2022――これから10年、活躍できる人の条件
www.amazon.co.jp/dp/4569797601
プライベートで参加している読書会で参考図書として紹介されている書籍でしたので、手にとって読んでみました。他の類似本とあまり目立つ部分が無かったですが、内容としては面白い話が多かったです。
■70年周期
数字(年代)の引用の仕方が恣意的で違和感がありますが、要は70年周期で時代の変革期となるようなイベント(災害・厄災・大事故)が発生しているとのことです。例えば、直近の2011年にあった3.11が、70年前は1941年の太平洋戦争。少しここの論調は無理があるような印象ですが。。
■ 祭りの仕掛け
70年周期で言う所の、140年前の明治維新期。極めて大きな革命なのに、犠牲者が圧倒的に少なかったという。例えば、フランス革命、ロシア革命は死者が200万人以上、南北戦争は62万人、それに対し、明治維新では死者1.3万人のみ。これに大きく寄与したのがお蔭参り・ええじゃないかの仕掛けだと言う。お蔭参り自体は、伊勢神宮への参拝の風習で、3200万人の当時の人口のうち500万人が訪問(約15%)する大移動であり、江戸からの片道は実に15日もかかる。この際に、民衆の熱狂を煽る仕掛けとしてええじゃないかを用いて、大狂乱の風潮を作り、死者数を抑え急速に明治維新への移行を済ませる、という流れ。エンターテインメントで市民のフラストレーションを昇華させ、エネルギーを吸収する緩衝材の役割とする。
■防災コストと祭り
祭りのもう一つの役割として、防災コストの削減、インフラの構築、があると言う。例えば、地域社会での地震や災害への備えは重要だが、そのコストを誰が担いオペレーションを組むかは高コストで後手になりがちだ。しかし、祭りを仕掛けると次世代の若者が働き手として戻ってきたり、地域間のコミュニケーションが勝手に活性化されたり、ローカルの役割分担が産まれたり、と円滑な優しいコミュニケーションによる活性化が達成される。
■NPO夜明け
ネクスト・ソサエティの中心に位置するのはNPOだと言われている。特に、2011の災害時などは、率先して助け合う文化が産まれ、民間企業のみでは達成し得ない動きが産まれた。今後もこの流れは加速していくだろう、お金が絡まない事で世の中の流れは加速する、とのことだ。確かに、Room to ReadのJohn Wood氏(マイクロソフト出身)や、Table for Twoの小暮真久氏(マッキンゼー出身)など、一流のビジネス界からNPOへ転身する方も増えている。
■TED出演が最高の学習
インフォメーションから、イン・フォメーション(情報のインプット)とエクスフォメーション(情報のアウトプット)という造語をつくっており、現代は、情報の発信であるエクスフォメーションが重要という話。その場として、TEDはとても良質な舞台になり得るという。本家TEDのみでなく、サブ企画として起ち上げも可能である。条件は以下。
・収益を目的としない
・他のイベントと組み合わせ開催しない
・組織との共催としてはならない(学校や大学とはOK)
・受講者100人以下
・会社での開催の場合は社内イベントである必要がある
■噛み合わない歯車
クリステンセンのイノベーションのジレンマの話のように、組織が大きくなる事で硬直化していくには理由がある。組織内での異なる価値観のせめぎあいでがんじがらめになってしまうためであるが、本書では以下の3点が引用されている。
・Efficiency 経営の効率性
・Hospitality/Intimacy 顧客との親近感
・Innovation 商品・サービスの革新性
■本書をサポートするコミュニティガイド
神田先生の著書に感銘を受け、様々なサポート活動が立上がっているようです。
・2022公式Facebook
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・Read for Action
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・チャレンジ40+
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・Game of Theory Quadrant ~Dragon Resonance~
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・オバマスピーチクラブ
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・W.A.R.M.(World Alliance Reading Mailmagazine)
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・エキスパートカフェ読書会
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