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HIKARU's Ownd

拡張の世紀

2020.04.24 19:41

www.amazon.co.jp/dp/4492762426

テクノロジーフューチャリストという肩書のBrett King氏の書籍。Movenと言うモバイルバンクの創立者であり、未来予想図の講演活動を精力的に行っている方のようです。示唆に富む内容がデータとセットで分かりやすく盛り込まれており、読み応え十分な書籍でした。


■テクノロジーのマスリーチ

特定のテクノロジーがマスに届く年数は、年々短くなってきているようである。

電気-46年、電話-35年、ラジオ-31年、テレビ-26年、パソコン-16年、携帯電話-13年、WWW-7年、iPod-4年、Facebook-3年、iPhone-2.5年


■インターネットの影響

McKinsey Global Instituteの調査では、インターネットの影響が年々大きくなっているとのこと。先進諸国の過去5年GDP成長の21%がインターネットによるものであり、それ以前の15年での10%と比較すると急速な伸びである。インターネットの恩恵の75%は従来型産業に届いており、調査4800社のうち、テクノロジーによって失われた職の2.6倍の職がインターネットによって産み出された。


■フルタイムの仕事の概念

歴史的にはフルタイムの仕事がむしろレアなケースである。工業化時代以前は存在すらしていない。製造ラインでの計画的な労働集約によって、週40時間労働の概念が普遍化した。


■コンピュータの始まり

WW2以後に、アラン・チューリングによって最初のプログラム可能な電子デジタルコンピューターが、暗号の解析サポートのために開発された。最初のプログラム可能な汎用計算機は、米軍が砲撃の弾道計算に使用し稼働した。

今のタブレットは30ドル程度だが、20~30年前には4000万ドルのスーパーコンピューターレベルのものだし、今のスマートフォンはアポロ計画でNASAが使用していた全てのコンピューターより高い計算力を有している。かつて彼らを月面へ導いたコンピューターの300万倍のパワーだと言う。


■インターネット始まり

インターネットは、ARPA(Advanced Reserch Projects Agency)によるARPANETプロジェクトによって最初の接続が成功した。カリフォルニア大学とスタンフォード研究所との間で1969年に接続が行われた。


■センサー

IoTとも呼ばれるセンサーが指数関数的に伸びていく。2008年には、地球でインターネットに接続しているモノの数が接続しているヒトの数を上回った。2020年までには500億個のモノが接続し、2030年にはセンサーは100兆個になるといわれている。あるいは、地球上の人間一人あたり150個のセンサーが接続されるとも言われている。


■グローバル企業

Facebookは、Internet.orgと呼ばれるNPOで、Aquilaと命名したソーラーパワー型ドローンによるネットワークを形成している。レーザーで地上のタワーやパラボラ向けに発信しており、ドローンは数ヶ月の浮遊が可能、高度は商用航空機よりも高い。Googleは、Project Loonと呼ばれる高度気球を活用した似たようなプロジェクトを進めている。


■ロボットの増加

2015年に1000万台近くが生産されており、今後の5~10年ほどには自動運転車が加わる、2025年までには年間1500~2000万台の自動運転車が販売される。2025年までには15億台超のロボットが稼働し、2~3年おきに倍増、2030年前半にはロボットが人間の数を上回るとのことだ。


■看護師市場のロボットによる代替

高齢化社会、医療先進の視点から看護師は非常に重要な要素となる。

・登録看護師は2012年270万人から2022年320万人の19%増

・日本で2025年に250万人の介護ワーカーが必要、しかし2013年のワーカー数は170万人、現在のペースでは38万人が不足の見込み

・現在の看護師の大学卒率は55%

・登録看護師の55%は50歳以上

・カリフォルニア州の看護師の20%はフィリピン人(フィリピン人自体は3%)


■脳の減少率

・26歳から年に1~2グラム減少

・45歳には年2~3グラム減少

・60歳以降には年3~4グラム減少

・75歳以降は4~5グラム減少

・90歳以上は5~6グラム減少

・肥満の高齢者は正常者の脳量より8%少ない


■モバイルバンキングMAU推移

2008年1000万人、2009年2000万人、2010年1.8億人、2011年2.5億人、2012年4.5億人、2013年6億人、2014年8億人、2015年12億人


■モバイルマネーユーザー増加数

2010年0.2億人、2011年0.5億人、2012年2億人、2013年3億人、2014年3.5億人、2015年5億人、2016年9億人、2017年13億人、2018年17億人、2019年20億人


■都市集中化

・産業革命以前はほとんどのヒトは田舎に居住

・1800年には世界人口のわずか3%が都市に居住

・1900年には100万人超の都市が12

・現在の先進国では人口の70%が都市に居住

・2050年には70%が都市部に居住


■AWSデータセンター

・世界の11地域にデータセンターが存在

・少なくとも2つ以上のAvailabilityZoneを有しており、全体では28

・およそ87のデータセンターが存在(推定)

・各センターに5~8万台のサーバー、総計200~500万台のサーバー

・各センターの電気利用は25~30メガワット、全体では2ギガワット

・テスラ社と共同で再生Eのファームを建設中

・各センターの流入帯域は102テラバイト/秒(Google Fiberの10万倍)