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ide LAB.

巣立つあなたたちへ。

2015.03.21 12:59


今日は卒業式でした。
卒業式の後,教育心理学教室の学生たちが謝恩会を催してくれました。

4年前。私が静岡大学に赴任して1年目,一緒に入学した学年だったので,彼らが育つ姿を見せてもらってきました。
想い出話や将来のことについて話をしました。

謝恩会の後半,学生たちにはなむけの言葉を送る機会を頂きました。
毎年,何を話そうかな,と考えますが,今年は先週1週間,カンボジアの小学校や孤児院を見に行った話をさせてもらいました。

カンボジアでは1970年代後半,ポル・ポトという独裁政権の時代がありました。
ポル・ポトは独裁を進める際に,教師や公務員,医者など学識のある人たちを捉えて強制収容所に送り,虐殺しました。
学識がある人たちは独裁を進めるうえで邪魔だったのです。
このことは未だにカンボジアの状況に影響を与えていて,初等教育が整備されてきた現在でも教師は慢性的に不足しており,子どもたちはまだ十分な教育を受けることができていません。

なぜ,ポル・ポトは学識のある人たちを虐殺したのか。
それは,学識のある人たちは社会に対する影響力,社会を変える力を持っているからでした。

「なぜ,私たちは学ぶのか」
「大学で学ぶことにどんな意味があるのか」

その問いに対する答えはたくさんあるでしょう。
その中で今日,私が学生たちに伝えたのは,「君たちには社会を変える力がある」ということでした。

大学で学んだことは人それぞれだったと思います。
授業だけではなく,サークルやボランティア,恋愛,バイト...
いろいろなことを通して,たくさんのことを学んだと思います。
その「学び」は彼らが自分自身の考えを持ち,良いと思えることを実行する土台となるはずです。

良き旅立ちの日でありますように。
幸あれ。