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ide LAB.

定時制通信制高校の研修会

2015.08.05 23:35

先日,静岡県内の定時制通信制高校の先生方の研修を担当させていただきました。
研修のテーマは『困難を抱えた子どもの理解と対応』ということで,発達障害と愛着障害を中心にして,定時制通信制高校に通う子どもたちが抱えている困難の理解と彼らをどう支援すればいいかということについてお話しました。

研修をするにあたって定時制通信制高校の生徒が抱えている困難についてのデータを調べてみたのですが,「定時制,通信制高校に通う生徒は大変だ」というデータ(例えば『高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究』㈶全国高等学校定時制通信制教育振興会(平成24年))はあるけれど,その背景や全日制高校との比較に基づく研究というのはほとんど行われていないということを知りました。

未発表のままですが,数年前に全日制高校と通信制高校の生徒の時間的展望や自尊心,レジリエンスについて調査させていただく機会がありましたが,それによると,通信制高校の生徒は空虚感が強く,将来への肯定的な展望が描きにくいという特徴があることがわかりました。また,困難な状況に直面した時に,自分の力で何とかしよう,人に頼ろうという傾向も弱いことがわかりました。
こうしたエビデンスに基づく理解や支援も必要なんだということをお話させていただきました。

先生方のお話によると,定時制通信制高校には,いじめや不登校,不適切な養育を経験したりするなど,困難な状況で育ってきた生徒が少なくないというお話でした。
こうした生徒の姿を「発達障害」というラベルでくくってしまうのではなく,育ちにも目を向けて考えていただけるようになると良いなと思いました。

また,LGBTのお話もさせていただきましたが,そうした傾向を持つ生徒もいるよ,ということでした。
定時制通信制高校での教育についてもう少し私自身が勉強をしなければいけないなと気付かされた研修でした。

ちなみに会場は藤枝東高校。一度,訪ねてみたいと思っていた高校です。
サッカーの名門であり,進学校です。
長谷部選手の出身校ですね。
伝統のある素敵な学校でした。