲げる前に
・「権内にあるもの」と「権外にあるもの」を見極めよ
・人間にとって一番、幸福な状態とは?
・「打てないボールは、打たなくていい」
コラム1・古代ギリシア・ローマの哲学者たち
第3章
降臨!エピクテトス先生。上司にムカつく30代男性の相談に答える!
・「それはそうと、相談があるとか…」
・上司の役割と部下の役割
・「上司が年上の男性ならよかったのか?」
・権内の範囲でベストを尽くせ!
・「理性」という能力
第4章
理性を働かせよ! 理性的能力のユーザーズガイド
・「自分自身を考察するもの」とは?
・「理性的能力」の登場
・デュナミス・ロギケー=理性
・「理性はできる子」
・「心像」とは?
・もし自分の体が自由自在なら……
・ポスト・トゥルース時代の心像
・心像と戦え⁉
コラム2・古代ギリシアの幸福論
第5章
哲学の訓練 幸福を呼ぶトレーニング
・心像との戦い=哲学の訓練
・エピクテトス流ブートキャンプ?
・捨てるのではなく、コントロールせよ
・「操欲主義」のススメ
・練習、練習、練習あるのみ
・激情をクールダウン
・ひとつの基準、たくさんの練習
・ニーパー先生とフラクタル先生
第6章
再降臨!エピクテトス先生、見えない未来をどう選んだらいいですか?
・進路をいかに決めるか
・やりたいことが分からない
・何事も突如生じたりしない
・権内にあるもの
・自分の性分も忘れずに
コラム3・エピクテトスに私淑した先輩たち
第7章
ストア哲学の世界 論理学、自然学、倫理学
・ストア哲学エピクテトス
・柱廊の哲学
・ゼノンの最期
・「自然と一致して生きる」とは?
・理性と徳
・ストア入店⁉
・ストア哲学の体系
・バンドやろうぜ⁉
・論理学=理性×言葉
・自然と一致する論理学
・自然学=神学
・自然の原理
・神は万物に宿る!
・ストア哲学のアップデート?
第8章
エピクテトス先生をアップデートする
・これまでのおさらい
・古代ローマから現代日本へ
・アップデートの要点
・帝政ローマと現代日本
・巨人の肩の上に乗る
・なにをなすべきか
・あらためて相談を考える
・自分はどこにいるのか?
・権内を拡張するために
コラム4・より深く学ぶためのブックガイド
エピローグ
真実も幸福も エピクテトスの徒として生きる